スタッフ日記 “おーつき”

南ア便り⑤:From Durban to Durban to…

おーつき

気温20℃のダーバンから40℃のドバイを経由して30℃の東京に帰ってきました、おーつきです。

南アフリカ・ダーバンで18~22日に開催されていた国際エイズ会議は、会議が同地で開催された16年前と比したHIV/エイズ医療の格段の進歩から希望のメッセージにあふれ、国際エイズ学会長の「このダーバンの会議を(抗HIV薬へのアクセスから)“PrEPへのアクセスの時代”の幕開けとしましょう」という言葉とともに締めくくられました。
現地の治安や国際的なテロへの不安もあってか、参加登録をしたのは153ヶ国から15,180人とやや小規模だったようですが、これまでの会議と同様に活動家たちの大きな声が聞かれ、これまでにないくらいアフリカ地域の声が反映された会議のように感じました。

TheNewAge会議に参加したイギリスのヘンリー王子とエルトン・ジョン氏が故ネルソン・マンデラ氏の孫たちと並ぶ写真が地元紙の一面に

 

 

 

 

 

 

次回の会議は、2018年にオランダのアムステルダムで開催されます。Iamsterdam

南ア便り④:アフリカのLGBT

おーつき

南アフリカ共和国は、1996年、アパルトヘイト後に作られた新憲法において性別・ジェンダー・性指向いずれによる差別も禁ずる旨を憲法に明記した世界初の国になりました。2006年には南半球の国々では初めて、アフリカ諸国では現在もなお唯一、同性婚を合法化しています。

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Religion現在もいくつかの国が、同性愛を死刑とするソドミー法を持つアフリカ。それには宗教界による支持も少なからずあります。
そして、ほんの数十年前まで続いていたイギリスなど欧州諸国による植民地支配の影響を語らないわけにもいきません。

植民地支配の時代に勝手にソドミー法を作って置いていったのも西側諸国なら、今になってLGBTの人権を守れと警告してくるのも西側諸国、というアフリカ側のフラストレーションも伝わってきます。
しかし一方で、グローバル・ヴィレッジでセッションを開いたナイジェリア出身のオープンリー・ゲイの宗教家からは、植民地時代以前よりアフリカ文化の中にも同性間のパートナーシップがあったという史実もあり、LGBTの人権と宗教的価値観との共存の道を探っていこうという冷静な呼びかけがなされました。

グローバル・ヴィレッジは、参加登録をしなくても無料で入場できる開かれたスペースです。そして、そこにあるセッション・ルームでは、この宗教とLGBTの他にも、障害者とHIVといった忘れられがちだけれど大切なテーマが毎回扱われ、現地公用語ズールー語の同時通訳もありさらにインクルーシヴだったのですが、広報も立地もイマイチだったのか参加者が少なかったのがとても残念でした。

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TheLancet医学誌『ランセット』がトランジェンダーの健康に関する特集号を発行。地域によっては、HIV陽性のトランスジェンダーの医療へのアクセスやアドヒアランスを向上させることを目的に、HIV医療とともに性別移行のためのホルモン療法をあわせて提供する動きが広がっています。
ただ、ランセットに載っていた記事によると、南アフリカには性別適合手術が受けられる病院が2つしかないとのこと。法制度は整いつつあっても、その実施においては課題山積だそうです。

南ア便り③:ダーバンの歩き方

おーつき

地元ダーバンにある、貧しい人たちや社会で周縁化された人たちのために、異宗教間の協力で開設されたクリニックDenis Hurley Centreを訪問しました。のちのインド建国の父マハトマ・ガンディー氏が青年時代に法律事務所を設立した場所のほど近くで、教会とモスクの間に建てられています。

南アフリカではCD4が350以下のHIV陽性者には抗HIV薬が配布されますが、身分証明書を持たないなどしてフォーマルな医療にはアクセスできない層、例えばホームレスや難民、薬物使用者やトランスジェンダーの人たちを、こういった民間の団体がサポートしています。

