ぷれいす東京には、いろいろな人がかかわっていて、さまざまな活動がおこなわれています。ぷれいす東京NEWSや活動報告書ではお伝えできないひとりひとりの思いや、日々の風景があります。この「スタッフ日記」で、そんなぷれいす東京らしさを感じ取っていただければと思います。
生島
「樽井理事の突然の訃報」
2024年1月18日、ぷれいす東京の研究担当理事であった樽井正義さんが急逝されました。そのわずか9日前、私たちは厚生労働省への研究報告について最後のやり取りを交わしていたため、この訃報はあまりに突然のものでした。
ぷれいす東京の研究班「地域におけるHIV陽性者支援のための研究」では、2008年の初代から生島が研究代表者を務めていましたが、2012年にぷれいす東京の代表を引き継ぐことになり、団体の代表や相談員を兼任しながら研究代表を続けることが難しいと理事会で相談しました。すると、樽井さんが理事の一人として「自分が研究代表を引き受けてもいい」と提案してくれました。その後、2012年から10年以上にわたり、彼は研究代表としてこの難しい役割を担い続けてくれました。
樽井さんはいつも「俺はこれが最後だから、ちゃんと次の代表を決めておけ」と話していました。その理由を私は「年齢的な問題だろう」と思っていましたが、訃報を受けた後、家族から知らされたのは、彼が長年がんを患っていたという事実でした。彼は家族にすら病気を口外しないよう頼んでおり、最期まで研究の責任を果たし続けてくれていたのです。
「PrEPと樽井さん」
樽井さんとの思い出には、彼の歯に衣着せぬ物言いが常にありました。たとえば、MSM(男性とセックスをする男性)の間でコンドーム使用率が低下していることや、薬物使用者にとってのPrEP(HIV予防薬)の重要性について説明した際、「なんでちゃんとコンドームの啓発をしないんだ」と正論で返されたことがありました。当初、このようなキャッチボールを苦手に感じる時期もありました。しかし、研究パートナーとして彼と議論を重ねるうちに、その率直な視点が私たちにとって重要であると気づかされました。そのような物差しを失ったことは、私たちにとって大きな損失です。
2024年8月、日本ではHIVの治療薬ツルバダが予防薬として薬事承認され、「PrEP元年」と呼べる年になりました。PrEPは適切に使用すれば感染リスクを99%低減できるとされていますが、米国に比べ12年遅れの承認は、私たちが世界から遅れを取っている現状を浮き彫りにしました。
私たちの調査では、アクティブなMSMのうちPrEP使用者は10%以上に達しているものの、その7割以上がオンラインで薬を入手し、医師の診察を受けていない人が半数を超えています。また、HIV検査を受けずにPrEPの服用を始め、感染を見逃しているケースも報告されています。PrEPの価格が高いことが、利用者をオンライン購入に追いやり、医師の監督下での適切な利用を阻んでいるのです。
「課題解決に向けて」
この課題を解決するため、現在PrEPの普及を目指した署名活動を実施中です。akta、カラフル@はーと、ピルコン、#なんでないのプロジェクト、ぷれいす東京が協力し、この活動を進めています。
・署名プロジェクト
HIV感染を薬で予防する方法、PrEPを日本でも当たり前の選択肢に!
