陽性者と家族の日記 “ひろき”

エリザベス女王の国葬

ひろき

ついにこの日が来てしまいました。
女王陛下が亡くなったら英国はどうなるんだろう、
イギリス人の友人にどうメッセージを送ろうかと考えていました。
私は王室ファンでも歴史家でもないのですが、
王室メンバーはスキャンダル続きで王室廃止論まであること、正しい行いを実践してきた
女王陛下は国の精神的な支柱だったことは理解しています。

日本人にとっては、在位が63年間あった昭和天皇の大喪の礼に近いと思います。
私も、女王が眠る棺が安置された広間とそこへ続く一般人の列や手向けられた花束のコーナーを見に行きました。
列はなんと、土曜日の時点で並んでも、棺をみるには二日後の月曜日までかかる、と言われていました。

一方で、熱烈な王室ファン、植民地主義の文脈から責任を取るべきだと考えている人、
興味がない人、など人種や国籍によって、女王や王室への思いは様々なようです。
それでも、女王陛下が国と旧英連邦の国のために70年もの間、
全てを捧げてきたことは誰しもが認めると思います。

まずは一人の尊い人間として手を合わせたいと思います。

ついに接種!(前編)

ひろき

サル痘のワクチン、予約なしで参加できる接種会場があるときいたのですが、
週末のみ、しかも、長蛇の列(ほぼこっち系の方のみ)ができているとニュースで報道されています。

接種会場に行く予定の週末は、朝早く起きれなかったので、
1週間先延ばすことにしました。
が、その翌週末に予約なしのワクチン接種が中止されたようです。
ネットを検索したのですが、予約なしの接種会場の情報がみつかりません。

こうなると、少し焦りも感じ始めてきます。
ワクチン不足で、自分だけ接種が遅れたらどうしよう、
そのことでゲイ同士で差別されたらどうしよう、もっと早くに行動をおこして、
頑張って早起きすればよかった……。
今さら、後悔が頭をよぎります。

その後の1週間ぐらいの間にあったゲイの友人たちが必ずといっていいほど、
サル痘が話題に上がっていました。そうこうしているうちに、
たまたま、事前に予約していた定期健診がありました。
診断時に医師にきいてみようと思っていたら、
医師の方からその話題について接種は済んだかと質問されて、
ついにワクチンを接種をしてもらいました!

やはり、ロンドンの公立病院でサル痘のワクチンが不足しており、
希望者全員の要求には応えられない状況になっているそうです。
そこで優先接種の要件を満たしている人に、個別にワクチン接種をオファーしているとのこと。

それにして、サル痘に感染した人は、統計的に言うと、ある特定の性的指向を持った人に
偏っているそうです(病理学的には別な話だと思うのですが)。
いくらNHS(イギリスの公立病院)が患者の個人的な治療の記録や病歴のデータを持っているといえ、
性的指向の情報は保持していないですし、それをもとにワクチン接種の連絡をしたら、
とんでもないことになります。
私の場合は、診療時に聞き出した性的指向の情報(性病検査するときにきかれます)を
参照したのだと思います。

サル痘のワクチン接種

ひろき

最近、ロンドンのゲイの間で話題になっていることがあります。
それは、サル痘。私は能天気で、
名前だけは聞いたことがあってもよく理解していなくて、
逆に日本の方からロンドンでのサル痘の流行について心配されました。

先週末に友人から、サル痘のワクチン接種の情報が送られてきました。
ワクチンの数が足りてないので、いくつかの条件のいずれかを満たした人を
対象を優先的に接種を進めているようです。
一部報道でにあるように、感染した方のほとんどは同性愛者の方で、
感染が広がった場所の中にゲイサウナもあったようです。
よって、前述した用件の中に、数か月以内にサウナにいったことがある、
複数が参加する“パーティー”に参加したことがある、
ここ数か月間で10人以上と経験したことがある、などなどでした。

私のところにはNHS(イギリスの公立病院)からワクチン接種の情報が届いていないので、
陽性者はまだ優先接種の枠に入っていないようです。
用件を見ると、直接的なリスクが高い人(医療従事者、男性同士の経験数が多い人、陽性者の周囲の人間など)に
まずは焦点を当てているようです。

エイズパニックを彷彿させるサル痘にロンドンのゲイたちも戦々恐々としているようで、
予約なしで立ち寄れるワクチンの接種会場には長蛇の列(ほぼ全員ゲイ)ができていると、
報道されています。
なんだか不安になってしまうのですが、コロナのときのように、
落ち着いて、正しく恐れる、ということを肝に銘じたいですね。