このクリニックでは、プライマリ・ヘルスケアを提供するほか、ホームレスには食事やランドリーのサービス、職業訓練プログラムなどが用意され(クリニック内でもホームレスがピア・スタッフとして働いています)、また地域の人たちが集まるコミュニティ・センターとしての機能も兼ね備えているそうです。

MealServiceこの日、配られていた食事のメニューはカレー(ダーバンには、インド国外では世界最大のインド系コミュニティがあります)

 

 

 

 

礼拝の部屋も、色々な宗教の人が使いやすいよう十字架や像のようなデコレーションはなしPrayerRoom

 

 

 

 

 

抗HIV薬は持ち歩くと盗まれる(他の薬品と混ぜてドラッグを精製するために取引されるとか)こともあり、このクリニックでは、特にホームレス状態にあるHIV陽性者には一日ごとに薬を処方してその場で服用することをすすめています。しかし、ダーバン市が国際エイズ会議の開催に合わせ、4,000人ほどいたホームレスを街から排除してしまったそうで、彼らの中にいた陽性者の服薬継続がとても心配されていました。

PositiveHIV陽性者向け雑誌

 

 

 

 

 

 

朝夕には交通渋滞がCarTraffic

 

 

 

 

 

 

Vote来月初めには、統一地方選挙が行われます

南ア便り②:PrEP、PrEP、そしてPrEP

おーつき

今回の会議では、発表全体の3分の1ほどが、アフリカの研究者によるものです。また、国際エイズ会議史上初めて、女性の研究者による発表が過半数を占めたとのことです。

TUPED271ぷれいす東京スタッフが関わる厚生労働科学研究班「地域においてHIV陽性者と薬物使用者を支援する研究」でも、前研究班までに行った調査結果をもとに、ポスター発表を行いました。ほぼ5年おきに3度行った国内のHIV陽性者を対象とした質問紙調査から、この10年間の治療環境の進歩と、いまだ変わらぬHIVとともに生きる上での社会的な障壁について述べたものです。

ポスターはこちら

 

 

 

 

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国際的な流れもそうですが、アフリカの国々を対象として行われていた調査の結果が形になってきていることもあり、今回の会議ではPrEP(Pre-Exposure Prophylaxisの略で、抗HIV薬を感染予防目的に投与すること)に関する研究発表が数多くありました。注射による服用などPrEPそのものの研究もあれば、HIV陽性のパートナーを持つ陰性者の多くがパートナーのウィルス量が検出限界未満になった後もPrEPの継続を望んでいる、といったPrEP後の問題を扱うような調査結果もありました(発表の多くは、会議の公式Webサイトから抄録やスライドをダウンロードできます。興味がある方はどうぞ)。
一方で、抗HIV薬が陽性者全体に行き渡っていないのに予防投与に使うのは反対だという意見や、地元の団体からは「10代の少女たちが生理用ナプキンも買えずに困っているのに、PrEPに使う金があるのか」といった抗議も。
会議公式メディアを含め、多くのメディアがこのPrEPについてカバーしていることからも、関心の高さがうかがえます。

会議のアプリでも、“PrEP”でスケジュールを検索するとプログラムがズラッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Wind Band地元の若者たちによるブラスバンドがAORの名曲、TOTOの『Africa』を演奏

南ア便り①:いまだ沈黙=死

おーつき

南アフリカから、暑中お見舞い申し上げます。
南アフリカの人口第2位の都市ダーバンに滞在し、18日より開催中の第21回国際エイズ会議に参加させてもらっています。南半球のこちらは真冬ですが、最低気温が14℃、最高気温が21℃ほどで、きわめて快適です。

 

プレナリー・セッションでは、活動家たちがプラカードを持って舞台に登壇Activists

 

 

 

 

 

ConferenceBag

参加者に配られたカンファレンス・バッグはフェアトレードの製品

 

 

 

 

