ピア+トーク

【スピーカーより】「病気になったのは”自業自得”? 」タニ(40代/ゲイ/2008年6月告知)

 私はアルコール・薬物(処方薬や覚醒剤)依存症当事者です。今回はそれらに「はまってしまった」自身の体験と、依存症回復施設でスタッフとして働いている援助者としての見聞をお話しさせていただきました。
私自身の肌感覚としても「薬物アディクションを持っているゲイには、HIV+が多い」という認識がありました。

今回のイベントでも、アディクションに悩んでいる人の様々な声、セックスの現場での薬物使用の実情等を聞き、さらにその意識を強 くしました。
アディクションの原因としては、内的な要因(持って生まれた資質。遺伝にも左右されます)に加え、育ってきた環境やトラウマ等の環境要因も大きく関わっていることが判っています。依存症という「病気」になるかどうかは、個人の力では選択できないといっても過言ではないでしょう。
かたや「依存症になるなんて自業自得だ」という声が聞かれるのも事実です。それは「セックスでHIVに感染するなんて自業自得だ」という残酷な言葉とも似ているなぁと、私は感じます。
 正しい知識が差別や偏見をとり除くことを、私たちはHIVを通して学びました。依存症についても同じことが言えるのではないでしょうか? そして「困難にきちんと向き合うこと・人と人とが助け合うこと」が、病気はもちろん、生き方への処方箋にもなると、私は信じています。

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