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新人ボランティア研修の感想文

クロ

新人ボランティア研修の感想文より私にとってこの研修はとても有意義なものでした。HIVについて様々な角度からの各担当者の解説により、知識の幅が広がったことはもちろん、陽性者の方々も能動的に参加することで、今まで以上の環境改善に対する熱意がこの研修に込められていたように思われます。実体験に基づく勇気ある叫びそのものが、重圧の底を乗り越えた、人間としての厚みを感じさせるものでした。

しかし、残念ながら今の日本においては、HIV=死に至る病というレッテルは払拭されつつも、大半の陽性者、とりわけ女性は、感染している事実を隠し、不安にかられながら、本来の自分さえも取り戻すことができないでいるのではないでしょうか。

一方、西洋諸国のように、有名人が感染を告知することで、世間一般への認知の度合いが拡大していくケースもあります。日本はこの点ではまだ社会的に未成熟の段階にあるといえます。よって感染したという事実と向き合えるには、かなりの時間と労力が伴います。

陽性者自らが実名で公表し、社会へ訴えかける人もいれば、インターネットで匿名性の利点を生かし、家族にも言えなかった体験をブログに綴り、サイトを通じて本音を打ち明け、当事者間の交流も生まれています。苦しみから立ち上がろうとする手法は人それぞれです。

また、HIVやLGBTに対する社会的偏見や無理解、支援体制の不十分さが陽性者に沈黙を強い、積極的検査を妨げている圧力となっている気がします。小さな一歩かもしれませんが、ぷれいす東京の活動を通じて「声なき声」を拾い上げ、社会に伝え、問いかけていくきっかけとなれば幸いです。
(2016年度新人ボランティア合同研修報告「参加者感想文」より)

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