 グローバル・ヴィレッジではヨガのレッスンも(ちなみに今回の会議、朝イチのプログラムはなんと7時スタート!)Yoga

 

 

 

 

 

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南アフリカにはおよそ700万人のHIV陽性者が暮らしていますが、2009年以来HIV陽性の子どもの数が76%減少し、世界で最も多い340万人が抗HIV薬を服用しているなど、他のサハラ以南アフリカ諸国とは異なりHIV対策に一定の効果を上げているとも言われています。
2000年の第13回国際エイズ会議も『Breaking the Silence(沈黙を破れ)』のテーマのもとダーバンで開催され、かのネルソン・マンデラ氏も参加されました。ちょうど今回の会議の開会式が行われた7月18日は、ネルソン・マンデラ・デー(彼の誕生日に由来)。長年HIV/エイズのアクティヴィズムに関わってきた人たちは、この国の歴史の中で象徴的な反アパルトヘイト運動になぞらえ、あらためて「沈黙=死」であると、声を上げ続けることの必要性を強調していました。

RIP

話したい気持ち

おーつき

PLACE Talkおかげさまで、ザ・ボディショップ ニッポン基金助成「語り場・ぷれいすトーク“話してできる心のデトックス”」は、昨日をもって全ての日程を終了しました。ありがとうございました。
5月5日(祝)の第2回「話しにくい何かを抱える気持ちをシェアする会」には35名の参加がありました。レインボーウィーク参加イベントということもあり、普段ぷれいす東京と特につながりを持たない方からも関心を寄せていただいたようです。
話題提供をしてくださるゲスト2人の講演と、参加型グループワークの2本立てによるプログラムでしたが、盛り沢山で時間がもっとあれば良かったというご意見もあり、今後の企画・運営に生かしたいところです。
また、この企画を通して、お借りした会場の運営の方々とも地域で活動する団体同士として情報交換や、問題意識の共有ができたことも印象深い経験でした。

 

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今月、ぷれいす東京のスタッフが参加する厚生労働科学研究班「地域においてHIV陽性者と薬物使用者を支援する研究」が、ゲイ・バイセクシュアル男性(MSM)向けの情報サイト「Love Life and Sexual Health (LASH)」を開設しました。さまざまなコンテンツが順次公開されていくので、ぜひチェックしてみてください。

そこに岩があるから

おーつき

ぷれいす東京がザ・ボディショップ ニッポン基金の助成により企画した新イベント「ぷれいすトーク」第1回にご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。今月中に引き続き2回の開催が控えていますので、ぜひお誘い合わせの上お越しください。

語り場・ぷれいすトーク
普段の生活では話しにくい3つのテーマで安心して語り合える場所をもうけました。
参加者同士が明るく楽しく交流することを通して、情報を増やしたり、今後に役立つ何かを発見しませんか?どなたでもご参加いただけます。

■日時とテーマ
5月 5日(木・祝)14:00~16:00「話しにくい何かを抱える気持ちをシェアする会
5月15日(日)  15:00~17:00「HIV陽性者と話そう! Living Togetherを体験するワークショップ

■会場
CASE Shinjuku(ケイスシンジュク)
東京都新宿区高田馬場1-28-10 三慶ビル4F

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ぷれいす東京事務所のすぐ隣のブロックにあるロッククライミング・ジムに、友人を誘って行ってみました。カラフルなホールドが、見ているだけでも楽しかったです。←
腕に覚えのある方はぜひどうぞ~。RockClimbing

今、話題の!

