スタッフ日記 “おーつき”

昨日(12/1)は何の日?

おーつき

少し前の話になりますが、「LGBT医療福祉フォーラム2018」に参加しました。ぷれいす東京も分科会のひとつ「地域支援者のための入門セミナー〜声を上げにくいLGBTを地域でどう支援するのか?~HIV/エイズ、依存症、セクシュアルヘルス支援など」を担当し、地域でその専門性や当事者性を生かし、声なき声をすくい上げるような支援を実践してきた方々をゲストにお招きしました。

ゲストのおひとりは、ダルク女性ハウス施設長の上岡陽江さん。私が上岡陽江さんのお話を初めてうかがったのは、上岡さんが11年前の春に行われた、ぷれいす東京の2006年度活動報告会のゲストにいらしてくださった時でした(ニュースレター(PDF)でも当時の様子を紹介しています)。当時から変わないダルク女性ハウスでの粘り強いケア・サポートの取り組みを、今回はLGBTの支援者向けに共有していただきましたが、「好き」に着目したワークショップや援助技術は興味深く、参考にしたいと思いました。

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さて、Webのあちこちで宣伝している通り、チャリティー専門ファッションブランドのJAMMINさんのご厚意により、世界エイズデー前後のこの1週間限定で、ぷれいす東京のグッズを販売していただいています。

カラー、スタイル共にバリエーション豊富で、コーディネートを考えるのも楽しいです。販売期間は今日2日(日)23時59分までなので、ぜひWebショップを覗いてみてくださいね~。

「NPO法人ぷれいす東京」との一週間限定コラボデザイン!
JAMMIN(ジャミン)Social Wear Brand

オレンジの国から deel 8

おーつき

「Breaking Barriers, Building Bridges(障壁を破り、橋を架けよう)」をテーマに行われた第22回国際エイズ会議は、世界各国から1万6,000人超の参加者を集め、27日に閉会しました。

この会議の目玉のひとつとして、「PARTNER研究」の続編でもある「PARTNER2研究」の成果も発表されました。HIV陽性と陰性の972のゲイ・カップル間の76,994回のコンドームなしのアナルセックスで、1度も感染が起こらなかったというエビデンスで、治療を継続しウィルス検出限界未満のHIV陽性者からは感染の可能性がないこと、「Undetectable = Untransmittable (U=U)(検出限界以下=感染しない)」のメッセージに加勢しました。

会期中に国際エイズ学会の著名な専門家らも合意声明を発表し、現在少なくとも68の国々が、HIV陽性者が自身の感染を伏せたり他者に感染を及ぼすことを犯罪と規定しているが、それらは最新の科学によるエビデンスを理解しておらず、HIV/エイズ対策の障害となるばかりか、スティグマの増強につながっていると非難しました。

世界的には今もなお、3,700万人のHIV陽性者のうち東ヨーロッパ・中央アジア・北アフリカ・中東地域を中心に1,500万人が治療へアクセスできず、年間100万人が命を落としています。しかし、国際的なHIV/エイズ対策のメジャーな拠出国の半数以上が、昨年1年間でその拠出額を削減しているという現状があります。華々しい科学の成果とのこのギャップに橋を架けていくことが、引き続き大きな課題となっています。
 

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国際エイズ会議閉会翌日の28日からは、Pride Amsterdamが開幕。アムステルダムの街中がよりLGBTQフレンドリーに彩られます。
 

 

 

 

アムステルダム最古のLGBTQ向けバー「Café ‘t Mandje
 

 

 

 

 

現地のLGBTQ関連情報誌

オレンジの国から deel 7

おーつき

今日はとうとう気温が37℃まで上がったアムステルダムです。
お店のディスプレイに飾られていたチョコレートを事務所のお土産に買おうとしたら、店員さんに「今日はあまりにも暑いので、チョコレートは売らないようにとオーナーから言われているんです」と止められてしまいました。
 

