スタッフ日記

ぷれいす東京には、いろいろな人がかかわっていて、さまざまな活動がおこなわれています。ぷれいす東京NEWS活動報告書ではお伝えできないひとりひとりの思いや、日々の風景があります。この「スタッフ日記」で、そんなぷれいす東京らしさを感じ取っていただければと思います。

「僕の彼氏はHIVです」

さとう

若い人はYouTubeで情報を得るとか。なんだか僕にはピンと来ていませんでしたが、
今回縁あって、ユーチュバーのかずえちゃんの取材を受けました。
そもそもかずえちゃんのチャンネル登録者数が6.6万人。僕とパートナが出た動画に1週間で2万人以上のアクセス数があるなんて、マスメディアに匹敵する力を持っているなぁと感じました。

YouTubeのオフィスは、六本木ヒルズで、窓から東京タワーや遠くには羽田に飛び交う飛行機や恐竜橋が見える。庶民の僕としては別世界。夜景になったら、シャンパンでも乾杯したい気分になるほど、とても素敵な空間で、しばしリッチな気分に浸りました。

「僕の彼氏はHIVです」ってタイトル、正直言って最初、ドキッとしました。でもすぐにキャッチーなものは、こういう風に作られるのだな、と感心した次第。かずえちゃんはとても聡明な方でした。あの動画、実はノーカットなのです。25分の動画に一度で決めてしまう、かずえちゃんに感服。是非ご覧ください。

あぁ、はやい

まきはら

みなさま、まだまだ真夏の暑さが続く日々ですが、干からびてないでしょうか?
はい、ワタクシは気持ちの上ですが、かっさかさのかぴかぴでございます。
しかし、なんでしょうね、今年のこの暑さ。ほぼ南の国で育ったワタクシもびっくりでございます。いつまで続くことやら。
ボヤきついでに、毎年同じことばかり言いますが、こんなに毎日汁が溢れ出るのに、体重が減らないのはどういう我が身のミステリー。

さて、そんな干からびた担当のぼやきはさておき、いよいよ来週の土曜日(9/1)に年に1度のボランティア募集の説明会が迫ってまいりました。はえええ。6月くらいから、ぼちぼち、と思ってマイペースでやっていたら、あっと言う間でございます。時の経つのが早いこと。じじいのワタクシはあまりの早さに軽い尿漏れおこしそうでございます。

説明会(オリエンテーション)まで、残り1週間になりましたが、まだまだ説明会の参加は受け付けていますので、説明会だけでもよければおこしください。説明会で、部門の説明など聞いて、ボランティアとして自分に何ができるかなー、何したいかなーなど、考えていただければと思います。

9月1日(土) 新人ボランティア説明会のご案内(9月9日~研修開始)

ともあれ、また今年もいろんな方との出会いを、スタッフもボランティアも楽しみにしておりますので、ぜひぜひお越しくださいませ。

肉襦袢は永遠の我が身のミステリー
まきはら

「LGBT×貧困→ハウジングファースト」2018.5.2 シンポジウム報告

生島

TOKYO RAINBOW WEEKS2018の一環として、2018年5月2日(水)なかのZERO視聴覚室にて、「LGBT×貧困→ハウジングファースト」というシンポジウムが開催されました。

演者は以下の方々です。
大江千束(LOUD代表) プロジェクト概要
石坂わたる(中野区議会議員) 行政の立場から
稲葉剛(つくろい東京ファンド代表理事)ハウジングファーストという考え方について
生島嗣(ぷれいす東京代表)LASH調査の結果から
シェルタースタッフ(匿名)DVサバイバー支援機関職員の立場から

当日は、LGBT支援ハウスの開設に向けた今後の取り組み(大江)、行政に関わる立場からの相談事例の紹介(石坂)、つくろいハウス事例報告(稲葉)、DV・虐待サバイバー支援の現場から見えてくること(とある施設職員)、LASH調査の結果から、ゲイ・バイセクシュアル男性の生きづらさについて調査結果をご紹介しました(生島)。

定員100人を超えるお申し込みをいただき、2時間はあっという間に過ぎてしまいました。

LGBT当事者からの相談事例には、家族やパートナーからの暴力や、セクシュアリティに由来するメンタル不安などを理由に生活困窮となり、住まいを失うケースが少なくありません。とくに、ゲイ・バイセクシュアル男性やトランスジェンダーをはじめとするLGBTの場合、既存のシェルターなどの施設を利用できず、同性と相部屋になったり、本人が望む性別とは異なる施設入所を余儀なくされ、自立に向けて大きな支障となることもあります。

この数年にわたり、LGBTと貧困について議論をしてきましたが、現状の課題に対応するため、「LGBTハウジングファーストを考える会・東京」を結成して基金を募り、支援ハウスの運営をこの秋にスタートすることになりました。現在、クラウドファンディングを実施中です。

生島もメンバーの一人として参加していますし、ぷれいす東京も連携していく予定です。HIVに関する相談領域でも、時々家がないことで明日が考えられないという相談を受けることがあります。このプロジェクトに興味がある方は、ぜひ、下記のページをご覧ください。

【9月30日まで実施しているクラウドファンディングのページ】

日本初!貧困・孤独・病気
負のスパイラルから抜け出すための『LGBT支援ハウス』をつくりたい!

