陽性者と家族の日記 “ひろき”

イギリス紳士は傘をささない?

ひろき

意外かもしれませんが、イギリスでは傘をささない人が多いです。
特に男性。新聞紙とか、コートをかぶって、足早に歩いて程度で、
日本のようなビニール傘をあまりみないですし、
ましてや、立派な大き目の傘をさしている男性は、ホテルのドアマンぐらいでしょうか。

ある本によると、傘はそもそもアジアの日傘が起源、とのこと。
イギリスに伝わったときは、上流階級のひとが自分でさすのではなく、
召使がさしていた、らしいのです。

ま、上流階級の人間なんて、ごく少数。
一番の原因は、雨が日本ほど激しく、長く降らない、だと思います。
イギリスでは日本と違ってどしゃぶりの雨は経験したことがないですし、
ちょっと我慢すれば雨は止むことが多いです。

私も今では、傘をさすのが面倒、少し我慢してみるか、
と雨に対する忍耐力がつきました。

治験プログラム終了

ひろき

2年間に及ぶ治験プログラムが先日終わりました。
HIVの新薬を服用して副作用など、経過を定期的に検査して報告する、というものでした。

何らかの形でこの病気に携わる人たちに貢献したい、また、
すでに服用していた薬の副作用が低減される、という説明だったので参加しました

結果的には参加してよかったと思います。
診察の予約の融通がきいたり、予約しやすかったり、
同じスタッフが接してくれて、大事にケアしてもらったいえるような気がしました。
普通の診察だと、ロンドンでは待ち時間も長いですし、同じチームで長い期間、診察してもらえないでしょう。

治験していた薬は認可が下りて、薬局で手に入るようになりました。
この病気の治療方法が日々進化している、そう感じました。

イギリス総選挙

ひろき

昨日、ちょうどイギリスの総選挙が行われました。
日本ではなかなか政治の話を日常的することないのですが、
イギリス人は若い人でも政治について何しかしら意見を持っている人が多いようです。

今回の選挙の大きなテーマだったのはイギリスのEU離脱。
外国人としてイギリスがEUを離脱するのは、メリットはありません。
周りの友人は不思議なくらい残留派しかいないので(そもそも離脱派は外国人とは友人にならない?)、 
離脱派が有権者の過半数いるとはにわかに信じがたくもあります。

まっ、3回離脱を延期して、3年半もEUを待たせていたので、とりあえず物事が動き出したことはよかったです。
離脱を支持はしませんが、人間って合理性よりも、感情で判断することがあると思うので、
イギリス人のちょっと周りから距離をおきたい、という気持ちは理解できます。

でも、これから地獄が待ち受けているんでしょうね。しかも、長く続く地獄 笑。
そういう自分の母国だって、人口が減って衰退するっていうのに、
移民を受け入れることには後ろ向きです。

自分のアイデンティテイーを守りたい、自分の居場所、を守りたい気持ちもわかるし。
難しいですね。理性と感情のバランスって。
でもこういったことをもっと気軽に話せたら、政治への関心も高まるのではないでしょうか?

イギリスの横断歩道はゆっくりと渡る

ひろき

イギリスでも日が短くなって、気温もだいぶ下がってきました。
憂鬱な冬に打ちのめされる前に、イギリスの好きなところを書きます。

イギリスの好きなところ、それは横断歩道をゆっくりと渡ることです。
これは私個人の例えなのですが、車が目の前で渋滞していようが、
周りの歩行者が急いでいようが、イギリスでは横断歩道を歩行者がどうどうと、
しかもマイペースで渡ります。

私なんかはついつい、車が来てると小走りで横断歩道を渡ったり、車に止まってもらう、
しかも渋滞してたら頭を下げながら渡ってしまいます。

イギリス人は違います。まるで旧約聖書のモーゼのように堂々と、車が逆に人のために道をあけます。
考えてみたら歩行者にとってあたり前の権利なのですが、
それを堂々と使うのがイギリス人。

これは失業保険の受給にかんしても、バスに乗る車いすの方にも同じことが言えます。
みんなで話し合って決めた権利は、例え1対多数になろうが、個人として堂々と主張する。

シンプルなことなのですが、そこにイギリス文化の奥深さを感じます。

イギリスでラグビー応援

ひろき

ラグビーワールドカップ、盛り上がっている様子をニュースで度々みます。
私自身、プレーしたこともないですし、ルールもちんぷんかんぷんですが、イギリスはラグビー発祥の地。
日本で開催されているラグビーワールドカップの試合もテレビ中継されていますし、ラグビーワールドカップの広告やCMもよく見かけます。

ほんとに、にわかファンで恐縮ですが、日本がアイルランドやスコットランドをやぶったのには、感動してしまいました。
バックグランドはさまざまな選手がワンチームとして日本を代表して戦う。
きっと新しい日本の在り方を示してくれたんだと思います。

ラグビーは自主性を重んじるスポーツ、ということで、イギリスでは会社のマネジメントしているようなビジネスパーソンに人気があります。
彼らを多く輩出するイギリスの名門校で盛んだということです。

日本からロンドンを訪れた友人と一緒に、パブで日本対南アフリカ戦を観戦しました。
残念ながら日本は敗退しましたが、なんと、パブにいた南アフリカの方が声をかけてきてくれて、ビールをおごっていただきました。

