TAKADA
ぷれいす東京との四半世紀を超える関わりの中で、あんまりアクティブに活動できていない時期が長かったのですが、昨年4月からは「なんでも相談」担当というミッションをいただいて、月1回は、ぷれいすの事務所に来るようになりました。毎月第2月曜日の午後に、予約を受けてお話をお聞きしています。 ご自身のHIV感染を知ったばかりの方には、ぷれいすの、よく知られた4回連続のPGM(ピアグループミーティング)が絶対お勧めですが、それ以外に、ぷれいすにどんなHIV陽性者の活動グループがあるか知りたいとか、療養中でなんとなく話し相手が欲しいとか、定年退職してこれからの活動を考えているとか、知りたいことがあるけれど、どこに聞いたらいいかわからないとか、そういった、まだぷれいすに関わったことのない方々を含めて皆さんの、なんでもご相談をお待ちしております。どうぞお気軽にご予約ください。ご予約はこちら
そして、これから、月1回ぷれいすの事務所に来たときには、この「スタッフ日記」も、なるべくアップしようと思います。(記念すべき第1回目の本日は、東京はまだ梅雨もあけていないのに、今年最高、36.5度を観測したという記録的暑さの日でした。)
まきはら
だいぶ暑い日が増えてきましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今年は出足が少し遅れましたが、梅雨が明ける前に今年も出ました、新規ボランティア募集でございます。
今年は9月に、オンラインでの説明会の後、2回の研修を3年ぶりにリアルで開催します!(対面!)
3年ぶり?というか、下手すると何年ぶり?くらいの、昔の思い出のような感覚もあるのですが、9月までに徐々に肩慣らしをして、感覚を取り戻しながら、感染症対策も考えつつ、準備していければと思います。
詳しくは、下記ページをぜひご覧くださいませ。
新規ボランティア募集 のお知らせ (2023)
募集の案内を見て、何か不明な点があれば、申込みフォームからでも、事務所に直接メールでも、ご連絡ください。
みなさまの参加をお待ちしております!
食欲の梅雨って何ですか?
まきはら
だいすけあ
手記・朗読 だいすけあ/福正大輔
わたしはHIVpositiveです。24歳の時に診断され、17年がたつところです。
感染した当時、一緒に暮らしているパートナーがいました。しかし、私は自分勝手なセックスライフを謳歌していました。掲示板や発展場で知り合った人とリスクの高い性行為をしていました。私は、ゴメオDIPTや覚せい剤をつかったSEXをしていました。危ないと思えば思うほど、心がわくわくしていました。
SEXをした友人から「HIVにかかったみたい。俺は大輔としかやっていないから、たぶん大輔もHIVだと思う」と言われ、一緒に拠点病院にいきました。診断を受けたときには、眠れなくなり、3日間ベッドのうえでのたうち回っていました。パートナーにはHIVに感染したことを伝えました。すると、「許せない。でも、大輔のことは大事だから、これからも一緒にやっていこう」という手紙をもらいました。それから10年以上一緒に暮らすことになりました。HIVの診断を受けてから1年くらいは病気のことが気になって、誰とも性行為をしなかったと思います。しかし、いつの間にか「もうどうせ病気だから」と、さらにリスクの高い性行為をするようになりました。名前も知らない相手、ときには顔もわからない相手とコンドームをしない、体を傷つけあうようなSEXをしました。HIVのことは、SEXの相手にも友人にも家族にも、誰にも言わずに生きていくんだと決意していました。
29歳の時に覚せい剤取締法違反で逮捕され、有罪判決を受けました。そこから私の人生が変化していきました。自分が依存症であること、自分が自分を傷つけることで生き延びてきたことが理解できました。仲間のアドバイスを受けながら、自分がどんな行動をすると生きやすくなるのかを考えるようになりました。私が見つけたのは、「自分にうそをつかない、本音で生きる」という目標です。まず取り組んだのが、「埋め合わせ」です。20代の時に傷つけた相手に連絡をして謝罪をしました。できるだけ会って話をして、今の生き方を見てもらいました。もう連絡が取れない人もいます、連絡をしても無視される人もいます。当然です。私がしてきたことは相手の「尊厳」そのものを傷つけてきたのです。