ポストコロナのイタリア

ひろき

先日、イタリア・ヴェニスで行われた友人の結婚式に出席しました。
コロナで延期になった分、今年は式やパーティが多いそうで、
実は来月にもフランスで行われる結婚パーティに呼ばれています。

気になるのは、ヨーロッパでの感染事情や、
渡航制限、現地でのルールです。
調べたところ、イギリスからイタリアへの渡航には証明書などは不要、
イギリスからフランスとスペインに渡航する際は、
ワクチンの接種照明か、陰性証明書が必要なようです。

イタリアへは飛行機で渡航したのですが、
空港と機内でマスクの着用は義務ではなくなったようで、
20%ぐらいの方がマスクをつけている印象でした。
現地では、レストランやお店では、マスク着用の義務はなく、
やはり、つけている人は20%ぐらいといったところ。
公共交通機関を利用する際には、マスク着用が法律で義務付けられているようで、
スタッフもアナウンスや注意をしますし、乗客のマスク装着率はほぼ100%でした。

ヴェニス出身の友人曰く、旅行客の数はほぼコロナ前の水準に戻っているとのこと。
それでも、ヴェニスの空港の国際線ロビーは閑散として、閉まっている店も多かったので、
イタリア国内からの旅行者が多いのかもしれません。

少なくとも表面上は、イギリスも含め、イタリアもコロナ禍の爪痕が見えないぐらいに、
人出は戻ってきているようです。

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2022

ひろき

毎年5月、ヨーロッパ各国で大騒ぎになるイベントがあります。
ユーロビジョン・ソング・コンテストという、
ヨーロッパ各国を代表して歌手が出場し、
審査員や視聴者から獲得した点数で順位を競い合う大会です。

今年で66回目の開催というのは、72回開催された紅白歌合戦と並ぶほどの歴史があります。
また、ヨーロッパといっても、イスラエルやアゼルバイジャン、
そしてなぜか近年ではオーストラリアまで、50カ国ぐらいの国が参加しています。

日本にいるときは、このイベントのことを知らなかったのですが、
ユーロビジョンは優勝した歌手が世界中で話題になったり、
数年前にはこのイベントに着想を得た映画も製作されたほど人気があります。

何よりも、英語圏以外の音楽やパフォーマンスに触れるいい機会で、
ロンドンでもよくパブや友人の家で大勢で集まり、
自国の歌手を応援するグループをみかけます。

今年、初めて友人にユーロビジョンを見る集まりに招待されました。
友人宅では独自の採点シートまで配られ、実際の結果とどこまで近づけるか
競ったのですが、意外と自分の印象と観客の評価が違ったりして面白いです。

今年の優勝国はウクライナ(ちなみにロシア代表は出場停止)。
優勝した国で翌年のユーロビジョンは開催されます。
もちろんウクライナの歌手のパフォーマンスが素晴らしかったのですが、
この結果は、ヨーロッパ各国からウクライナへ贈られた希望というメッセージなのだと思います。
来年、平和なウクライナでこの歌の祭典が開催されることを祈ります。

戦争の足音

ひろき

ロシアがウクライナに侵略を始めてから、
イギリスのメディアは戦時体制の様相です。

テレビやネットで目にする映像やニュースに心を痛めると同時に、
歴史の教科書で習うような出来事が、この21世紀にリアルタイムで起きていることに驚きます。

国家間の合意の破棄、核兵器、空爆、原発、サリン、
強制移住、多くの国からの非難決議、経済制裁、他国の領土の占領……
恐ろしい言葉をニュースの見出しで目にします。

考えてみると、ロシアとウクライナが経験していることは、
日本がすべて過去に経験したことなんですよね。
結果、非常に大きな犠牲を払うことになり、
今でも苦しんでいる方が大勢います。

それでも、終戦から19年後に五輪を開催し、
高速鉄道を走らせるまでに復興を遂げました。

だからこそ、ロシアにはすぐに戦争を終わらせるように、
ウクライナの方たちには希望を失わないように、
と伝えたいです。

久しぶりの一時帰国

ひろき

実は12月初めから5週間、日本に一時帰国していました。
コロナのせいもあって、2年間ぶりの帰国、
しかもちょうどオミクロン株が話題になっているタイミングでした。

オミクロン株の流入を防ぐために各国が入国制限をし始めたり、
日本人の入国も制限する議論をしていた時期だったので、
私も日本行きの飛行機が飛ぶのか、入国できるのか最後まで不安でしたが、
検査などを経て無時に入国できました。

その後はニュースなどでも取り上げられていたアパホテルで6日間の強制隔離。
例えるなら宇宙ステーションと刑務所を足して2で割った感じ(経験したことないけど)。
アパホテルを出たら次に自宅に移動してさらに7日間の自宅隔離でした。
その後、やっと“出所”したわけですが、自由、とはこういうことか、と。

