HS/男性 30代前半 東京在住
私の場合、HIVとは関係なく前職を辞めた直後に感染がわかったので、感染したこと自体よりその時期に無職だったことの方が重大な問題でした。
その為、職探しにおいては「当初の予定通り、キャリアを活かした職探しをすべきなのか」、それとも「病気を抱えて生きていくことを中心に考えて、あまりハードでない職種を選ぶべきなのか」といったことをずいぶん考えました。
告知時は数値こそ良くなかったものの、特に体調が悪いとか、即投薬を開始しなければならないというな切羽詰った状態でもなかったので、HIVについての理解を深めたり陽性者の就労状況等の情報を収集し、「感染(告知)前と変わらない生活ができる」と判断し、当初の予定通り“キャリアを活かした”“一般枠での”職探しをしました。
投薬開始は就職後、仕事が落ち着いてからと考えていたのですが、なかなか仕事が決まらなかったので、告知後半年ほど経ったところで投薬を始めました。副作用等については何度も主治医と話をしたり、他の感染者の話を聞いたりしていたので、「多少の我慢はいたしかたない」ぐらいに思って投薬に踏み切ったのですが、予想以上に副作用が激しく出てしまい、悪心・嘔気や食欲不振、味覚倒錯、頭痛等々(ストックリンによる)がひどく就職活動にも身が入らない状態が2~3ヶ月続き、精神的にも不安定な状態でした。
一時は薬の変更も考え、セカンドオピニオンを聞きに行ったりしましたが、幸いなことに3ヶ月ほど過ぎたところで副作用が和らいで来たので、薬を変更することなく活動を再開することができました。
HIVは治療がうまくいっていればそれまでと変わりない生活ができる病気ですので、私の場合、基本的には“キャリアを活かした”“一般枠での”仕事を選びました。職場にも告知は考えていません。但し、治療(投薬)による副作用がひどい場合や体調が著しく低下した場合は心身ともに相当なストレスになり、仕事はもちろん日常生活にも支障をきたすので、その際の対応策や心構えは必要だなとは思ってます。