就職支援セミナー

「背筋を伸ばして」 ひぐらし

 会場に入り、受付を済ませて最初に気付いたことは、スーツを着た参加者の少なさである。もちろん、事前のメールにドレスコードの指定はなかった。しかし、仮にも企業の人事担当者が参加しているのだ。「就職支援セミナー」といえど、この会は「企業説明会」の側面も持つはずである。

私はまずその服装から、参加者の意識にばらつきがあることを感じた。
 はたしてあの日あの会場に、今回の企業との出会いが 現実の就職に繋がるかもしれないと本気で思っていた者がどれだけいたろうか。「何かうまい話はないか」と物見遊山のようにやってきた者なら、有名企業の敷居の高さに、ある種の居心地の悪さを感じたかもしれない。ハンディキャップはもちろんある。それも、それぞれに平等でないハンディキャップがある。だが、それを言い訳にして「誰かがなんとかしてくれる」と救いの手を待ち焦がれているだけでは埒が明かない。弱みも勘定に入れて、そこから自力で踏み出せなければ、今いる地点からの前向きな変化はないのだ。
 妙に卑屈になる必要はない。やれることはやろう。何はなくとも、せめて態度と発言で、「私の心は元気で前向きです」と主張しなくては、誰も欲しがってくれない。

プログラム参加の感想

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