運営委員のつぶやき

生島 嗣

パートナー・ミーティングででた話題を自分なりに広げてかきます。
ネスト・プログラムにはカップル交流会というイベントがあります。最初の頃、
陰性と陽性のカップルのために、陰性パートナー・ミーティングの要請に応じる
かたちで、開催することになりました。

ところが、自分はパートナーがいないけども、このイベントに参加したいとい
う、パートナーがいない陽性者からの希望があまりにも多いので、特例として認
めたのを思い出しました。

1人で参加した陽性者たちの参加動機は何だったのかというと、
「自分はHIV+である自分とつき合ってくれる陰性の人がいるとは、
とてもイメージできない」。だから、実際につきあっている陰性パートナーたち
の顔を自分の目でみて、そうした人が確かにいるのだと確認してみたいとおもっ
たというのです。

スティグマはHIV陽性者自身のなかにもある。
その内面化したネガティブなイメージを変えてくれるカップルたちが
そのイベントには沢山いたので、幸せな驚きが発見できたはずです。
人と人との関係のなかに、HIVがあっても変らずに人間関係を築くことができ
る。これが理想ですが、現実には、パートナー達の多くは、最初からすんなり
と、そこにたどりついた訳ではありません。
知識のアップデートは必要だったでしょうし、
陰性パートナー・ミーティングに参加するなど、
経験者に会いにいった人もいるでしょう。

さらにこのことは検査を受ける受けないという判断にも影響を及ぼしています。
HIV検査を受けない理由を質問したアンケート結果では、結果を知るのが怖いか
らというのが、検査を受けない3大理由の一つだったりします。

孤立や死というネガティブなイメージの解消は、様々な意味で、とても大切なこ
となのです。パートナー・ミーティングに参加している皆様の話をききながら、
こうして、1人1人が何気ない日常を、幸せで暮らせていること。そのこと自体
が、ネガティブイメージをいい意味で打ち破るものだと改めて感じました。

生島

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