「埋め合わせ」をする中で、うそをつかないで生きることは、気が楽になることだと実感していきました。自分の思ったことを相手の状況を考えながら話すことがどんなにステキな事かもわかりました。このままいけば、何の問題もなく自分が幸せになれるのかもしれないと思っていました。嘘をつきたくないので、HIVpositiveであること少しずつ公表しようと思い立ちました。
2020年秋、信頼できる場所からと思い、新しく通い始める歯科医院でHIVpositiveであると問診票に書いて受診しました。一通り検診をした後言われたのが、「うちはB型肝炎の人は治療できるがHIVの人は治療できない、そのような設備がない」ということでした。頭を冷たいものでぶん殴られたように、耳の中がキーンとしました。できるだけ冷静に歯科医院でスタンダードプリコーションや人権の話をしたと思いますが、よく覚えていません。怒りは数日収まらず、歯科医師会・法務省人権相談・市役所医事課と立て続けに連絡をして、それでも解決する糸口は見つからず、ぷれいす東京に相談の連絡をしました。わたしは歯科医院を訴えて、反省してもらうことばかりを考えていました。
ぷれいす東京で相談し、活動するようになって、わたしの考えは変化していきました。「わたしはわたしの闘い方がある」と思い、演劇と映画をつくることにしました。わたしは18歳で広島県呉市から東京に出てきました。俳優になるために、演劇専攻のある大学に入学しました。芸術は武器になると思いました。それは反省させるためにやるものではなく「一緒に考えてもらうため」に作るんだと決めました。映画は「カミングアウトジャーニー」、演劇は「結婚披露宴」という作品になりました。作品づくりは苦しいときがあります。そんなとき、HIVpositiveを公表して活動する先輩に勇気をもらいました。みなさん、語る姿が誠実で、なんとも魅力的でした。わたしもこんな風になりたいと思いました。
私は、2022年夏、母にカミングアウトをしました。ゲイであること、HIVpositiveであること、そして、今おつきあいをしている男性がいること。母は、昔の写真をいじくりまわすだけで、目を合わせてはくれませんでした。「ああ、失敗したかな」と思いましたが、やり始めたカミングアウトは最後までいくしかありません。全部の話をききおえて、母は、「まあ、しょうがない。代わってあげることができるわけじゃないし」といいました。いつもの母のいいっぷりに私は安堵しました。私の母は、周りの人によく「強い人」と言われます。わたしはそうは思いません。「わからないことをわからない、どうしようもできないことをどうしようもできない」と、ありのままに受け入れる力がある人なのだと思います。この力のことを「ネガティブケイパビリティ」というそうです。私の母は、ものすごい能力を持った人なのだと、今は思います。
カミングアウトをした時に、母にどうしても伝えたいことがありました。それは、「いま、大輔はとても幸せだよ」ということです。それをどうやったら具体的に、楽しく伝えられるかと考えた結果、パートナーに直接あってもらうという方法をとりました。カミングアウト場面で、パートナーにサプライズで登場してもらいました。今まで顔をあげてくれなかった母が、ものすごいスピードで顔を上げ、穴のあくほど私のパートナーを見つめました。その表情はとても楽しそうで、目はきらきらとしていました。「むかしから“恋バナ”好きだったよなこの人」と思い出しました。すぐにパートナーと母は打ち解けて、あれこれおしゃべりをしてくれました。私は、その光景がうれしくて、しあわせで、思い浮かべるだけで、「ああ、ここに、この時代に、生まれて来て良かった」と思うのです。
HIVになったとき、依存症だと理解した時、捕まった時、差別を受けたとき…わたしはどうして自分はこのような状態になったのか、こんなはずじゃなかったと思いました。しかし、いまは「しあわせ」を知るための必要なプロセスだったのだと思います。私の人生には価値がある。私の人生のプロセスには、自分以外の人のためになる力があると思います。ぷれいす東京の仲間に会うために京都に行きました。龍安寺というお寺に「吾唯足知(われただたるをしる)」というつくばいがあります。まさに、わたしは毎日この境地にいるのだと思います。
