ぷれいすVoice

当事者という立場

HIRO(ぷれいす東京利用者)

活動報告会には、予想以上に多くの人が集まっていた。議員さん、弁護士の先生、ジャーナリスト、お医者さん、他のNPOの人、ボランティアの人など、HIV感染の当事者ではない(と思われる)人がたくさんいた。マイクを持って話すどの人の言葉からも、この病気に向き合う真摯で熱い思いを強く感じた。

昨今の治療の進歩で、感染者は平凡な日常生活を難なく続けることが可能になった。かくいう自分も、感染を知った1年前こそ四六時中HIVのことを考えていたが、今では体調も安定してHIVのことは忘れて暮らしている。

でも、本当にこれでいいのだろうか。当事者はHIVを忘れて暮らしているのに、当事者ではない人たちがHIVを忘れるなと社会に呼びかけ奔走している。陽性者であることは恥ずべきことではないけれど、自分の病気をとりまく社会のあるべき姿を考えようともせず、我関せずと日々を暮らす当事者の自分は、少なくとも全然カッコよくないと思った。

僕は医師でも議員でもないから、できることは違うだろう。でも、当事者として隣人や社会とどう向き合うべきなのか、社会を動かそうとする人たちの活動にどう同調していけるのか、誠実に向き合い模索する歩みを止めずにいたい。他でもない自分のことだから。自分にこそできる何かだってあると思うから。思いをあらたにした活動報告会だった。

(2016年度活動報告会報告「参加者感想文」より)

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