おーつき

先日のお花見は、81名もの方に参加いただき、おかげさまで盛会のうちに終了しました。どうもありがとうございました。
今回お出でになれなかった方も、また来年の開催を楽しみにしていただければと思います。

さて、ぷれいす東京は、ザ・ボディショップ ニッポン基金の助成を受け、この4~5月に3回シリーズの新しいイベントを開催します。

語り場・ぷれいすトーク
普段の生活では話しにくい3つのテーマで安心して語り合える場所をもうけました。
参加者同士が明るく楽しく交流することを通して、情報を増やしたり、今後に役立つ何かを発見しませんか?どなたでもご参加いただけます。

■日時とテーマ
4月29日(金・祝)14:00~16:00「子どもやパートナーと性の健康について話してみる?
5月 5日(木・祝)14:00~16:00「話しにくい何かを抱える気持ちをシェアする会
5月15日(日)  15:00~17:00「HIV陽性者と話そう! Living Togetherを体験するワークショップ

■会場
CASE Shinjuku(ケイスシンジュク)
東京都新宿区高田馬場1-28-10 三慶ビル4F

会場は高田馬場駅至近。同じビルの1Fには、バー・タイムを設けてお酒を提供するという新たな試みで今話題のファストフード店があります。あわせてどうぞ!?

問題です

おーつき

●[ A ]~[ E ]の中に当てはまる最も適切な語句を、下の語群から選びなさい。

HIV陽性者参加支援[  A  ]は、[  B  ]年の第20回日本エイズ学会学術集会・総会(会長:[  C  ])において「医療従事者だけでなくHIV陽性当事者にも開かれた[  D  ]に」という趣旨に賛同した当事者団体・支援団体が、製薬企業などの協力のもとに開催した[  E  ]に、より多くの陽性者に参加してもらうことを目的に設立されました。

デリバティブ  幕府  スカラシップ  井伊直虎  合戦  1582  徳川家康  池上千寿子  学会  国会  1192  シンポジウム  年貢  一揆  2006

(正解は本ページ下部に)


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昨年11月30日~12月1日に実施された第29回日本エイズ学会学術集会HIV陽性者参加支援スカラシップの報告会が、今週末に開催されます(主催:一般社団法人HIV陽性者支援協会)。

当日リリースされるスカラシップ報告書をひと足先に読ませていただきましたが、今年も期待にたがわずすばらしい内容です。
報告会の会場で配布されるほか、Webでも公開予定ですので、ぜひお手に取ってお確かめください。

●●は自分にとって大事な問題だけれど、それが議論されている場はハードルが高くて参加できるとも参加したいとも思えない……という思いを何かに抱いたことがある人たちにも、おすすめです。

HIV陽性者による第29回日本エイズ学会参加報告会
日時:2016年2月21日(日)13:30-15:30
会場:NOF新宿南口ビル セミナールームC
(東京都渋谷区代々木2-4-9 NOF新宿南口ビル4F)



●正解

[ A ]スカラシップ  [ B ]2006  [ C ]池上千寿子  [ D ]学会  [ E ]シンポジウム

心ときめく国なんや

おーつき

10yearsTOKYO AIDS WEEKS第29回日本エイズ学会学術集会・総会、実際に参加された方も気にかけていらした方も、お疲れさまでした。
HIV陽性者参加支援スカラシップも10回めの記念の回の実施を終え、あとは報告書制作と報告会開催を残すのみ。随時HIV陽性者支援協会のWebサイトに情報が掲載されますので、ご覧ください。

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聴覚障害者支援の活動をしている知人にすすめられ、字幕上映中だった映画『レインツリーの国』を観ました。難聴の女性が登場する作品で、聴覚障害の当事者団体の働きかけにより、字幕上映が決まったそうです(言われてみれば日本語字幕つきの邦画ってほとんどないですね…この作品も字幕上映は期間限定だし)。
障害があることを人に伝える、伝えない。伝えないで済むようにあれこれする工夫。障害者枠で働く人たちをとりまく環境や、周囲からのさまざまなプレッシャー。見えない障害だけに配慮してほしいことや、してほしくないこと…といったテーマがあちこちにちりばめられ、描かれていました。

──なんだか共通する部分も多いですよね?

その登場人物が、ただ守られるような存在ではなく、力を持った存在としても描かれていたのも印象的でした。

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食○ログ

友人の家で手巻き寿司パーティー。酢飯をあおぐときに出てきたうちわが、どこかで見覚えのあるアレ…!!