陽性者と家族の日記 “ひろき”

39歳のクリスマス

ひろき

昔、「29歳のクリスマス」というドラマがありました。
放送されていた当時は、10代だったのですが、
29歳って大人だな、と思ったものです。
気がつけば、今私は39歳。大人をひとまわり通り過ごしています。

39歳のクリスマスは、この状況下では日本への帰国は難しいので、
ロンドンで過ごします。39歳、独身、です。
今年はクリスマスのお祭りムードもないですし、
プレゼント買ったり、食事を用意するモチベーションも上がりません。

でも、きっと世界中で同じような状況ですよね。
会いたい人に会えなかったり、イベントが中止になったり。
そういった意味では、例年よりはさみしくない、かな。

世界中の人々と共感し、同じように祈り捧げるクリスマスなんてなかなかないですね。
来年は平穏な年になりますように。
そして、世界中の皆さんに、幸せが訪れますように。

冬到来と2回目のロックダウン

ひろき

イギリスでは10月24日午前2時に時計が1時間戻り、冬時間に移行しました。
冬到来を感じるのは早くなる日の入りと、クリスマスイルミネーション、
そして打ち上げ花火です。

緯度が高い位置にあるせいで、イギリスの夏の夜は22時ぐらいまで明るい時期もあります。
そのため、花火を打ち上げるには夜でも空が明るすぎるのか、
イギリスで花火といえば冬なんです。

今年の冬は何といっても2回目のロックダウンのせいで、例年とは違うものになりそうです。
クリスマス向けの七面鳥が大量に処分されたり
(集会の人数制限があるので消費量が減るため)、
そもそもクリスマス前にロックダウンが終わるのか、という疑問もあります。

こういう時期は季節性の鬱にも気をつけなきゃいけないですね。
ビタミンDのサプリを飲むといいらしいですよ。

ギリシア・コルフ島でのバカンス

ひろき

ギリシア・コルフ島にホリデーで行ってきました。
ギリシアのイオニア海、イタリアよりの北西部に浮かぶコルフ島は、
高級リゾート地として知られる島、らしいです。

私には高級ホテルに泊まる余裕はありませんが、
ラッキーなことにコルフ島在住の友人が招待してくれたおかげで、
一週間ほど滞在することができました。

日本ではあまりなじみがないと思うのですが、ミュージカルでお馴染みの
ハプスブルク帝国・最後の皇后エリザベートが余生を過ごした地でもあります。

オリーブや杉の木など、緑豊かでコバルトブルーの海に囲まれた島で、
夏の間は大勢のバカンス客が訪れる場所ですが、コロナ禍で、
今回はゆったりとした時間を過ごすことができました。

水平線の向こうに沈む夕日、透き通るような海、そしてちょっと甘めのカクテル……
(余裕があれば)こうして一年に一度は地中海エリアでバカンスを過ごすことができれば、
人生は豊かで幸せなものになる、そう思えました。

ロンドンの飛行場に戻ると雨模様。ウェルカムバックトゥイングランド。
バカンスも素敵ですが、私が住む場所はここなんですよね。

リフレッシュもできたし、地に足のついた“私の日常”も愛でながら暮らしたいと思います。

コロナ禍でギリシアへ

ひろき

こんな状況ですが、ギリシア・コルフ島へホリデーに行ってきました。
ギリシアは日本並みにコロナの感染者数が少ないので(最近は増加傾向)行くことを決めたのですが、
事前にギリシア政府に問診表を提出、飛行機内は全員マスク着用、
空港はガラガラ、いつものホリデーとはちょっと違いました。

でも、どうしてもコルフ島に行きたくて行きたくて……。
この件については次回、書くとして、とにかっく楽しい時間を過ごして、
無事にロンドンに戻ってくることができました。

なんせコロナ禍ですので、コルフ島滞在中も毎日がドキドキです。
日ごとに感染者数の増減がありますので、
数日前には自己隔離不要だった国がリストいりすることもザラです。

実は、私がイギリスに帰国してから、なんと同じギリシアのサントリーニ島からの帰国者は
2週間の自己隔離措置になってしまいました。
ちなみに、会社の同僚が同じ時期にサントリーニ島でバカンスにいっていたので、自己隔離に。

