陽性者と家族の日記

月の光

蔵人

台風が過ぎてようやく秋らしい空になってきた。
空気が澄んで、日が落ちると東の空には眩しいほどの月が。
自分が一番好きな季節がやってきたなぁ、と実感する。

今日の月齢は17日、もう欠け始めているけどもまだまだ明るさ一杯で、部屋の電気を消すとベランダには月明かりが灯る。
こういう時はハープの音色がよく似合うのでCDを引っ張り出して、お香を焚いて物思いにふける。

・・・何だか「癒されたいOL」の生態をそのまま具現しているようで、我ながら笑える。
でも、本当にいい雰囲気なんだよね。秋の月の光って。

色黒

つばさ

 入院以来、新しい薬を飲み始めて、はや3ヶ月。
 血小板の値は回復してきたけど、
VLがしぶとく検出限界値以下にならないので、
薬を1剤足して血中濃度を上げるという戦略に出た。

 新しい薬を飲むと必ず出る発疹も出ないようだし、
とくに気持ちが悪いとかいうこともないけど、
ふと、鏡を見て、肌の色がくすんでいることに気づいた。
 そういえば、先日、会社の同僚の女性にも、
「ちょっと日焼けした?」と言われた。

 もしかして、これがいわゆる副作用の黄疸?
もともと色黒なので、肌はそれほど黄色い感じはしないけど、
白目もよく見ると黄色い。
まあ、それほど至近距離で見つめ合う関係の人もいないから、
問題ないんだけど。

 この美白の時代にちょっとつらいけど、
まあ、発疹が出たり、頭痛がしたりしないだけいいとするか。

 

秋空といえば

ガジ

嫁さんと些細な事でケンカした。
翌日、彼女から言われたのは、
「こころの根底にあるのは、
hiv+である旦那(もちろん、自分)のことを
周りに相談できないのがストレスになっていて
それが精神的にしんどい」と。

自分が考えるに、hivがどんな家庭にでもある
大したことのない問題に
複雑に絡んでいる気もするし、
hivとそのこととは話は全く別のような気がする。
むしろ、周りで起こるさまざまな出来事が
hivに焦点をぼやかされているようにも感じる。

彼女に当事者である自分の心情が
理解できないように、
自分もまた、ポジと共に生活する人の
心情を理解するのは難しいだろうと思う。
しかし、理解しようとする気持ちは持ち続けたい。
なんとか彼女の苦しみを軽減したいと
切望する今日この頃。

あ、それ以上に女心を理解する方が
難易度が高いような気もするが・・・・

秋の味覚

ガジ

ここ数日、夜中に銀杏を拾いに行くことが
我が家のブームになっている。
近くのお寺に懐中電灯を持って出かけるのだが。

収獲した銀杏を、茶封筒に入れて
電子レンジで加熱すると、楽々で調理できる。
ホクホクの銀杏がこんなにモチモチして
美味しいとは思わなかった。
しばらくこのブームは続きそう。

にきび

蔵人

気が付いたらおでこの隅にぽちっとニキビのようなものが出来てしまった。
(・・・ちょっと待った、「青春のシンボル」だから、やっぱニキビかしら)

去年も似た様なものが似たような所に出来て、皮膚科で殺菌剤の塗り薬をもらっていたのでそれをつけることにしよう。

鏡をのぞく。

・・・おや、口の周りにも、ニキビのようなもの、もとい、ニ・キ・ビができているなぁ、こっちはもう枯れかかっているけど。
最近出張が続いてふだんの食生活が乱れているからかなぁ。ビタミン類とかが足りていないのかも。
きょうスーパーで今秋もののりんごを買ってきたからそれを食べよう。

今年のりんごは噂どおり、猛暑のおかげでとても甘くて美味しい。
甘さやビタミンだけではない言いようの無い「気」が詰まっている感じがする。
元気が出そうで、本当にご馳走さまです。

鮒寿司

つばさ

 わたしの大好物のひとつに、鮒寿司がある。
 どこでも売っているものではないので、
なかなか食べる機会がないのだけど、
昨日、琵琶湖のほうに娘と行ったので、
久しぶりに買ってきた。

 久々の鮒寿司はやっぱりおいしかった!