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アムステルダムには、ミュージアムがたくさんあります。オランダと言えば!なゴッホやフェルメール、レンブラントなどの画家の美術館を巡るもよし、拷問、大麻に、セックスやエロティシズムの博物館などもあります。

アムステルダムの飾り窓地区にある、「売春博物館(Museum of Prostitution)」に行きました。
オランダでは、セックスワークは合法の労働で、セックスワーカーは商工会議所に登録した上で仕事をします。客の平均滞在時間は6分、一番依頼が多い行為はフレンチ・キスで、セックスワーカーの70%には配偶者か長年のパートナーがいる…といったデータや、セックスワークへの思い込み・偏見を打ち破るような展示物が満載の博物館でした。
一方、セックスワーカーには外国人労働者が多く、オランダ人のセックスワーカーより少ない報酬で働いていることや、客からの暴力や人身売買の被害に遭うこともあるといった負の側面も描かれていました。


ちなみに、今回の国際エイズ会議では、欧米の一部の国で買春を処罰の対象にした結果、セックスワークがアングラ化してしまい、セックスワーカーはよりHIV/エイズなどの健康上・安全上のリスクにさらされることになったという研究発表がありました。

オレンジの国から deel 6

おーつき

今回の国際エイズ会議では、2015~17年度の厚生労働科学研究班「地域においてHIV陽性者と薬物使用者を支援する研究」(研究代表者:樽井正義(ぷれいす東京))の一環で実施した生島さんの分担研究「LASH調査」の結果をもとに、トランスジェンダーの性の健康とHIV/エイズに関するポスター発表を行いました。
※ポスターのPDF版はこちら

UNAIDSによると、一般人口の49倍HIVに感染する可能性が高いといわれるなど、HIV/エイズ対策のキー・ポピュレーションと位置づけられ久しいトランスジェンダー。
しかし、トランス女性はMSMのデータの中で同じ扱いにされていたり、トランス男性に至ってはそのMSMのデータにも反映されていなかったりと過小代表されている状態が続いています。LGBTQの間にも根深いトランスフォビアや、性別二元論に当てはまらない人たちに対するスティグマがあることが、今回の会議でも指摘されていました。
世界に先駆け同性カップルの婚姻を認めたオランダでも、意外にもトランスジェンダーの権利についてはいまだ明文化されていません。
 

ぷれいす東京でも徐々にですが、今回ポスター発表を行った調査のような、トランスジェンダーの性の健康に関する取り組みを始めています。
 

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1992年に「エルトン・ジョン・エイズ基金」を設立したイギリスの歌手エルトン・ジョン卿。パートナーのデヴィッド・ファーニッシュ氏と共に会議に参加し、LGBTQに関するセッションのひとつをホストしました。
 

 

 

 

ナチスなどの迫害の犠牲となったLGBTQらを追悼するモニュメント

オレンジの国から deel 5

おーつき

アムステルダムに3ヶ所ある薬物使用ルーム(Drug Consumption Room)のうちのひとつを訪問しました。
オランダでは、マリファナなどのソフトドラッグを、個人が私的に使用することは非刑罰化(「合法化」ではない)されています。
HIV等の感染予防のため、ヘロインなどの静脈注射薬物使用者に清潔な注射針・シリンジを提供するハーム・リダクションを行うことは知られていますが、薬物使用ルームもハーム・リダクションの考え方による取り組みのひとつです。

例えば、マリファナを店で購入し自宅に持ち帰って使用する分には個人使用として刑罰の対象になりませんが、自宅のような私的スペースのないホームレスが道端で使用するとなると、罰せられかねません。
今回訪問した薬物使用ルームは、ホームレスを中心に1日あたり約500人の利用があり、ドリンクを飲んだり、シャワーやランドリー、ソーシャルワーカーへの相談サービスなどを無料で利用できます。単に薬物を使用するだけの場所かと思いきや、ソーシャルネットワーキングや自立の機会を提供することに重きを置いていて、路上で孤立するホームレスが薬物使用ルームの利用をきっかけに他の薬物使用者やスタッフら支援者とのつながりを作れるように配慮されています。
カナダのブルース・K・アレクサンダー博士の「ラットパーク」の研究にあるように、人が薬物を使用してしまうのは、快楽や薬物の依存性のせいではなく、孤独やストレスなどの苦痛から逃れるためである、という根拠に基づくものです。これまでに、薬物使用ルームの利用を経て自立し、ホームレス状態を抜け出し、薬物も使用しなくなったという人を多く送り出したそうです。