こりゃ干からびますわ

まきはら

みなさま、毎日暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。しかし、今年は7月しょっぱなから東京地方は連日の猛暑で暑いまんま。もう茹で上がるどころか、干からびないか心配なくらい?このままだと、ただでさえ色々と干からびているのが、さらに干からびそうな。ええ、潤ってないところも多々あるんでございます。まぁ、基本は油と脂とドロドロの闇でできてますが(怖)

おーつきさんの充実した「オレンジの国から通信」みました?画像も情報いっぱいで読みごたえアリ。すばらしい。あああ、そのあとにこの程堕落で恐縮でございます。

さて、先日の帰りの夜道、のら猫をムツゴロウよろしくかわいがっていたところ、猫様があらぬ方向をみたまんま静止。ちょっと、誰かいらっしゃるんですか?、どなたさんですか?、この時期に怖いなー怖いなー、このままいくと稲川淳二みたいな話になりそうと思いつつ、あらぬ方向を恐る恐るみたのでございます。すると、そこにいたのは、10mほど先の民家の屋根を軽やかに移動するハクビシン。もーびっくりさせんなやと思いつつも、東京での野生動物の遭遇に、ムツゴロウもどきは当然のごとく興奮したのでございました。なんなん、あの胴長短足。かわえぇ…。しかし、猫がいなければ全く気づいていなかったので、猫様の視覚?嗅覚?聴覚?には感服でございます。
ちなみに、猫様に視線を戻すと、またもや違う方向をみたまま静止。うわうわ今度こそ本物か、とおもいつつ、また恐る恐る同じ方向をみたところ、7-8m先に今度はライバル?の猫様。猫様にとっては見えてて当然、気づいてて当然かもしれませんが、すごすぎです。ただ、夏の夜に静止はご勘弁(笑)

さてさて、そんな猫様に癒されながら、9月の新人ボランティア研修に向け、着々?泣く泣く?準備をしている最中でございます。今年もあの手この手を使って、参加者の方に研修を楽しんでもらえるよう暗躍?もとい粛々と準備をしております。ぜひ、一度ぷれいすのこの研修に踊らされて?みませんか(汁)毎年の参加者の感想があるので、読んでいただければ、どんなものか想像できると思いますのでぜひ。

http://ptokyo.org/activities/data/9790

説明会まで1ヶ月切りましたが、まだまだ参加者募集中でございます。もし、周りに興味がありそうな方がいたら、ぜひご案内くださいませ。えぇ、後の苦情は一切受け付けておりませんのであしからず。

田舎で狸と猿と猪と兎と雉と人をみて育った
まきはら

オレンジの国から deel 8

おーつき

「Breaking Barriers, Building Bridges(障壁を破り、橋を架けよう)」をテーマに行われた第22回国際エイズ会議は、世界各国から1万6,000人超の参加者を集め、27日に閉会しました。

この会議の目玉のひとつとして、「PARTNER研究」の続編でもある「PARTNER2研究」の成果も発表されました。HIV陽性と陰性の972のゲイ・カップル間の76,994回のコンドームなしのアナルセックスで、1度も感染が起こらなかったというエビデンスで、治療を継続しウィルス検出限界未満のHIV陽性者からは感染の可能性がないこと、「Undetectable = Untransmittable (U=U)(検出限界以下=感染しない)」のメッセージに加勢しました。

会期中に国際エイズ学会の著名な専門家らも合意声明を発表し、現在少なくとも68の国々が、HIV陽性者が自身の感染を伏せたり他者に感染を及ぼすことを犯罪と規定しているが、それらは最新の科学によるエビデンスを理解しておらず、HIV/エイズ対策の障害となるばかりか、スティグマの増強につながっていると非難しました。

世界的には今もなお、3,700万人のHIV陽性者のうち東ヨーロッパ・中央アジア・北アフリカ・中東地域を中心に1,500万人が治療へアクセスできず、年間100万人が命を落としています。しかし、国際的なHIV/エイズ対策のメジャーな拠出国の半数以上が、昨年1年間でその拠出額を削減しているという現状があります。華々しい科学の成果とのこのギャップに橋を架けていくことが、引き続き大きな課題となっています。
 