ただ、どちらにせよ在宅勤務なので、体調に問題なければ、
自宅にこもって仕事すればよいだけの話。
なので、私もギリシアに行くときには会社のPCを持参しました。

感染は正しく恐れる必要がありますが、
ある程度のリスクは考慮して対策しながら、
日常生活との良いバランスをとれればいいなと思います。

ロックダウンの過ごし方

ひろき

ロックダウン中であってもポジティブな姿勢を強調する有名人のインタビューを読むと、
個人的には脅威を感じます。

ロックダウン始まって1か月ぐらいの時期に、
イギリスのファッションブランドのネット通販サイトをみたら、
金曜日は自宅でおしゃれして、DJブースで音楽をかけて、お酒を飲みながら、
友達とリモートでパーティをする、というDJのインタビューが掲載されていたんです。
自分はそこまで、一人でアゲアゲにはなれないな、と。

何せ自分のロックダウン中に達成したこともありませんし、新しく始めたこともありません。
メディアがそういう人ばかりを取り上げるからなのでしょうが、
ロックダウン中の時間を有意義に使い、前向きに生活するという人だけが取り上げられると、
無駄に、怠惰に過ごすことに逆に罪悪感を感じてしまいます。

でも、まずは健康に、仕事も続けながら、ロックダウンを乗り切れたので、
それだけでも100点ですよね。

あ、週1,2回は公園で筋トレしてたから、太らなかったのと、
自炊が増えたので、レシピが増えました。クッキーも焼き始めてしまったぐらいです。
あと、自転車のタイヤチューブの交換と応急処置ができるようになりました。

今から振り返ると、なかなかの成果ですね(笑)

オンライン診察

ひろき

通っているNHS(イギリスの公立の病院)の定期診療がありました。
今回はコロナ禍の中なので、診療をオンラインですることに。
URLやマニュアルが送られてきたのですが、要は予約の時間ちょっと前に
オンラインにして指定されたURLにアクセスする、というもの。
ネット上の待合室のようなチャットルームがあり、そこで医者の診療を待ちます。

が、どうやら今回はシステムの調子が悪かったようで、結局、電話での診療になりました。
結局20分ぐらい、医者と最近の様子やちゃんと薬を飲んでいるかなどを話すだけで、
今回は血液検査もありません。
処方箋の受け取り方を教えてもらって、薬を取りにいくだけでした。
そして次回の診療は半年後。前回が6か月前なので、1年間ぐらい血液検査をしないことになります。

私の場合は血液検査の結果がもう何年も安定している、ということもあるのでしょうが、
イギリスの国民保険制度は無料なので、基本的に無駄なことはしません。
言い換えると効率よいともいえますが、日本のように細やかな気配り、という感じではありません。
お金持ちの方々はプライベートの病院に通うこともあります。

無駄なことはいないといっても、薬代も診察料も無料ですし、
冬が近づくと、インフルエンザのワクチンを優先的に接種させてくれるなど、
必要としてる人に必要なサービスを提供してくれます。

そういえばこのNHSが、このコロナ禍とも命がけで戦ってくれているんですよね。
日本でも医療従事者への感謝の気持ちを伝えようと色々な試みがあるとききました。
私も感謝の気持ちを忘れないようにしたいと思います。

Withコロナ

ひろき

「新型コロナウィルスと共生する」
こんな、少し意味不明なスローガンを最近、ニュースなどで目にします。
一緒に生きていく、といってもまだ亡くなっている方がいるのに、ものはいいようですね

私の住む英国でも、ロックダウンが段階的に解除され、
ワクチンや特効薬がない状況下で、経済活動と感染予防を両立させるために、
“新しい日常”が始まっています。

今週から、アパレルなど、飲食を伴はない通常の店が営業再開しました。
入場制限と検温、入口にはアルコール消毒液、動線を指定するステッカーなど、
買い物風景も変わりました。

勤め先のオフィスでは、政府のガイドラインに従い、
エレベーターの利用制限と並ぶ列のスペース、飛沫拡散防止のパーティッション、
建物入り口の体温計カメラなどを設置しました。数か月前には考えられない光景です。

慣れていたことが変わっていくのは、寂しかったり、怖かったりします。
でも、変わるって悪いことだけじゃないはず。
在宅勤務の普及や、公園をもっと身近に利用するようになったり、
オンラインのサービスの充実など、身近なところにすでにポジティブな変化があります。

