スタッフ日記 “生島”

U=UはHIV陽性者への差別を減らすためのキャンペーン

生島

U=UはHIV陽性者への差別を減らすためのキャンペーンです。一般市民にこの事実があまり知られていないため、聞いた側が過度に感染を恐れてしまうことが、度々おきています。それは古い知識やイメージに基づく人権侵害です。性感染症は沢山あります。HIV陽性でも、陰性でも、誰もが自分にあった予防を選ぶ時代なのです。

HIV感染に気づき、治療を開始すると、やがて、治療によって血液中にHIV(ウイルス)が見つからないレベル、検出限界以下の状態になります。その状態が6ヶ月かそれ以上だと、HIVはうつることはありません。

東京レインボープライド2018(5月5日〜6日)ぷれいす東京ブースにて、「U=U」キャンペーンを実施し、ご協力いただいたみなさまのお写真を、 以下のSNSで紹介しています。

facebookページ ・instagram 

Prevention Access Campaignは、現在、世界79か国で650団体が参加しています。ぷれいす東京もコミュニティ・パートナーになりました。

UequalsUは、検出されない状態(Undetectable)、感染しない(Untransmittable)という意味です。 twitterなどで、#UequalsU で検索してみてください。世界中の取り組みを見ることができます。

このキャンペーンは予防は無しで良いという意味ではない

U=Uは予防をしなくても良いという意味ではありません。なぜなら、性感染症は沢山あるからです。梅毒、A型肝炎、C型肝炎など様々な性感染症が存在します。ですので、HIV陽性者とわかっている人も、陰性だと確認している人も、HIV検査を受けたいことがない場合でも、誰もが自分にあった予防を選ぶ必要があります。

参考になる情報

PARTNER研究
この数年、HIV陽性と陰性カップルが参加した調査がいくつか発表されました。服薬継続中でウイルス検出限界未満を継続している場合、パートナーにHIVを感染させるリスクは非常に低いことが研究により明らかにされてきています。

▼NHS.UK イギリスの健康保険のサイト
イギリスの健康保険組合のサイトでは、コンドーム使用、治療をすることが予防につながるという文脈の中で、U=Uについても説明をしています。市民向けの情報提供の中にも、位置付けられ始めています。

 

 

 

映画「BPM ビート・パー・ミニット」いよいよ公開

生島

3月24日(土)からいよいよ公開です。この映画はぜひ、音響がよい映画館で見るのがおススメ。BPMとは「音楽のテンポ」、「心拍の速さ」を表す単位らしい。治療法が確立しない時代を生きた若者たちの鼓動に触れてください。

1996年7月カナダで開催された国際エイズ会議で画期的な治療法の効果が発表された。この映画はその直前のストーリー。元ACT UPパリのメンバーだった監督が当時の様子を映画として再現している。

本当にディテールがよくできている。HIV陽性者と陰性者の活動家同士の恋愛。学校現場での性教育のありかた。政府や企業と患者団体との距離感や関係性。エイズの出現によって社会が変えられてきたことは、実は沢山ある。それが感じられる映画。もちろん、全くかわっていないものもあります。

昨年の11月23日、TOKYO AIDS WEEKS2017で国内初の試写会を開催しました。著名なフランス語の字幕担当者(松浦美奈さん)されているのですが、縁あって字幕監修者を専門医の協力を得ながらさせていただきました。アカデミー賞の候補になると期待されていたのですが、残念ながらノミネートされなかったのです。長く上映してほしいのですが、期間がどのくらい続くか不明です。ぜひ、早めに見にいってください。

鑑賞の注意としては、セックスシーンがあります。それと、パートナーを看取ったことがある人が「ちょっと辛かった」といっていたので、まだ整理ができたない人は無理しないでくださいね。

繰り返しになりますが、この映画、生きる鼓動を感じる映画なので、ぜひ映画館で見てください。

BPM公式サイト
http://bpm-movie.jp

急募! ペットの預かり、里親を募集中です。

生島

アルマさんが茨城動物指導センターから二匹を引き出してくれました。
センターには60匹以上の犬がいるそうです。アルマさんのブログはこちら。
この二匹の里親になっても良いというかた、アルマさんにご連絡ください。
本人も安心して治療に専念できそうです。(2/8)
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ご報告です。1月30日に、動物愛護団体が茨城動物指導センターに働きかけてくれて、引き取りがOKとなりました。この愛護団体さん(アルマ東京ティアハイムというシェルターを運営する動物愛護団体ALMA)さんに寄付などをして、このわんちゃんたちが引き受け先が見つからない場合には保護をお願いしたいと思います。皆様、ご協力、ありがとうございました。ご本人は来週から入院の予定です。(1/31)

