陽性者と家族の日記

現在は11人の性別、年代、セクシャリティ、住んでいる地域など、さまざまなHIV陽性者が日記をつづっています。HIV陽性者の何でもない日常や、ちょっとした生活のかけらに触れてみてください。
また、旧web NESTのあれこれリンク集「HIV陽性者のサイト」「陽性者のパートナー・家族・友だちのサイト」に掲載させていただいていたサイトはこちらでご覧いただけます。

どんなときも。

IHO

神保町シアターで「忘れられない90年代映画たち」と云う特集上映を
楽しんで足繁く通って鑑賞しています。
20年以上前の作品を今観ると、うわぁ〜懐かしいと思いつつ
当時の自分も思い出しちょっと涙が溢れます。
丁度、学生時代と就職し始めの年代なので色々あり過ぎて初めてを始めたてで
簡単に思い出せる時代です。
「なりたいものじゃなくて、なれるものを捜し始めたら もうオトナなんだよ…」
なんてキャッチコピーは当時は衝撃的で胸に刺さりました。
仕事恋愛友情家族夢生死…ちゃんと意識し始めた頃に制作され映画を
時間を経て沢山経験をして今、鑑賞している自分はあの頃と変わっているかな。

劇場には同世代の方は勿論!若い方もいらして結構お客さんがいらして
毎回混んでいるのに嬉しく思っています。
“昔は良かったね”と口にしたくないと思っていたけど
ついつい口にしちゃう自分も僕らしいと抱きしめたい!

先日槇原敬之さんのコンサートに行ってきました。
偶然にもこの特集のだーーーーーーーいぶ前だったのですが
90年代縛りの選曲だったので殆どの曲を一緒に歌唱し涙ぽろぽろでした。
マッキーは生で聴くと本当に歌唱が素晴らしくて鳥肌が立ちました。
また機会が合えば行きたいです。

IHO 拝

天皇皇后両陛下来英

ひろき

国賓として天皇皇后両陛下が来英されました。
日本人として、正直、どの程度の扱いを受けるのだろうか、
と疑問に思い、現地メディアの報道に注目したのですが、
事前予想よりは、報道されていた印象です。

主要メディア(BBC含むテレビ、新聞)での扱いは両陛下の来英の報道だけでなく、
飛行場での到着、パレード、晩餐会のライブキャスト、
オックスフォード大学時代の学友の手記、
第二次世界大戦後、冷え込んでいた日英の関係修復に対するエリザベス女王の貢献、
カミラ妃が両陛下の見送りの際に身に着けたブローチのデザインまで、
多岐に渡っています。

報道のトーンは全体的に非常にポジティブで和やかな印象。
両陛下がオックスフォードに留学されていたことから、
“英国好きなロイヤル・カップル”、と好意的に報道されていました。
恐らく、近年の英国における日本文化の人気を背景に、
エンペラーという肩書が珍しいのと(天皇の存在自体まで理解されてはいないですが)、
英国王室とも重なる世継ぎ問題や眞子さんの結婚報道で皇室に注目が集まっていたのだと思います。
上皇両陛下が90年代に来英した際は、第二次世界大戦中の日本軍による英国兵捕虜問題で、
反発を持っている方も一部いたようですので、全く異なる印象です。

肌感覚でいうと、日本で例えると、国賓待遇で来日して、注目を浴びるのは、
米大統領、英国王室、そしてローマ法王だと思いますが、
それに次ぐ程度の注目度ではあったと思います。

国賓=日本国民の代表としてのゲストですので、
注目、尊敬、愛着の念を持って扱ってもらえるのは、
非常にうれしかったです。

就活は続くよどこまでも

ひろき

今月も相変わらず、就活中です。
最近は面接まで行くケースが増えてきたのですが、
春なのに、なかなか最後までゴールインできません。

毎回、反省の連続で、色々学びや気づきがあります。
これも長い旅路の一部なのか、終着駅はどこにあるのか、
そもそも終着駅があるのかも最近は不安になります。

暗い話が続いてしまいますが、今度、フードバンクといって、
無料で食料をもらえる支援サービスがあるらしいので、
試してみようと思います。
その際にまた報告しますね。