さらに今年は一歩先にすすみ、LGBTQ+コミュニティの性の健康や医療アクセスの課題を調査する「CONSENTプロジェクト」を計画しています。
・CONSENTプロジェクト https://consent.info/
昨年は、ぷれいす東京を応援していただき、本当にありがとうございました。
引き続き、これらの取り組みを通じて、より多くの人が安全で健康な生活を送れる未来を目指します。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
認定NPO法人ぷれいす東京
代表 生島 嗣
スタッフ一同
(ぷれいす東京NEWS 2025年新年号より)
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おーつき
2024年の世界エイズデーはいかが過ごされましたか。
毎年、世界エイズデーの前後に企画されるTOKYO AIDS WEEKSは今年も盛況ですが、ぷれいす東京主催のオンラインイベントが明日12月5日(木)に開催されます。
性に関する科学的なデータがほとんどなかった時代から、性教育の萌芽、バックラッシュ問題、いわゆる「はどめ規定」や包括的性教育、LGBTQ+やSRHRの広がりなどーー。
日本の性教育の過去・現在、そして未来について、50年にわたり性とジェンダーをテーマに活動してきた池上千寿子・ぷれいす東京理事(前代表)がかく語ります。
聞き手の丸井淑美さんも、長年教育現場に携わりながら、ぷれいす東京の活動をボランティアとして支えてくれた方。
ご都合の合う方はぜひ、リアルタイムでご覧ください。コメントや質問等で一緒に盛り上げてもらえたら嬉しいです。
はらだ
今年は、ずっと暑さが続き、いつ秋が来るのだろうという感じでしたが、
あと数日で、12月1日、世界エイズデーです。
今年もTOKYO AIDS WEEKS 2024を開催中です。
今年は、第38回日本エイズ学会学術集会・総会が東京で開催されるということで、5年ぶりのTOKYO AIDS WEEKS 2024 合唱ミニコンサートが、第38回日本エイズ学会学術集会・総会との共催で、明日、11月30日(土)12:40-13:20に、学会の市民向けイベントとして開催されます。久しぶりのコンサート、とても楽しみです。
学会参加者を対象としたミニコンサートも開かれるようなので、学会参加の方はぜひお聞きいただければと思います。
まきはら
まだまだ暑い日が続いてますが、みなさまいかがお過ごしでございましょうか。
早いものでもう9月!1年の3分の2が終了ですってよ!
さて、そんな中、食欲の秋がちらつく中で今年も始まります。新規のボランティアの説明会と研修会でございます。
明後日、9/7(土)に説明会、9/22(日)と9/23(月/祝)に研修会を今年は予定しています。
まずは、ぜひ説明会に参加いただき、ぷれいすの活動を知ってもらえればと思います。
研修は自分を振り返るいい機会になると思いますので、参加する方はぜひ楽しみながら、ご参加いただければと思います。
あとは、個人的にはもうちょっと過ごしやすい気温と天気、汗の垂れない体を望むところでございます。9月後半はどうなるやら。台風とか長雨とか猛暑とか、もうないといいのですが。(フリじゃないです 笑)
ともあれ、今年も新規のボランティアの方と楽しく過ごせる時間が持てればいいなと思っています。みなさま、よろしくお願いします。
食欲の夏から秋に迷走中 まきはら
生島
今日は、「陽性者と家族の日記」を紹介します。2002年にスタートしました。メンバーは途中で入れ替わりがありますが、素敵な書き手がずっと日記にて普段の生活の断片を文章にしてくれています。SNSのように読み手の反応があるわけではないなか、11人の書き手が黙々とかいてくれています。
陽性者と家族の日記
現在は11人の性別、年代、セクシャリティ、住んでいる地域など、さまざまなHIV陽性者が日記をつづっています。HIV陽性者の何でもない日常や、ちょっとした生活のかけらに触れてみてください。https://ptokyo.org/diaries
もし、フィードバック感想を書きたい場合にはこちらに、投稿できます。
ぜひ、感想をお寄せください。
ぷれいすvoide
https://ptokyo.org/voice
この日記には、いくつも素晴らしい書き込みがあるのですが、今日はその一つを紹介します。
バースデーケーキ(長文)
みのる
バースデーケーキ(長文)
かとう
毎日暑い日が続いています。
この感じは既に熱帯並みですよね。
8/8の立秋を過ぎると「残暑見舞い」になるようですが、ギリギリ暑中お見舞い申し上げます。
さて、半年振りとなりましたが、ネスト・プログラムがお送りする動画配信「ときどき通信」の第5弾を配信しました。
今回のトピックは3つ。
まずは、5月から展開中の京都のアパレルブランド「JAMMIN」とのコラボによる、チャリティアイテムについての紹介。
そして8/29に開催の第21回就職支援セミナー。
最後は毎年恒例新規ボランティア募集について。
ネスト・プログラム・コーディネーターの2人でお届けしています。
いつもとは別のベランダが見える部屋での撮影。