日本のスポーツ選手の活躍が、国際交流、そして海外在住の日本人の誇りや元気になります。

イギリスの嫌いなところ

ひろき

普段、こちらの日記には私が暮らしているイギリスの良い面を書くことが多いので、たまには愚痴というかクレームというか、嫌いな点を書いてみます。

嫌いなところはたくさんあるのですが、今回は地下鉄について書きます。
有名なロンドンの地下鉄ですが、やたら駅や路線の閉鎖が多いです。
週末になると、メンテナンスのためある区間(郊外が多いですが)丸ごと閉鎖、代替にバスを利用、ということがあります。また、駅も閉鎖される場合があります。

うっかり知らないで駅に着いたら駅が閉鎖、しかも路線が丸ごと、っていうこともあります。
利用者は地下鉄のHPやTwitterを事前にチェックすることが多いのですが、旅行者にはもっと困るのだと思います。

閉鎖だけではありません。地下鉄の改札にはイライラします。
こちらの改札の扉は基本的にしまっていて、ICカードをタッチすると開きます。
しかも鈍くて、遅い。日本の方式は人が流れるように扉が開いている状態。
これは圧倒的に日本の地下鉄に比べると利用者が少ないのと、不正利用が多いことが原因だそうです。

なんでロンドンは大都市なのに、こんなに効率悪いことをしているのだろう、と思うのですが、ロンドンの地下鉄は150年以上の歴史があります。
そんなに古いのであればガタもくるだろうし、まぁ、文化の違いだと思うようにしています。

ロンドン地下鉄の名誉のために書いておきますが、好きな点もあります。
それはクレジットカードとデビットカードが利用できること。
ICカードを買わなくても、そのまま直接タッチして使えるんです。
これは旅行者には便利。

嫌いな点を考えると、そうなった理由や文化の違いが見えてきて面白いですね。
また、思いついたら書きます。

陽性者としてイギリスで暮らすということ

ひろき

イギリスに住み始めて9年が経ちます。その間に私が感じた印象は、
イギリスは陽性者にとって暮らしやすい国、だということ。

医療制度については以前も書いたことがあるので、今回は割愛しますが、
“社会の中での受け止めよう”が比較的寛容であるように感じます。

陽性者であることをパートナーや友人たちに話すのは、よくあること。
出会い系で初めて出会う相手に陽性であることを伝えるのも、珍しいことではありません。

なかには、投薬をはじめ、ほぼ死滅している状態(undetectable)であれば、
HIVをうつす可能性がほぼゼロに等しい、むしろ、陽性だと診断されていない人よりもリスクが低い、ととらえる人もいます。

私自身はロンドンにしか住んでことがないので、地方とはまた違うのかもしれませんし、
イギリスは多民族国家なので人種や民族によっては、HIVがまだまだタブー視されていることもあると思います。

日本もこの9年間で色々変わったと思います。より寛容性のある社会になっていくといいですね。

ネズミ、現る

ひろき

ロンドンで生活をしていると、日本以上にネズミをよくみかけます。
地下鉄の構内、歩行者道路、はてはオフィスのフロアでも。
と、そこまではよかったのですが、先日、ついにネズミが現れたのです、僕の部屋に。

自分の部屋に出ると、本当に怖くて、夜も眠れないぐらいです。
ガサゴソ、と夜にキッチンから音が聞こえると、それが、ヤツだったりします。
初めて見かけた夜から、音がすると、びくっとしますし、
夜も同じ部屋に寝てるのかと思うと、本当に恐ろしい。

大家さんに報告したところ、ペストコントロールという駆除の業者をよんでくれました。
何をしてくれるのかというと、実況見分をしたあと、毒入りのモチをしかけていきました。
これ、効くのでしょうか? 先日は、ついにパソコンを見ている最中に足元を横切っていきました。

正直、その場で駆除しておしまいだと思ったので、モチを食べたにしろ、死骸を目にするかもしれないと思うと。。
ああ、早く部屋から退散してくれますように!

ジブリ・ファンならぜひウェールズへ

ひろき

だいぶ前になりますが、今年4月のイースター休暇中に、
初めてウェールズに旅行してきました。

元々、イングランドとは別の王国、住む民族もアングロサクソン系ではなく、
ケルト系ということで、なんとなく文化とか人の見た目も違うような、違わないような。
イギリス人ではない私からすると、現在は大きな違いがあるように見えませんが、
地名などの表記が、英語と公用語であるウェールズ語の併記になるのをみると、“異国”だと実感がわきます。

四国ほどの広さのこの国にはたくさんの城が残っているそうで、
イングランドとの戦いがいかに熾烈だったのかが想像できます。

その中でも、たまたま訪れたカーナヴォン城という城が、なんと、『天空の城 ラピュタ』に登場する、
シータが囚われる要塞のような城のモデルだと知りました。
しかも、パズーの住む炭鉱の町も、ウェールズなのだとか。

ジブリ・ファンのかた(もちろん、そうでなくても)には、ウェールズはおすすめです。

イギリス永住権取得

ひろき

時が流れるのは早い、といいますが、先日イギリス永住権を取得しました。
渡英して8年目、本当に短いようで長いような、やはり時はあっという間に流れていきます。

8年間、自分なりに何ができたのだろう、渡英する前の夢や目標はかなっているのだろうか、などと考えてしまいます。
でもきっと、元気で暮らし、何とか生活できている、それがまずは一番の成果、自己実現だと、少しだけ自分を褒めています。

渡英する前にすでに投薬を始めていたので、仕事や生活だけでなく、イギリスでの治療が心配でした。
情報収集を手伝ってくださったのが、ぷれいす東京のスタッフのみなさん。

感謝の気持ちでいっぱい、本当にありがとうございます。
支えてもらったぶん、もっともっと幸せに、夢と目標をかなえたいと思います。

まだまだいくぞっー!