新陽性者PGM同窓会

『つながりつづけよう!』 こうじ (東京都/PGM58期)

先日、PGM同窓会に参加した。初の試みということで、スタッフも参加者もきっとドキドキに違いない。
私は、2010年11月に感染が判明し、そのまま入院。告知されたその日、ベッドの上から吊るされた点滴用の金具を見つめながら、

これからの生活、医療費 など様々な事が脳裏に浮かび、不安に怯えて、いっそシーツをあの金具に巻きつけて自らの命を絶とうかと考えていた。そのことを翌朝回診に来た医師に言うと、それから朝晩に私の様子を見に来てくれていた。コーディネータナースも、今後のことを親身に相談に乗ってくれた。生来の楽天的な性格が幸いし、今もこうして生きている。退院後、この感染症であるが故の『孤独感』、『孤立感』からは絶対に逃れて生きていかないと、自分がどんどんダメになっていく恐怖にかられた。インターネットでHIV/AIDSに関する情報を貪欲に吸収して行くうちにたどり着いたのがぷれいす東京だった。恐る恐る電話をし、事務所に行った時は2011年の1月中旬だった。冬の寒さと暗い気持ちでますます気持ちが冷え込む。感染が判明して6か月以内の方にPGMがあるという話を聞いて、同 じ感染者の不安な気持ちやこれからどういう風に生きていこうとするのかを聞いてみたいと思い、58期PGMに参加した。
初日、6名が揃う。20代が4名、30代が1名、そして私が一番年上だった。自分を含めてみんな緊張の面持ちだった。ファシリテーターもポジだということやこれまでのことについての話を聞いているうちに、緊張も解け、感染判明、仕事、家族や友人への告知、投薬、医療費、福祉制度など、これからの新たな生き方への知識を少しずつ吸収していくことができた。PGMは全4回あるが、やっと3回目のミーティングが終わってから、近辺の居酒屋で打ち解けていった。 もっと最初からこんな風にいけてたらなあ、と思い、PGMが終わってもつながりを持とうということで、1か月に1度の飲食の機会を持つこととなった。しかし、それぞれの事情で3回どまりで終わった。その後も「情報」を吸収したい、共有したい、ネット上の仮想空間ではなく、現実空間での人とのつながり、特にポジとして、ポジだから、なんの障壁もなく話し合う機会を求めて、ミドルミーティングにも参加している。
時折、PGM58期のみんなはどうしているんだろうかと考える。そんな矢先にPGM同窓会が計画されたのだ。もしかして来る者もいるかもしれない、淡い期待と他の期別の方々にも会って話を聞きたい、話をしたい。そんな気持ちから参加した。
当日の参加者は8名。予想より少なかったが、服薬の話や、それぞれのPGMへの想いを語り、聞きながら、期別を超えたこのような集まりは大切なんだなと感じた。
人は人の中でしか生きられない。いろんな生き様や考えを理解し、共有し、自分に役立てる。そして、この感染症とは否応なく一生付き合っていかなければならない。あれから2年が過ぎ、このような機会を得たことを本当にありがたく思う。運も幸せも、仕事もお金も、友人も恋人も、自ら動かなければ向こうからは来てくれない。だから、可能な限りいろんなことに積極的に関わり合い、つながりを着けて絆を深めていきたいと強く思った。本当にいい時間をみんなと共有できたと思った。スタッフは大変だろうけれど、これからもこのつながりの機会を提供していただきたいと強く願う。<2013年2月 感想文>

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