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ぷれいす東京から緊急のお願い。HIV陽性者の飼い犬のあずかり先、里親探しの協力依頼です。

この投稿は、飼い主にweb環境がないため、私が代理で投稿しています。すでに、地元の動物指導センター、保健所には相談済みです。また、いくつかの動物シェルター、愛護団体にも相談していますが、いまだに、受け入れ先がみつかっていません。

飼い主が体調を崩してしまい、都内の拠点病院に入院が必要なのですが、身寄りがないため、入院できないでいます。飼い犬の面倒を見ていただける方、里親になっていただける方をさがしています。

ミニチュア・ダックスフントが2匹、12歳と6歳がおります。現在の居住地は茨城県内(東南地区)です。

本人は医師から入院しての治療が求められていますが、ペットがいるため、入院ができないといっています。

もし、アドバイスがあれば、教えていただければ幸いです。いくつかの動物シェルターには相談しましたが、動物愛護団体経由でないと定員がいっぱいで対応できない。webでの里親探しは協力するというアドバイスをうけています。お手伝いいただける、団体等(個人)をご存知でしたが、ぜひご紹介ください。

よろしくお願いします。

 

■マリン(茶)
性別:めす 年齢:6歳 体重:4KGくらい
不妊手術:無し
ワクチン接種の有無:購入時のみ
既往症の有無:無し

ワクチンは、ペットショップの購入時にしていますが、
それ以降はしていないそうです。

■アクア(黒)
性別:おす 年齢:12歳 体重:13KG
去勢手術:無し
ワクチン接種の有無:購入時のみ
既往症の有無:無しですが、ときどき、オシッコの始末ができないことがあります。

経過
1月18日:ワクチン接種、診察、避妊、去勢をしていないことがネックとなり、受け入れ先が見つかりません。本人の同意を得て、地元保健所にもヘルプ依頼。
1月19日:友人の獣医の協力で茨城で無料でワクチン接種、検診をしてくれる医師がみつかりました。しかし、移動に車で1時間の距離。
1月21日:保健所、動物指導センターも個人からの受け入れはしていないという回答。NPOやカフェも基本、ワクチン接種、去勢、避妊が必要で、引き取り時にも有償での受け入れ。経済的に困窮している本人は支払いが難しい状況です。
1月26日:いよいよ、本人も入院しないといけないタイミング。ボランティアスタッフがネット上で受け入れ先を模索中。

ご協力、よろしくお願いします。

ぷれいす東京  生島嗣
特定非営利活動法人ぷれいす東京 代表 / 相談員
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場4-11-5 三幸ハイツ403
Tel: 03-3361-8964(月~土12-19時 ※祝祭日を除く)
E-mail: ikushima@ptokyo.org
URL: https://www.ptokyo.org/

 

ごあいさつ

生島

新たな年を迎えましたが、いかがお過ごしでしょうか。

昨年は第31回日本エイズ学会学術集会が東京中野区内の、中野サンプラザとコングレスクエア中野において開催され、生島が大会長を務めさせていただきました。
この開催にあたっては、臨床分野からは岡慎一さん(国立国際医療研究センター)、基礎分野からは俣野哲朗さん(国立感染症研究所)に多大なお力添えをいただきました。また、総勢31人のプログラム委員のみなさまと一緒にプログラムを編成させていただきました。エイズ学会会員のみなさまからは、320演題の投稿があり、口演、ポスターとして発表をしていただき、活発な議論がされました。

参加者は、1,500を超える方々が、国内はもとより海外からもご参加いただきました。海外ゲストとして、タイ・台湾・中国・ドイツ・スイスなどから専門家や活動家をお招きし、特にアジアとのネットワークをより強固にする機会となったのではと思います。

新しい試みとして企画されたプログラム、次世代を担う医療者・支援者向けのユースプログラム、HIV陽性者によるスピーチプログラムはいずれも好評で、次回以降の学術集会にも引き継がれていく予定です。

また、TOKYO AIDS WEEKS 2017が中野区と共催で同時期に開催されました。企画・運営にあたっては、山縣真矢さん(NPO法人東京レインボープライド)に代表をお引き受けいただき、高久陽介さん(NPO法人日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス)に事務局という大変な労務を引き受けていただき、13人の運営委員をまとめていただきました。その結果、22イベントのべ1,500人の市民に参加していただきました。