なお、この薬物使用ルームはルールに同意して利用登録をした薬物使用者のみが利用でき、そのルールは(誰でも守れるよう)「1. 安全、2. 衛生的、3. ストレスのない状態」に努めることの3つのみ。

アムステルダムでは元々薬物使用者全体の30~40%がHIV陽性であったのが、注射針・シリンジ交換プログラム導入後に12%に、1998年に最初の薬物使用ルームができてからは4%にまで下がったとのこと。また、薬物使用ルームでは路上とは違い、オーバードースなどが起こっても誰かがすぐに応急処置や救急搬送等をできるので、薬物関連死も激減したそうです。

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ソフトドラッグは街中にある「コーヒーショップ」などで販売されています(ただコーヒーを飲むだけの普通の喫茶店であれば、「カフェ」)。

オレンジの国から deel 4

おーつき

以前から、HIV陽性者の中に抑うつ傾向などメンタルヘルスの課題をあわせ持つようになる人が一定割合でいることは、数々の調査研究で明らかになっています。

今回の会議では、メンタルヘルス全般に焦点を当てたセッションがいくつかありました。
ひとつは、先住民族のコミュニティでHIV陽性者のメンタルヘルスをどう支援するかというテーマで、特に自殺リスクの高さへの対応を考えるというものでした。
医療者が着目するのは、精神状態が悪化すると抗HIV薬のアドヒアランスにも影響するということですが、あえて抗HIV薬の服用をやめる、という形で死に近づこうとする道を選ぶ人もいます。

また、自殺にもスティグマがあり、語りにくさがあります。

1990年に感染が分かったという、カナダの先住民族出身のHIV陽性者による発表がありました。
当時、彼の出身コミュニティに感染が知られたら一族の恥になるので、自死を考えているということを思い切って医療者に打ち明けたところ、その気持ちを否定せずに、自殺しないで済む方法を一緒に考えようと言ってくれたことから信頼関係が築けたとのことでした。

HIV陽性告知直後の特に心理的なサポートが必要な段階でそれを受けられないでいる陽性者は多く、医療者は血中ウィルス量などの検査だけでなくメンタルヘルスのスクリーニングをすること、HIVケアカスケードだけでなく、メンタルヘルス・ケアカスケードの「90-90-90」(HIV陽性者の90%以上がメンタルヘルスのスクリーニングを受け、うち課題がある陽性者の90%以上がケアを受け、そのうち90%以上が安定した状態になる、等)にも取り組んでいく必要があるという話で、このセッションは結ばれました。

先住民族のコミュニティにおける知見でしたが、ある程度他の環境にも当てはまるような、示唆に富む内容だったのではないかと思います。

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エイズ会議仕様になっていた王宮前のダム広場

オレンジの国から deel 3

おーつき

1980年代に起こったHIV/エイズの危機に対し、早い段階からMSMや薬物使用者などスティグマ化されていたコミュニティとの協働を始めるなど、社会問題への先進的な対策で知られるオランダ。HIVケア・カスケードの「90-90-90」も既に達成しています。

オランダの子どもへの性教育・性の健康への支援の取り組みを紹介するセッションに参加しました。
VRを使ったシミュレーション、人気YouTuberと一緒に考える性の健康、チャットによる相談といった最先端のICTを活用しつつ、しかし根幹では、大人と同様に子ども個人の権利を尊重し、子どもたちにも自分で考えて動く力があるということを前提に、その自己効力感をサポートしていくことを大切にしていたのが印象的でした。