異人たち

なぎさのペンギン

去年の秋、故 山田太一さんの小説
「異人たちとの夏」が再映画化される
と聞き 公開を待ち望んできました

最初の映画化は 1988年公開の日本映画
大林宜彦監督作

孤独な中年男が、ある日偶然
数十年前に死別した若き日の両親と再会
中年の姿のまま 彼らとひと時を過ごす、
というファンタジーです

鑑賞から半年後 父を末期がんで
亡くす経験をした僕にとって
大林版は思い出が詰まった一本

35年ぶりの”再会”
新作のタイトルは「異人たち」
なんと ロンドンが舞台のイギリス映画

大林版で風間杜夫さんが演じた主人公の
設定がゲイに置き換えられているらしい…

その程度の予備知識で鑑賞したのですが
想像以上に 純粋に”クイア”な作品に
仕上がっていて ビックリしました

未見の方のため 詳細は伏せますが

主人公が少年時代に経験した心の痛みが
僕が子どもだったころに抱えていた悩みと
ほぼ同じだった 驚き

親に心配をかけたくないからこそ
“ほんとうの自分”を悟られまいと
必死に”演じ”ていた あのころの
自分が重なった

そして
すでに亡くなった両親や相方と
時々 心の中で会話している
現在の僕自身にもダブります

監督・脚本のアンドリュー・へイさんは
ゲイを公言しているクリエーター
少年時代の実体験を反映させただけでなく、
1980年代から2020年代という40年を通じ
なにが変わり なにが変わらなかったのか
彼の思いを 優しくつづっていきます

今回の中年男役には、同じくオープンリー
ゲイの俳優 アンドリュー・スコットさん

子どもの心のままで大人の体…
肉体と精神の不均衡を非常に巧みに
デリケートに表現していて 見事の一言

オリジナルに色濃くあった日本的情緒は消え、
物語のエンディングも大きく変更された点で
好みは分かれるかもしれないな

大林版の甘酸っぱいノスタルジーが好き

でも、今回の いつまでも後を引くほろ苦さも
深く心地よく 長くかみしめていたい

両親や大切な人が生きている間には
伝えられなかった気持ち

今の自分なら どうするだろう?

☆「Turn the lights back on」☆

おかえり、ビリー

☆「タイムパラドックス」☆

ここにも あの日のオレが!

TIME

なぎさのペンギン

春の入口は 予想外の寒さ
桜の開花も遅れましたが、ようやく
初夏の陽気になりましたね

☆検査☆

前回の日記に、

”定期受診以外は病院と縁遠く”

と書いた…しばらくあと

年に1度の健康診断で
“要精密検査”の通知を受取りました

僕は20代の始め、
肺の手術を受けています
以前も 画像検査でその”古傷”を
指摘されたことが何回か…
きっと今回もそれだよね?

そう思いたい気持ちが半分

残りの半分は もしもの場合…

だとしたら 相方へどう伝えよう?

主治医のいるクリニックではなく
地域で一番大きな規模の病院で
精密検査を受けました

病院では 十数年ぶりにCTを撮影、
血液とX線の検査も再実施

事前の問診票に、
「過去にかかったことのある特定の疾患は
ありますか?」
と問いがあり、どこまで伝えようか
一瞬 迷いました

“ふだんの自分”を知らない人に
“おおごと”にされてしまうのかな…
という ためらいの気持ちもあり

でも
“血液検査では抗体の有無を調べます”
の事前承諾項目には、過去に僕がかかった
ことのある感染症が ほぼ記載されている

“もしも”の先も考えてるんだろ?
きちんと伝えなきゃダメやで って
自分の上に答えが降りてきた感じかな

検査は1時間くらいで終了しましたが
判定が出るまでの1週間は 落ち着かず

幸いにも 結果は ”異常なし”