また、恒例のGay Men’s Chorusが今年も開催され、エイズ学会会場である、コングレスクエア中野にて演奏され、大変に好評でした。

第31回日本エイズ学会プログラム委員のみなさま、TOKYO AIDS WEEKS 2017運営委員のみなさま、行政、企業やブースで出展していただいた団体のみなさま、ボランティアで開催に力を貸していただいたみなさま、本当にありがとうございました。

第31回日本エイズ学会学術集会・総会、TOKYO AIDS WEEKS 2017については個々のサイト内で、報告をさせていただきますが、まずは「ぷれいす東京NEWS」にて、関わった方々の声に触れていただければと思います。
ぷれいす東京NEWS 2018年1月号(学会・TAW2017報告号)
 

第31回エイズ学会学術集会・総会 http://aids31.ptokyo.org
facebook https://www.facebook.com/31AIDSjp/
twitter https://twitter.com/aids31jp
instagram https://www.instagram.com/aidsjp/

第31回日本エイズ学会学術集会・総会 会長
特定非営利活動法人 ぷれいす東京 代表
生島 嗣

第31回日本エイズ学会・学術集会プログラム公開しました。

生島

11月24日(金)〜26日(日)まで、東京都中野区で開催される、日本エイズ学会ですが、昨日web上でプログラムを公開しました。ぜひ、ご覧ください。

第31回日本エイズ学会・学術集会 プログラム

また、同時期日にTOKYO AIDS WEEKS2017も開催します。こちらは市民公開のプログラムですので、こちらのサイトもご覧ください。
TOKYO AIDS WEEKS 2017

学会当日まで1ヶ月半となりましたが、皆様のご参加、お待ちしています。

 第31回日本エイズ学会・学術集会

会長 生島嗣 (特定非営利活動法人ぷれいす東京)

「韓国軍による同性愛者さがし」はHIV/エイズ対策への悪影響になる

生島

東京レインボープライドから提案があった「韓国の陸軍大尉が同性愛を理由に有罪判決を受けたことに対する共同抗議声明」に名前を入れさせていただいた。HIV/エイズに関わるNGOとして、感じるところを少し書かせていただく。今年の東京レインボプライドの初日のフェスタのなかで、シンポジウムをTOKYO AIDS WEEKSとして企画づくりに関わらせていただいた。そのなかで、一番驚いたことの一つが、3国の感染経路の違いだ。

このデータは2015年に新規に報告された台湾、韓国、日本の感染経路の年間報告数だ。日本のデータは、HIV感染者、エイズ患者の合計で計算している。オレンジ色が女性の割合だ。各国とも2〜4%といったところで、大きな差はない。しかし、緑色は男性同性間で感染したと表明した人の割合は大きくことなっている。台湾:83.4%、韓国28.0%、日本:65.6%となっている。「男性・異性間」、「その他/不明」の割合も同じく大きく異なっている。これは、何を意味するのだろうか。

韓国における「その他/不明」の割合は36%、「男性・異性間」33%は、女性の割合を考え得ると明らかに、事実を表明するのが難しい社会や地域の環境が影響しているのではと感じざるを得ない。

また、シンポジウムのために、2015年の3国ごとの人口10万人あたりHIV/エイズ報告数を試算した。結果は、以下のようになっていた。韓国ではゲイのコミュニティでもそれほど、薬物使用はないという話を聞いていたので、日本の倍ほどの数字となっていたため驚いた。エイズ対策は、差別や偏見を取り除き、最もリスクが高い人達とも連携しつつ、対策をおこなっていくことが大事である。これは、HIV/エイズの歴史が証明している。

自分の性行為の内容や相手が誰であろうと、批判されず、自らの性や健康と向き合える社会であることがHIV/エイズ対策では重要だ。安全でなければ、HIV検査を自分で受けようとは思わない。日本の社会も、まだまだ課題はあるし、私たちがすべきこともある。日本においても、自分のセクシュアリティが明らかになる恐れから、エイズ発症まで検査をうけないでいる人はまだまだ存在する。今回の韓国軍の行動は、自分のセクシュアリティを棚上げ(否認)し、自分の健康リスクとも向き合うことをより難しくしてしまう恐れがあるように思う。軍関係者以外の韓国市民の同性愛者へのイメージにも大きな影響がある。同じ東アジアの地域の隣人として、今回の出来事は看過しできないと感じ、抗議声明に加わらせていただいた。