  • オランダのティーン向けの性教育ポータルサイト「SENSE
  • ぷれいす東京の性の教育セミナーはこちら(宣伝)

一方別のセッションでは、トランプ政権になってから、米国政府が(調査研究によって、負の影響しかないことが明らかになっているにもかかわらず)禁欲教育への予算を増額していることの問題が指摘されていました。
米国は2020年の次回の国際エイズ会議をサンフランシスコとオークランドでホストしますが、2012年のワシントンDCでの会議の際に一部で入国拒否をされたセックスワーカーたちは早々に会議のボイコットと、同時期にインドで別のイベントを開催することを表明しています。

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こちらは会議場の製薬会社のブースの前に陣取り、薬価が不当に高いと抗議する活動家たち。

オレンジの国から deel 2

おーつき

第22回国際エイズ会議が、アムステルダムで23日に開幕しました。
アムステルダムでこの会議が開催されるのは、1992年以来2回目。当時、会議場でゲイであることをカムアウトし、その後祖国エジプトを追われることとなった俳優のオマー・シャリフ・Jr.(映画「アラビアのロレンス」で知られる故オマー・シャリフの孫)が開会式の司会を務めました。

開会式に登壇したオランダのメイブル妃、この日別のプログラムに登場したイギリスのヘンリー王子ともに、2016年の前回会議から引き続き若者の深刻なHIV感染拡大にスポットを当て、対策への支出拡大を強調していました。

前回の会議で話題を独占していたPrEPは、2年を経て既に普遍的なトピックのひとつとなった印象があります。
なお、オランダ政府が先週、公費によるPrEPを開始すると決定したというニュースが、会議参加者にも歓迎されていました。
 

 


 

 

 

 
今年、HIV陽性であることを公表したオーストリアの歌手コンチータ。メディアは悲しいストーリーばかりでなく、HIV/エイズの医療の進歩についてもしっかり報道するべきで、それがスティグマの低減につながる、と開会式で力説。

オレンジの国から deel 1

おーつき

「いいなぁ、オランダはきっと涼しいよ!」と送り出してもらい、国際エイズ会議に参加するためオランダのアムステルダムへやってまいりました。
7月のアムステルダムは、平均最低気温が13℃、平均最高気温は22℃。

 

( ゚д゚) ・・・

 
(つд⊂)ゴシゴシ

 
(;゚д゚) ・・・

 
(つд⊂)ゴシゴシゴシ

 
  _, ._
(;゚ Д゚) …!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
ヨーロッパにも熱波が来ているようです。

ゆるりふわり

おーつき

あっっっという間に2017年も終わろうとしていますが、いかがお過ごしですか。
 
ぷれいす東京がTOKYO AIDS WEEKS 2017参加イベントとして11月26日(日)に開催した「ゆるふわ性教育」。教職員の方を中心に36名の来場者に参加いただき、盛会のうちに終了しました。どうもありがとうございました。
ゲイであることをオープンにされて方々で活躍されている小学校教諭の鈴木茂義さんと、ぷれいす東京の池上さんによるトークショー形式で行いましたが、性教育をやろうという自分たち自身がまず思い込みから解放されて楽になっていいのだという、大らかな雰囲気に包みこまれた会になりました。

「性教育」というと大ごとのようにとらえたり、肩肘張って考えたりしがちかもしれません。しかし、自由にゆるりとふわりとやれることもある、といった思いを共有する機会となったのではないでしょうか。

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最後に告知3連発。
●ぷれいす東京の英語版パンフレットが新しくなりました。
http://ptokyo.org/wp/wp-content/uploads/2017/05/PLACETOKYOleaflet.pdf
●認定NPO法人化を目指しての取り組み、ご協力いただければ幸いです。
http://ptokyo.org/news/9357
研究班のLASH調査報告会、ご興味のある方はぜひ。
http://lash.online/news/375/