SF映画やディザスター映画で描かれる世界とコロナ禍の現実世界との違い、
それは、困難な状況でも希望を見出そうとする人間の姿なのかもしれません。

英国のコロナ疲れ

ひろき

日本のニュースでも度々耳にする“コロナ疲れ”、イギリスでも人々の気の緩みを感じます。

ここ数週間、週末のロンドンはお天気に恵まれていました。
週末の公園は多くの人が押し寄せた結果、警察がパトロールして日光浴をする人を注意したり
(運動の目的以外の公園の利用はロックダウン中は禁止)、なかにはピクニックを始める家族まで。

私を含め、ほかに出かけるところもないので、公園に繰り出す気持ちは痛いほどわかります。
でも、数週間前まで“新しい常識”になりつつあったマスクを装着する人はほとんどなく、
同居していないであろう友人同士や恋人同士のグループ
(ロックダウン中に同居していない人と会うことは禁止)がたくさん散歩しています。

うーん、自分も含めて、家でじっとしてる、行動を変えるって、本当に難しいですね。
今でも何百人もの人がイギリス国内で毎日亡くなっているという状況なのに。
結局、自分自身や周りの人間が実際に被害にあわないと、
悲劇や危機はニュースのなかだけで起きていることのように感じます。
感覚の麻痺って、本当に恐ろしい。

​でも、麻痺しないと生き抜いていけないのも事実です。
クレイジーな現実と、亡くなっていく人々の命の重みをまともに受け止めたら、精神がもたないでしょう。
逆に言うと、気の緩みは、私たちが新しい状況に適応していく過程のひとつなのかもしれませね。

ロックダウン中のロンドンより

ひろき

世界中を襲うコロナですが、イギリスは日本の三週間後か、別次元レベルの感染拡大が続いています。
その中でも私の住むロンドンは最悪レベルらしく、現在、ロックダウン二週目。
これぐらいになると、少しロックダウンの生活に慣れて、生活リズムができてきます。
とにかく元気にしていますし、1日に1回最低限度の外出はできているので、
生活に不便を感じることも、不安もありません。
中心部は人がいないですが、住宅地は逆に人が増えていて、
距離を保つためにスーパーの前には長蛇の列、というSF映画の世界とはちょっと違う風景です。

こういうときの診察や処方箋がどうなるのか、残念ながら、2か月ぐらい前に、
6か月分の処方箋をもらったので、調べる機会や医者と話す機会がありません。
個人的にはCD4の値やウィルスの数を基準にして、特段恐れすぎないようにしています。
陽性者の感染例が少ないので不明な点も多いですし、
不安というのはロジックじゃない、のもわかります。
陽性者でもあるイギリス人の友人は不安になって、ロンドンをでて両親の家に戻っていますので、人それぞれ、自分の感じ方を押し付けるわけにはいきません。

海外在住の日本人がよくtwitterでつぶやいているように、今までの日本の状況は奇跡的。
一人ひとりの手洗いやマスク(予防効果というよりは伝播防止という点で)の習慣が結果的に効いているのでしょうね。
みなさんには、専門家の話を参考にして、これまでの習慣に効果があると信じて、
これからも続けてほしいです(イギリス人に少しは見習ってほしいです)。

日本のみなさんがどうか無事でいられますように。

イギリス紳士は傘をささない?

ひろき

意外かもしれませんが、イギリスでは傘をささない人が多いです。
特に男性。新聞紙とか、コートをかぶって、足早に歩いて程度で、
日本のようなビニール傘をあまりみないですし、
ましてや、立派な大き目の傘をさしている男性は、ホテルのドアマンぐらいでしょうか。

ある本によると、傘はそもそもアジアの日傘が起源、とのこと。
イギリスに伝わったときは、上流階級のひとが自分でさすのではなく、
召使がさしていた、らしいのです。

ま、上流階級の人間なんて、ごく少数。
一番の原因は、雨が日本ほど激しく、長く降らない、だと思います。
イギリスでは日本と違ってどしゃぶりの雨は経験したことがないですし、
ちょっと我慢すれば雨は止むことが多いです。

私も今では、傘をさすのが面倒、少し我慢してみるか、
と雨に対する忍耐力がつきました。