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国際エイズ会議閉会翌日の28日からは、Pride Amsterdamが開幕。アムステルダムの街中がよりLGBTQフレンドリーに彩られます。
 

 

 

 

アムステルダム最古のLGBTQ向けバー「Café ‘t Mandje
 

 

 

 

 

現地のLGBTQ関連情報誌

オレンジの国から deel 7

おーつき

今日はとうとう気温が37℃まで上がったアムステルダムです。
お店のディスプレイに飾られていたチョコレートを事務所のお土産に買おうとしたら、店員さんに「今日はあまりにも暑いので、チョコレートは売らないようにとオーナーから言われているんです」と止められてしまいました。
 

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アムステルダムには、ミュージアムがたくさんあります。オランダと言えば!なゴッホやフェルメール、レンブラントなどの画家の美術館を巡るもよし、拷問、大麻に、セックスやエロティシズムの博物館などもあります。

アムステルダムの飾り窓地区にある、「売春博物館(Museum of Prostitution)」に行きました。
オランダでは、セックスワークは合法の労働で、セックスワーカーは商工会議所に登録した上で仕事をします。客の平均滞在時間は6分、一番依頼が多い行為はフレンチ・キスで、セックスワーカーの70%には配偶者か長年のパートナーがいる…といったデータや、セックスワークへの思い込み・偏見を打ち破るような展示物が満載の博物館でした。
一方、セックスワーカーには外国人労働者が多く、オランダ人のセックスワーカーより少ない報酬で働いていることや、客からの暴力や人身売買の被害に遭うこともあるといった負の側面も描かれていました。


ちなみに、今回の国際エイズ会議では、欧米の一部の国で買春を処罰の対象にした結果、セックスワークがアングラ化してしまい、セックスワーカーはよりHIV/エイズなどの健康上・安全上のリスクにさらされることになったという研究発表がありました。

オレンジの国から deel 6

おーつき

今回の国際エイズ会議では、2015~17年度の厚生労働科学研究班「地域においてHIV陽性者と薬物使用者を支援する研究」(研究代表者:樽井正義(ぷれいす東京))の一環で実施した生島さんの分担研究「LASH調査」の結果をもとに、トランスジェンダーの性の健康とHIV/エイズに関するポスター発表を行いました。
※ポスターのPDF版はこちら

UNAIDSによると、一般人口の49倍HIVに感染する可能性が高いといわれるなど、HIV/エイズ対策のキー・ポピュレーションと位置づけられ久しいトランスジェンダー。
しかし、トランス女性はMSMのデータの中で同じ扱いにされていたり、トランス男性に至ってはそのMSMのデータにも反映されていなかったりと過小代表されている状態が続いています。LGBTQの間にも根深いトランスフォビアや、性別二元論に当てはまらない人たちに対するスティグマがあることが、今回の会議でも指摘されていました。
世界に先駆け同性カップルの婚姻を認めたオランダでも、意外にもトランスジェンダーの権利についてはいまだ明文化されていません。
 

ぷれいす東京でも徐々にですが、今回ポスター発表を行った調査のような、トランスジェンダーの性の健康に関する取り組みを始めています。
 

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1992年に「エルトン・ジョン・エイズ基金」を設立したイギリスの歌手エルトン・ジョン卿。パートナーのデヴィッド・ファーニッシュ氏と共に会議に参加し、LGBTQに関するセッションのひとつをホストしました。
 

 

 

 

ナチスなどの迫害の犠牲となったLGBTQらを追悼するモニュメント

オレンジの国から deel 5

おーつき

アムステルダムに3ヶ所ある薬物使用ルーム(Drug Consumption Room)のうちのひとつを訪問しました。
オランダでは、マリファナなどのソフトドラッグを、個人が私的に使用することは非刑罰化(「合法化」ではない)されています。
HIV等の感染予防のため、ヘロインなどの静脈注射薬物使用者に清潔な注射針・シリンジを提供するハーム・リダクションを行うことは知られていますが、薬物使用ルームもハーム・リダクションの考え方による取り組みのひとつです。

例えば、マリファナを店で購入し自宅に持ち帰って使用する分には個人使用として刑罰の対象になりませんが、自宅のような私的スペースのないホームレスが道端で使用するとなると、罰せられかねません。
今回訪問した薬物使用ルームは、ホームレスを中心に1日あたり約500人の利用があり、ドリンクを飲んだり、シャワーやランドリー、ソーシャルワーカーへの相談サービスなどを無料で利用できます。単に薬物を使用するだけの場所かと思いきや、ソーシャルネットワーキングや自立の機会を提供することに重きを置いていて、路上で孤立するホームレスが薬物使用ルームの利用をきっかけに他の薬物使用者やスタッフら支援者とのつながりを作れるように配慮されています。
カナダのブルース・K・アレクサンダー博士の「ラットパーク」の研究にあるように、人が薬物を使用してしまうのは、快楽や薬物の依存性のせいではなく、孤独やストレスなどの苦痛から逃れるためである、という根拠に基づくものです。これまでに、薬物使用ルームの利用を経て自立し、ホームレス状態を抜け出し、薬物も使用しなくなったという人を多く送り出したそうです。