でも 手放しで喜ぶ気持ちには
なれませんでした

たぶん15年前なら 違っていたなー

20年近く同じような生活を続けていると
自分の身に起きる変化に鈍感になるから

毎日があたりまえになり過ぎてしまった

当然 体力も昔とは全く違うはずなのに
その部分には思い切り目をつむって
“自分に都合の良い解釈” に慣れてしまう

HIV+であろうとなかろうと関係なく
年を重ねるって、そういうことなのは
(こちらも)前回の日記に記した通りで

その怖さを 時間をかけ学んできました

再検査が受けられて良かったし、
受検は今後も毎年続けていくつもりです

ポジティブな生き方をするためには
ネガティブな気持ちとも向き合って
生きるしかないから

自分なりの ”情熱” も大切にね

☆TIME☆

いろいろな人々に
忘れがたい人生の思い出を語ってもらい
そのあと それぞれが同じ音楽を聴く

あの日のオレと 同じ顔


食費節約の救世主?フード・ロス・アプリ

ひろき

先日、やっと2件目の面接がありましたが、
手ごたえはありませんでした。そろそろ、
金銭面で心配になってくる時期です。

そこで最近、フード・ロス対策として食品などを格安、
もしくは無料で入手できるアプリ2種類を
友人に勧められて、スマホにインストールしました。
フード・ロス、というのは売れ残って廃棄される食品のことで、
レストランやスーパーなどから、大量に出ていて、
社会問題になっているそうです。
その廃棄量を少しでも減らすために、
特別に安価、もしくは無料で食品を提供する側と
もらう側をつなぐアプリ、のようです。

以下、使用してみた感想です。

●Olio
長所:完全に無料で個人が食品、不要になった家具、衣服などを出品するケースが多い。
短所:個人間のやり取りが多いので、コミュニケーションが煩雑。
   予約しても、出品者がキャンセルするケースもある。

●Too Good to Go…
長所:レストランやスーパーが格安の値段で出品しているので、無料ではないがお得感がある。
短所:引き取りの時間帯が限られていたり、中身の詳細が不明だったりと、
   残り物の福袋セール的で、中身への満足度の振れ幅がある。

お金がないくせにわがままなのですが、
私はまだ上記のアプリをうまく利用できていません。
やはり、食べたいときに、食べたいものがあるとは限りませんし、
前日の残り物があったり、すでに同じ食材を買っていたり、などなど、
タイミングが難しいです。

日本で、こういったアプリが存在するのか、使用できるのか不明ですが、
こういった動きはぜひ、広まってほしいですね。

積雪

まさお

暖冬だったのに… 遂に予報通り積雪しそう。

大人になると雪に単純に喜べないなぁ。

ワンコの散歩も行けないし、仕事の出勤にも影響。 神様…どーか、3センチ以下の積雪&アイスバーンだけは回避して下さい

イギリスで求職者手当をもらう

ひろき

新年になりました。
相変わらず無職のままです。
先日、求職者手当(Job Seeker Allowance)の申請をしまた。
なかなかない体験なので、
ここで大まかな情報を共有させていただきます。

まず、大前提として仕事がない、
収入がない(収入補助や同居するパートナーの収入を含む)、
仕事を探している、仕事をする能力と意欲がある、という条件があります。
また、食費相当分の金額を2週間ごとに、最長6か月間支払われます。
それを踏まえ、仕事をしているときの収入をある程度カバーする失業保険ではなく、
求職者手当と訳しました。

その上で、2,3年間程度、ある一定額の納税額がある、
財産(預貯金や金融資産など)がある一定の金額未満、
といった条件をクリアしたうえで、
まずは国が運営するHP上で申請の届け出を出します。

その後、最寄のJob Centreで面談があり
納税証明書、現住所証明(公共サービスや
銀行からの手紙など)、写真付きID、国民保険番号を提出する必要があります。
また、手当を受け取るには2週間ごとに、
仕事を探していることを証明(仕事に応募した際の、受けとり確認のメールなど)を
見せる必要があります。

周りで受け取ったという話もほとんどきかないし、
そもそも、外国籍の私が受け取れるものなのか、と思っていました。
友人曰く、合法的に英国に滞在して、
いままでちゃんと納税してきたのだから、
手当を受け取る正当な権利がある、
恥ずかしいことではない、とのこと。

恐る恐る申請したところ、問題なく受理されました。
面接官の方も、希望の職探しの相談に乗るだけで、
他に私的なことを詮索したり、実際に銀行の残高をチェックする、
といったことなく、嫌な思いをすることはありませんでした。

食費分の手当てがあるだけで、精神的にも救われます。
ありがたや。

古今集

IHO

年の果てによめる  春道列樹

昨日といひけふと
くらしてあすか川
流れて早き 月日なりけり

今年もあっという間で氣がつけば大晦日です。
記憶が曖昧ですが、楽しい一年でした!
来年も楽しい事を沢山起こして経験していきます!

