ピア+トーク

「実は、あの頃A型肝炎に罹ったのでは?そして、今現在…」工藤新一

7月1日(日)、新宿区内で「緊急企画『A型肝炎について知ろう!』」が開催された。小生はHIV陽性者ではあるものの、運よくA型肝炎には罹っていない…そう思われた。
しかし、説明のはじめに、今村医師より、牡蠣が汚れた水をきれいにする浄化機能があるもののウイルスまでは浄化できないことを知った。そこで、あの頃、罹ったのでは?…と疑念を抱いた。
小生が高校3年生の冬、大学受験を目前に控えていた頃、親類から自宅に牡蠣が届いてきた。毎日のように生牡蠣、牡蠣フライ、…が夕飯で出ることが続いた。そんな中、ある日、小生に風邪に似た症状が表れた。しかも、その日の朝はいつもと何ら変わらなかったのに、昼を過ぎて急激に高熱が出た。高校の図書館での受験勉強をほどほどに済ませ、帰宅し、そのままかかりつけの内科へ受診した。そこで、医師から「急性肝炎の疑いがある。」との旨の診断が下され、点滴を打ち、薬を飲み、安静を保つこととなった。それから数日間、身体の不調は続いた。受験勉強が追いつかない焦りもあり、念には念を入れるため、もう一回病院へ行き、点滴を打った。そして、身体の不調が収まり、受験した大学から合格を手に入れることができた。また、家族の中でその急性肝炎に罹った者は誰一人としていなかった。
今村医師からその話題が出たとき、もしかしてあの頃、A型肝炎に罹ってしまったのではないか?…と頭を過った。当時、医師からは「急性肝炎の疑いがある。」としか診断されなかったため、何型かまでは分からなかった。勿論、当時高校3年生である小生が肝炎の種類を分かるはずもなかった。ちなみに、当時はまだゲイデビューはしていなかったため、HIV感染についても皆無だったことを付記しておく。尚、小生にHIV感染が判ったのは(ゲイデビューと時を同じくして)大学院生時代の23歳だった。今から18年前のことだった。
今村医師の説明が終わり、A型肝炎に罹った3名の方からの病状説明等があった。3名の説明では、入院を1週間から1ヶ月程度要するとあり、小生があの頃通院や点滴、服薬で済んでいた状況とは違っていた。とはいえ、当時、もしかしてA型肝炎に罹っていたのではないか、といった疑念が消えることはなかった。
皆様からの説明を聴き、小生は、今一度衛生観念に対して神経質であってもありすぎない、つまり、寧ろ衛生観念を整えることこそが最大の自己防衛につながる、と考えた。具体的にはお手洗いの後や食事の前にはきちんと石鹸を使い、時間をかけて手洗いをするなど、ごくごく当たり前のことを実践する。衛生観念がしっかりと整っているはずのここ日本で、A型肝炎が猛威を振るっていることが俄かに信じがたい。周りがきれいだから自分はこの程度(汚れたまま)でいいやといった考えで日常生活や性生活を送ると、A型肝炎のみならず他の感染症によって相手も傷つけてしまうことがある、そのことを忘れないでほしい。
また、説明の最後に質疑応答があり、(東京都内では4ヶ所ある)トラベルクリニックでわざわざA型肝炎ワクチンを接種することで予防もできるが、できることであれば、かかりつけの医者で接種することで自分自身の身体の状態を説明する手間が省ける。そういった趣旨の説明もあり、あの時の疑念が消えないままではあったが、次回のHIV感染の通院の際、ワクチン接種のことも尋ねてみて、受けられるものであれば受けておきたい、とも考えた。A型肝炎の流行が1~3年程度長期化することが予想される中、小生が自分自身のみならず、彼氏の健康も守っていきたい、との考えの表れでもある。貴重な講演や体験等聴けて本当にありがたかった。貴重な勉強会、本当にありがとうございました。

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