ぷれいす東京代表 生島嗣

第31回日本エイズ学会の会長に指名されました

生島

今年11月に開催される、第31回日本エイズ学会の会長に指名されました。やや荷が重いので、お引き受けするかを迷ったのですが、地域で活動する仲間たちを代表する気持ちでお引き受けすることにしました。
プログラム委員会は、東京在住の基礎系、臨床系、社会系の皆様に委員に就任いただきました。また、委員ではないかたちですが、全国の皆様にもご協力いただかないと成り立ちません。どうか、お力添えをよろしくお願いします。
また時期を合わせて、TOKYO AIDS WEEKS 2017も開催予定です。こちらは市民参加型のイベントです。こちらの方も、どうぞよろしくお願いします。
ぷれいす東京代表 生島嗣

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日本NPOセンター❌電通によるポスター展に参加

生島

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日本 NPO センターと電通のコラボによる「ソーシャル・ポスター展」に参加した。

この企画では、電通の社員が社会貢献の一環でNPO団体の取材をし、その団体が取り組む社会課題や活動を紹介するものだ。NPO69団体に電通グループ社員132名が参加したという大掛かりなもので、200枚以上のポスターが生まれたらしい。NPOとクリエイターとのマッチングは、SDG’s(国連「持続可能な開発目標」)を参照にしたという。

メインのコピーは、
「うつらないよ ちゃんと治療しているから。」

コピーは以下のようにつづく。
「そうなんです。HIVは、早期治療によっては、人への感染をおこさない状態まで回復できる時代です。」

最初、電通の男性社員の方が来所したのだが、体調をくずしたということで、以下の二人が来所し、ポスターを短期間で完成させてくれた。「よ」がシーツのなかにもぐっているデザインがとても良いと思う。
株式会社 電通、デザイン:加藤 好郎、コピー:尾花 真由美

クリエイターチームには、HIVの治療の進歩は目覚ましく、早めに感染を知り、きちんと治療をすることで感染は起こらない状態が実現できていること。しかし、HIV陽性であるとカミングアウトをすると、必要以上に避けられたり、差別されたりすることが今でも多くあること。セックス場面に限らず、こうした社会の認識をどうアップデートするのかが課題だというような話をした。私たちの社会の課題は、自分の感染に気づかずにいる人たちをいかに少なくするかであって、既に医療的なケアを受けている、ウイルスをコントロールしている人たちを差別や区別をすることではない。この話から、クリエイターたちはこのビジュアルを導き出してくれた。

最近、ヨーロッパでのパートナー研究の結果が発表され、ウイルスを抑制できていれば感染が起こらないことが実証された。もちろん、性感染症があるのでHIV陽性者は自身の健康を守るため、コンドームを使うことが望ましい。それは、治療中のHIV陽性者から他者への感染を防ぐという文脈ではなく、陽性者自身の健康を守ることが目的となる。

Sexual Activity Without Condoms and Risk of HIV Transmission in Serodifferent Couples When the HIV-Positive Partner Is Using Suppressive Antiretroviral Therapy
来年はこうしたコラボレーションを通して学ばせていただいたことを、より広い市民にも伝えて行きたいと考えている。

お世話になった中村キースヘリング美術館のPoP Upツアー

生島

12月10日(日)TOKYO AIDS WEEKSのゲイ男性合唱のなかで、朗読もしていただいた、中村キース・ヘリング美術館さんが、ミュージアムショップPoP Upツアーで、この日曜日まで、新宿のマルイに出店しています。HIV系のNGOのフライヤーも配布してくれています。

近くにいかれたかたは、ぜひ、お立ち寄りください。

新宿マルイアネックス 2Fイベントスペース(新宿伊勢丹向かい)
2016年12月1日(木)〜12月25日(日)

中村キース・ヘリング美術館
ミュージアムショップPoP Upツアー

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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000022359.html

 

Gay Men’s Chorus 一緒に歌います。

生島

Gay Men’s Chorus for Tokyo AIDS Weeks 2016
去年大きな反響があったゲイ男性コーラスですが、
今年も、12月10日(土)16時〜国立国際医療研究センターで
ミニコンサートが開催されます♪ 今年は1参加者としてコーラスに参加します。
すばらしいコーラスになりそうです。ぜひ、お越しください。

詳細は→http://www.ptokyo.org/news/7113