みな様も楽しい年越しをお過ごし下さい。

IHO 拝

日常

なぎさのペンギン

★次の10年★

今年もあとわずか

来年 自分の誕生日が来て
あと数年で”次の10年”
の大台に

わおw

定期受診以外は病院と縁遠く
申し分のない毎日が続いても
年を重ねれば不安は増します

同世代の有名人の訃報に接し
”明日はわが身”の思いは常

でも
ある時点から 多少の差はあれ
先に続く道は 誰もが似通って

“自分は特別な病気だから”感
約20年で 4分の3以上消えた

世の中には 難病を抱えながら
おくびにも出さず闘ってる人も
たくさんいる

よりよい明日にしたくて
がんばってるの 誰でも一緒です

★Nippon★

海外の人たちに会うたび
あらためて 自分の中にある
“日本人らしさ”を自覚します

ひとつにまとまる理想に
より大きな価値を見い出し
成長してきたのか と

民族も言葉もいろいろ
人々の行動や考えもバラバラ
地理的に広く すべてを理解
しようなんて思ってない
互いの違いは当然と受け止める

だからこそ仲間は貴重で
結束も強める
自由の精神こそ大切

世界は そんな国だらけ
規制や統制を嫌う理由が
なんとなく見えてきます

僕が生まれ育った日本は
争いを好まず、協調性が大事
“他と違う” より “みんな同じ”
その方が落ち着くよねー

でおなじみ ”和のこころ”の国

“みんな同じ”の感覚に慣れ過ぎ
マヒしてたんだろうか

今年、日本では
過去から引き継がれてきた
”悪しき慣習”の数々が
次々とさらけ出されました

大手芸能事務所、巨大民間企業、
果ては政治の世界に至るまで
(現在も炎上中)

きっかけのひとつは
外国の放送局が取材し
世界へ発信したこと

★WHY?★

年の後半、何人かの来日客に

「日本ってデモは禁止なの?」
「あんまり見ないよね」

と聞かれましたが

納得してもらえたかなー
自分なりには答えましたが

うん確かに
世界的に見ても少ない数です
うわさ話や陰口は
けっこう盛んな気がするがw

違う価値観をもつ人同士が
共に暮らす国では
意見の衝突や対立があたりまえ
場を鎮めるための妥協なんて
自分(たち)から好んではしない

当然 対人関係に影響しがち

なので握手やハグ、
カジュアルな会話や
“ニックネーム呼び”が拡がり、
初対面でもフランクな笑顔、の
コミュニケーションが発達した、
そんな説もあるくらいで…

★見えない(見ない)場所★

僕の毎日は 日常の連続
365日 似たことの繰り返しです

同じような人たちに囲まれ、
おなじみのドヤ顔にいやされ
それが幸福でいちばん大事
難しい理屈はいらないよ

ほんとそう

でも それはきっと

「日常が幸福で当然だ」

という前提=安心感の上で
暮らせているから

2023年
東欧の戦火は途絶えることなく、
中東情勢も緊迫の度合いを増し
多くの人命が犠牲になりました

毎日 薬が飲めるから元気

でも
薬局や病院が爆撃で飛ばされ
すべてがひっくり返されたら
健康を 幸福をどう取り戻す?

そんな人たちが おおぜい
この島国から 遠く離れた土地にいる
自分の見えない(見ない)場所に

★日常★

観光、留学、ビジネス、移住…
来日する人々の目的はそれぞれです

日本で長く生活したい とか
何度もリピート(再来日)したい、
そんなニーズも高まってきました

アニメの聖地巡礼や、
日本の神社&寺めぐり
もいいけれど

2023年現在の日本の”素顔”、
日本人の日常の方が興味ある
人たち、実は多いのでは?

日本でデモが少ないのはなぜ?

時間をかけて もっと深く話したい


↑最初から最後まで 通しで歌えた初のヒゲダン

★2024年の目標★

好き嫌いなく かたよらず
適度の節制と、たまには無茶

★Top of the World★


↑言葉はしゃべれないけど最高の歌声をもつ
ワニのライルにいやされた2023年

Happy Holidays !

よいお年を
来年もよろしくお願いします