カメラのトラブルがあってバタバタした結果、台本なしの一発撮りでした。
どうぞ見てやってください。
冷房の適切な使用や適度な水分補給など、熱中症対策をお忘れなく。
かとう
京都のアパレルブランド「JAMMIN(ジャミン)」とのコラボによるチャリティアイテムの販売をしています。
既に「買いました!」というお声も多く聞きます。
Tシャツやパーカー、トートバッグなどたくさんにアイテムに、オリジナルのロゴ「WE’RE ALREADY LIVING TOGETHER」が入っています。
このロゴ、「LIVING」と「LOVING」が掛け合わされているんです。
最初2018年に販売したのですが、今回ぷれいす東京30周年に合わせて再販してもらっています。
当時スタッフが着用して撮った写真がこちら↓
みんな6年分若いですね(笑)。
そして今回のアイテム着用の画像も続々と届いています。
前回はなかったポロシャツやポケットTシャツ、コーチジャケットなど、新しいアイテムもあります。
さらに一部は特別価格ということでかなりプライスダウンされています。
ご購入頂くと売上の一部がぷれいす東京に寄付されます。
可愛い商品揃いなので、ぜひページをご覧ください。
人気のアイテムでは売り切れが出始めています。
基本的に在庫がある分だけとのことですので、欲しいアイテムがある方はお早めのご購入をお勧めします。
そしてご購入された方にはぷれいす東京のオリジナル缶バッジをプレゼントしています。
「Living Together」と「U=U」のメッセージが入ったとても可愛いバッジです。
9月末までの期間限定復刻販売です。
ご購入、宜しくお願い致します。
まきはら
みなさま、ご無沙汰してます。
この時期だけ顔を出す、カタツムリのような(かわいい)スタッフの牧原です。
この時期が何かといえば、色々蒸れて臭いが気になるなる梅雨!でもありますが、そちらではなく、食欲の梅雨でもなく、ボランティアの募集の案内を始める季節でございます。
今年も例年通り、9月に新規のボランティアの募集の、説明会と研修会を開催する予定になりました。
ぷれいすの活動に興味を持っている方は、ぜひこの機会をご活用ください。
研修では、ぷれいすのスタッフが講師を務める講義やワークショップがぎゅーっと組まれています。
2日間、朝から夕方までのびっちりありますが、活動に始める前の準備になると思いますので、ぜひ今のうちに予定を調整してご参加いただければと思います。
新規ボランティア募集 のお知らせ (2024)
ぷれいすの具体的な活動を知りたい方は、2023年度の活動報告書をぜひご覧ください。今年からオールカラーで、見やすく生まれ変わっています!
https://ptokyo.org/wp/wp-content/uploads/2024/05/activitiesreport2023.pdf
また、5/25の活動報告会の動画のアーカイブがyoutubeに公開されています。こちらもぜひご覧ください。
みなさまのご応募をお待ちしております!
食欲の梅雨を迎えますか?
まきはら
はらだ
いよいよ明日は活動報告会です。
報告会の案内やお知らせ、準備で気がついたら、もう明日!という感じです。
今年は初のハイブリッド開催、多くの方のご来場・ご視聴をお待ちしています。
5月25日(土)30周年記念「2023年度活動報告会」のご案内
30周年を記念して、活動報告書のデザインを一新し、オールカラーにしました。
明日の報告会がお披露目となります。楽しみにお待ちいただければと思います。
生島
5月25日の活動報告会の30周年記念のトークでは、市川誠一んさんご登壇いただけることになった。1996年に市川誠一さんが実施した通称”ゴミ調査”を振り返る。当時、Gay Friends for AIDSのスタッフだった砂川秀樹さん、池上千寿子さんと一緒に振り返ることに。
この調査により当時のハッテン場(男性同性間の性的な出会いを提供する商業施設)の廃棄物中に多くのHIV抗体が発見され、早急な啓発が求めらることが明らかになった。調査手法への不快感を感じながらも、ハッテン場での啓発に砂川秀樹さんと一緒に協力をすることにした。新宿保健所で開催されたコミュニティへの研究結果のフィードバック会では、コミュニティ側から出された意見は、「ゴミを調べることに利用者の許可を得ていない」、「不快だ」という手法に関するものがほとんどであった。多数の抗体が検出されたという事実に、どのように対応しようという議論には至らず、不全かんを感じていた。啓発への協力者としては、背中に矢が飛んでくるような経験をした。
このハッテン場での調査は、その後のエイズ対策へ影響を与えたことはいうまでもない。
設立30周年記念トーク
「ハッテン場調査(1996年)から読みとく〜コミュニティ、研究者、行政の連携のあり方」
【出演】市川 誠一(金城学院大学) 池上 千寿子(ぷれいす東京理事)
【コメンテーター】砂川 秀樹(文化人類学者)
【司会】生島 嗣 (ぷれいす東京代表)
参考:
市川誠一さんによるJaNP +への投稿(2019/3/29)
ゲイ・バイ男性のセクシュアル・ヘルス 向上の取り組み
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