なお、この薬物使用ルームはルールに同意して利用登録をした薬物使用者のみが利用でき、そのルールは(誰でも守れるよう)「1. 安全、2. 衛生的、3. ストレスのない状態」に努めることの3つのみ。

アムステルダムでは元々薬物使用者全体の30~40%がHIV陽性であったのが、注射針・シリンジ交換プログラム導入後に12%に、1998年に最初の薬物使用ルームができてからは4%にまで下がったとのこと。また、薬物使用ルームでは路上とは違い、オーバードースなどが起こっても誰かがすぐに応急処置や救急搬送等をできるので、薬物関連死も激減したそうです。

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ソフトドラッグは街中にある「コーヒーショップ」などで販売されています(ただコーヒーを飲むだけの普通の喫茶店であれば、「カフェ」)。

オレンジの国から deel 4

おーつき

以前から、HIV陽性者の中に抑うつ傾向などメンタルヘルスの課題をあわせ持つようになる人が一定割合でいることは、数々の調査研究で明らかになっています。

今回の会議では、メンタルヘルス全般に焦点を当てたセッションがいくつかありました。
ひとつは、先住民族のコミュニティでHIV陽性者のメンタルヘルスをどう支援するかというテーマで、特に自殺リスクの高さへの対応を考えるというものでした。
医療者が着目するのは、精神状態が悪化すると抗HIV薬のアドヒアランスにも影響するということですが、あえて抗HIV薬の服用をやめる、という形で死に近づこうとする道を選ぶ人もいます。

また、自殺にもスティグマがあり、語りにくさがあります。

1990年に感染が分かったという、カナダの先住民族出身のHIV陽性者による発表がありました。
当時、彼の出身コミュニティに感染が知られたら一族の恥になるので、自死を考えているということを思い切って医療者に打ち明けたところ、その気持ちを否定せずに、自殺しないで済む方法を一緒に考えようと言ってくれたことから信頼関係が築けたとのことでした。

HIV陽性告知直後の特に心理的なサポートが必要な段階でそれを受けられないでいる陽性者は多く、医療者は血中ウィルス量などの検査だけでなくメンタルヘルスのスクリーニングをすること、HIVケアカスケードだけでなく、メンタルヘルス・ケアカスケードの「90-90-90」(HIV陽性者の90%以上がメンタルヘルスのスクリーニングを受け、うち課題がある陽性者の90%以上がケアを受け、そのうち90%以上が安定した状態になる、等)にも取り組んでいく必要があるという話で、このセッションは結ばれました。

先住民族のコミュニティにおける知見でしたが、ある程度他の環境にも当てはまるような、示唆に富む内容だったのではないかと思います。

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エイズ会議仕様になっていた王宮前のダム広場

オレンジの国から deel 3

おーつき

1980年代に起こったHIV/エイズの危機に対し、早い段階からMSMや薬物使用者などスティグマ化されていたコミュニティとの協働を始めるなど、社会問題への先進的な対策で知られるオランダ。HIVケア・カスケードの「90-90-90」も既に達成しています。

オランダの子どもへの性教育・性の健康への支援の取り組みを紹介するセッションに参加しました。
VRを使ったシミュレーション、人気YouTuberと一緒に考える性の健康、チャットによる相談といった最先端のICTを活用しつつ、しかし根幹では、大人と同様に子ども個人の権利を尊重し、子どもたちにも自分で考えて動く力があるということを前提に、その自己効力感をサポートしていくことを大切にしていたのが印象的でした。

  • オランダのティーン向けの性教育ポータルサイト「SENSE
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一方別のセッションでは、トランプ政権になってから、米国政府が(調査研究によって、負の影響しかないことが明らかになっているにもかかわらず)禁欲教育への予算を増額していることの問題が指摘されていました。
米国は2020年の次回の国際エイズ会議をサンフランシスコとオークランドでホストしますが、2012年のワシントンDCでの会議の際に一部で入国拒否をされたセックスワーカーたちは早々に会議のボイコットと、同時期にインドで別のイベントを開催することを表明しています。

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こちらは会議場の製薬会社のブースの前に陣取り、薬価が不当に高いと抗議する活動家たち。