今回は、一時帰国するべきか非常に悩みましたし、入国規制ルールを調べたり、
検査に申し込む手間とコストがかかって、かつ隔離もあったので、
モチベーションが全く上がりませんでした。

そもそも、感染爆発のイギリスからの帰国なんてバイオテロだ、と突っ込まれるのではないか、
自分の個人的なわがままで日本国民を危険に晒させてしまうかもしれない、
友人に会いたいと連絡して、あからさまに避けられたらどうしよう、
などどいった色々な心配と不安が胸をよぎりました。
でも、結果的には一時帰国して本当に良かったと思っています。

三回目のワクチン接種

ひろき

時がたつのは早いもので、コロナ禍になってから2回目の冬が到来しました。
イギリスでは昨年と比べるとワクチン接種が大幅に進み、
ロックダウンの可能性がかなり低いと言われています。

英国政府は集団免疫の獲得を目指しているようで、
コロナ関連の規制が撤廃された現在、1日当たりの新規感染者は3万5千人、
死者は150人ぐらいで、ここ3か月間ぐらい第3波が続き高止まりしています。
接種率が高い国でこれだけの感染者数ということは、
いかにイギリス人(特に若者)が外で暴れているのか想像できて恐ろしくなります。

そんな状況で期待されているのが、3回目のワクチン接種。
今週、私も早速、3回目の接種をしてきました。
1回目と2回目はアストラゼネカで、まったく副反応はなかったのですが、
今回はファイザーを接種して、2,3日間は軽い倦怠感や悪寒がありました。

3回目の接種の方が規模が小さい会場で、並ばずに接種できました。
私個人としては、感染者数が高止まりしている中で、
今できることをすべてやり切って、すっきりしました。

ARIGATO東京2020!

ひろき

コロナ対策の行動規制が撤廃されたロンドンでは、
街にだいぶ活気が戻り、人々の行動も正常に戻りつつあります。

先日、コロナ禍になって以来、初めて友人の家でガーデンパーティに参加しました。
2年近く会っていなかった友人らにも再会でき、
本当に久しぶりに大勢の人とのおしゃべりを楽しめました。

その中で話題になったのは東京オリンピック。
日本国民としては五輪関係の報道を耳にするたびに正直,げんなりしていました。
だって、あんなに五輪大好き国民が、今や五輪を目の敵にしてるようで。
マスコミの論調も日本人同士議論して批判しあい、結局どの道、誰も得しない、
正解のない不毛な議論が続いているように見えました。

両親の世代が経験した高揚感やレガシーを経験したかったのですが、
みんなが思い描いていた未来、納得する形での開催にできなかったのは本用に残念です。

そんな中、今回のガーデンパーティーでは唯一の日本人として、
五輪開催のお礼とお祝いの言葉(東京五輪は成功した、というのがイギリスでの受け止め)
をいただきました。

パンデミックで楽しみがない中(特にロンドンは4ヶ月間のロックダウン)、
感動と娯楽を提供、と受け止められているようです。
また、日本人が犠牲を払いながらも、
大変な状況下、何のメリットもないオリンピックを律儀に開催、
一番がっかりしたのは日本人、
と日本の状況を慮ってくれました。

こういったコメントを聞くと、私個人は五輪に何の関係もないのですが、
同じ日本人として誇らしく感じました。
そして、アスリートの方々やボランティア、
医療従事者の方々にあらためて感謝したいと思います。

クロスボーダーミーテイングが初開催

ひろき

クロスボーダー・ミーテイングが初めて開催され、
私もイギリスからオンラインで参加しました。

自分が参加している他のミーティングでの会話が企画発案につながったので、
参加者がいるのか少し不安だったのですが、
なんと計12名(正確でなかったらごめんなさい)もの方が参加してくださったようです。

色々なレベル、行先、事情で海外生活に興味がある方、
またすでに海外に住んでいる方が参加されていたので、
本当に刺激と元気をもらえました。
皆さん、海外に行こうと思った時点ですでに偉いのに、
病気を抱えてまで、というのはすごい行動力やチェレンジ精神だと思います。

そういう方が増えるということは、それだけ治療方法が進化したということ、
そして社会の風潮や陽性者の意識が変わってきたということだと思います。

陽性者が海外に移住する、というのではなく、
海外に移住したい人、もしくは移住した方がたまたま陽性者だった、という印象でした。
陽性であることを人生の前面に押し出すのではなく、やりたいことが先にあって、
陽性であっても、どうにか実現させたい、または実現させた、
という前向きなパワーを感じました。