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「現在の開業歯科医さん達の取り組み」YASUNORI(40代/Gay/感染歴18 年/投薬歴2 年半)

 僕が感染発覚当初の歯科医院は大阪で拠点病院から紹介された一カ所梅田にしかありませんでした。その当時は HIV/AIDSの患者といえば一番奥の椅子に座らされ次々と歯科医さん達やアシスタントさん達が珍しいものを覗きにくるような状態で、

医師の着衣も手術をするように全身フルフェイスのようでした。僕の現在通っている歯科は東京HIVデンタルネットワークに所属されてる歯科医師です。 今日鈴木治仁先生と澤悦夫先生に現在の歯科のネットワークや歯科医の知識を深めようとされてる活動に少しほっとしました。まだまだ地方や集落では東京のように HIV/AIDS の歯科治療は大変難しい面もあると思いますが、 両先生がお話になられてたようにどんな病気も一緒で院内感染だけではなく、口腔内感染から色んなものが感染する、酷くなる事に違いが無く、医師側も最善の注意や知識を高めて行ってるとお話になられてた事が印象的でした。感染当時歯を一番に治療しようという内容は口から血が出ての感染予防や、歯から雑菌等が入り色んな影響が出るとだけ聞かされてたものから、現在は歯を大事にしていないと色んな副産物をおこしてしまうから治そう、治療に通おうと幅が広がっていた事に納得もしながらびっくりしました。
 僕はこの 15 年間で東京都内の拠点病院から紹介され通った歯科医は5 軒になりますが、ようやくある歯科医院で落ち着いて歯の治療をしています。その先生が属するネットワークの代表の方のお話が聞けて、まだまだ東京でも少ない歯科医しかちゃんと受診出来ない状態は哀しい面もありますが、そこまで辿り着くまでの大変さを少し垣間見れた気がしました。
 話は変わってドロップアウトされてる HIV感染者がよく話す事なのですが東京でもやはり歯医者でHIVだという事を話すのは抵抗があり、差別されてる気がするというのは多く聞きます。かといって僕の場合言わない方が薬とか体調とか変なバッティングをするのではないかと昔から感じていました。そういう方々にはある歯科医院があるよと話してあげて、今でも安心され通院されてる方々も居ます。医療従事者さん達の取り組みは日進月歩で変わって行ってる中、陽性者が増える一方で勇気が出せず前に進めず歯科医でちゃんと病気の事が話せない人は昔から現在に至っても沢山居ます。東京HIVデンタルネットワークのみなさんのように、医者と患者でコミュニケーションを取りながら治療して行こうと言われる先生が増えているという事を一陽性者側からも広めて行きたいです。

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