 最近体調があまり良くないので、
平日はアルコールを飲まないようにしているのだけど、
鮒寿司があっては飲まずにいられない。
仕事から帰ってきて、夕食に、
ビールという感じでもなかったので、
泡盛を一杯、ロックで飲んだ。

 ああ、幸せ。
 おいしいお酒を飲み、おいしいものを食べて、
元気出して、今週もがんばろう!

秋風が吹くまで

蔵人

出張のついでに京都に立ち寄って、ついに今回購入してしまった。
空薫セット。
香炉に灰を入れて、炭を熾してそこに煉香(練香)や香木をおいて香りをくゆらす、かなり趣味度と言うかオタク度の高いアイテムである。
煉香の空薫は平安貴族の嗜みだったというらしいので、いにしへのやんごとなき世界に思いを馳せるのも乙なもの。但し準備に少々手間取るので、その手間も楽しむほどの余裕のある休日でしか味わえないだろうが。

手には入れたが、まだ試していない。
何故か。これは炭を熾すもの。それから、煉香はどちらかというと寒い時期に似合うもの。
なので、お彼岸にかかったとはいえこのムシ暑い最中にやるものではなさそうである。
もっと涼しい乾いた秋風が吹き込んで来るまでもう少し待つことにしよう。

光源氏

つばさ

 これまで、いろんな作家の現代語訳や、
「あさきゆめみし」も読んだけど、
光源氏のような人が現実にいたら、
いくらハンサムでも嫌味だなと思っていた。

 でも、今日、市川海老蔵のやった「源氏物語」を観て、
その気持ちが180度変わった。

 とにかく、美しい。
あんな人だったら何やっても許されるよなあと、
すごく説得力があった。

 そして、一番クラクラしたのは、その声。
まさに、「艶のある」という表現がぴったり。

 席が後ろだったことを後悔したけど、
もしも花道の横の席なんかだったら、
あの美しさは直視できなかったかも。

 

 

 
  

マッキー♪

つばさ

 先月末から何となく体調が悪く、すっきりしなくて、
今朝は珍しく仕事に行くのがちょっと憂うつだった。
で、元気を出そうと、昨日買ったばっかりでまだ聴いてなかった、
槇原敬之の新しいアルバムを車で聴きながら出勤した。

 効果てきめん! 
 10分あまりの通勤時間なんだけど、会社の駐車場に着く頃には、
家を出るときとは打って変わって「元気出そっ!」という気持ちに。

 で、1日、すっきり仕事をして、帰ってきたら、
娘がハナがつまっていて非常に不機嫌&元気がなかった。
なにげなくそのCDをかけたら、またまた効果てきめん!
さすがにハナは止まらなかったけど、
2曲も終わらないうちに、笑顔になって一緒に歌いだした。

 今、娘は眠っていて、私はまたCDを聴いている。
ここ2週間くらいの体調の悪さが吹き飛んだ感じ。
今夜はこれまでしんどくてできなかったことがいろいろできそう。
音楽の力ってすごい! マッキー、ありがと~!

 

ネガティブ シンキング

ガジ

最近、左手のしびれがひどくなってきて、
気がつくと新たに人差し指がしびれ出し
5本のうち3本が違和感あり。
親指と中指は何ともないせいか、
無意識に親指と中指で輪をつくり、触感を確認して
安心している。
クスリが原因とは考えないようにしているが、
(副作用の場合、両方に出ることが多いそうなので)
気弱な時はふとそれに結び付けようとする自分がいる。
ブラインドタッチが以前のようにできなくなったことは
何とも思わないけど。

先日、買い物に行って特売の玉子
「お一人様1パック限り」を嫁さんとゲットした帰り、
油断したのか、家の玄関付近で落としてしまって
半分以上をダメにしてしまった。
(気がつくとむしろ割高に・・・・)
左手に袋をもっていたのがそもそもの間違いだが。

人から見たら些細な事だけど、
無性に自分が役立たずになったような気がしてきて
かなり落ち込んでしまった。
こんなんで彼女を守っていけるのか・・・・と。
パートナーを守っていくんだという気持ちが
自分の場合は日々の生活の推進力になっている。
嫁さんにあんまり心配かけないようにと思ってたのに
しびれがひどくなってることをその時、告白して
何だか二人で落ち込んでしまった。

そんな時などは、クスリと結び付けようと考える自分と
闘っている。