匿名希望/HIV+ 東京在住
告知されてから4年、医者との関係にはずいぶん神経を使ってきました。
良い薬ができて、HIVに感染してもすぐに死ぬわけではない。けれど、治ってしまうわけでもない。
と言うことは、医者とはなが~い付き合いになりそうです。それなのに、病院に行くたびにいらいらしたり、不愉快な思いをしてたら、これはもうなが~い憂鬱です。病院に行くと免疫力がさがるなんて、洒落にもなりませんからネ!
「耐える」と「きれる」を繰り返していた時期がありました。思ったことを上手に伝えられないのです。何とか頑張ってはみるのですが、診察室という密室のなかで煮詰まってしまうと出口が見つからない。
解決の糸口は「セカンドオピニオン」でした。ほかの病院に行ってみて初めて視野が拓けたような気がします。ほかと比べることによって、主治医が馬鹿なのか、自分がわがままなのかも見えてきました。両方でした。そして、自分で選んで良いんだと言うことを知りました。たった120円のおにぎりだって、鮭にするかシーチキンにするか自分で選んで決めるのに、命がかかっていても、何となく人まかせにして「耐えたり、きれたり」しているのは変だと思うようになりました。「医者は、自分で探して選ぶもの!」それくらいの主体性がないと長期間の服薬の継続も難しいと思いました。
セカンドオピニオンを求めるのならば、他の病院がよいと思っています。同じ病院だと新鮮味がないし、ドクター同士の力関係や序列といった、オピニオンとは関係のないことが邪魔することだってありそうじゃないですか。
医者やその他の医療従事者、そして医療システムにはたくさん改善されるべきところがありますが、僕たちPHAにできることもあると思います。
PHAどうしで情報交換する。
複数の病院を知るようにする。
医者以外でも相談できる人を捜す。(ナース、ワーカー、カウンセラー、薬剤師、NGO、友人、家族、パートナーなど)
聞きたいこと、話したいことをメモしたもの診察の際持参する。
わかったふりをしない。
などなどです。
今も満足な医療環境にいるとは思っていませんが、4年前のことを思うと、自分が変化した分だけ環境も変わったのだなと思います。やはり先の長い話しなので、少しの勇気で心地よくなるのなら労力を惜しまずトライしてみてはいかがですか。