人生に大切なことはそんなに多くありません。しかし、わたしには必要なものがまだあります。それは、愛です。そして、社会的な存在として病者や同性愛者の権利が認められることです。私が欲しいのは、すでに一緒に生きている人の差別のない社会と同性婚が認められた社会です。今日はそんな思いを込めて歌います。
※2023年5月14日(日曜) 第61回 「Living Together のど自慢 」にて
かとう
世界中に新型コロナが広がって早3年余り。
ネスト・プログラムにも大きな影響がありました。
ほとんどのプログラムでオンライン化を行い、今現在もオンライン開催が中心となっています。
今まで遠方にお住まいでなかなか参加できなかった方…遠くは海外からのご参加もあったりします。
オンラインで開催できることの大きなメリットです。
一方でオンラインが苦手だったり、参加する環境が無かったりして、プログラムから離れてしまった方がいるのも事実。
対面で参加して直接みんなと会いたい!という声も少なからず聞こえて来ます。
ネスト・プログラムでは、リアルとオンラインの両方を活かした「ハイブリッド」開催を目指しています。
いくつかのプログラムでは既にハイブリッド化を進めています。
多目的室の机や椅子を交換し、不要な棚などを撤去してより広く使えるようになりました。
パーティションも新たに購入して、より安全にリアル開催ができるように準備を進めています。
このような取り組みをもっと全国のみなさんに知ってもらいたい…そう考えて、新しいパンフレットを作成中です。
そのパンフレットに掲載する写真を先日ボランティアのみなさんに協力頂いて撮影しました。

デザイナーの新藤さんにもお越し頂いて、プロカメラマンの長谷さんに撮って頂きました。
ハイブリッド開催の雰囲気が伝わると良いな、と思っています。
対面で参加する人もオンラインで参加する人も、プライバシーや感染対策に配慮しつつ、みんなが心地良く参加してもらえるようにして行きたいと思います。
みなさんにもご協力頂けると嬉しいです。
おーつき
観てきました…!!
ラストシーンがとても印象的。おすすめです。
生島
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
2022年のHIV陽性者向けのミーティングを振り返ると、オンラインでのミーティングやセミナーの開催、動画の配信など、実践しながらノウハウを蓄積した年でもありました。
元々オンラインは、コロナ禍における対面の代替手段、マイナスをカバーする道具として使い始めました。しかし、距離を超えて、多様な人が繋がれる、小グループでのトークが簡単にできるなど、オンラインの良さも実感するようになりました。
もちろん、ミーティング後のお茶会、食事会はできません。それでも、遠くに住む人、海外に住む人たちとも都合を調整さえすれば、一緒に話せるという技術の進歩は驚くべきものがあります。
さらに、最近では、会場参加とオンライン参加が選べる、ハイブリッド開催の実施が始まっています。会場のモニターを介して、オンライン参加者と会場参加者が問題なく交流できるようになりました。
今後は、この楽しさ、ワクワク感を他の領域でも活用していきたいと思います。ぷれいす東京のYouTubeチャンネルでは、時々、LIVE配信をしています。チャンネルを訪問していただくと、過去のアーカイブ動画もご覧いただけます。 チャンネル登録者数も500人を超え、目標の1000人まで、あと一息となっています。ぜひ、応援、よろしくお願いします。
さて、1994年4月にスタートした私たちの活動は、2023年度で30年という節目を迎えます。最初は10人前後であったぷれいす東京のスタッフ数は、昨年3月末で、251名(うち正会員61名、活動会員190名)、そして、事務所もフルタイム・スタッフ2名、パートタイム5名と多くの人たちが参加する団体へと大きく成長してきました。
毎年秋に開催される新規ボランティア研修会には、「不安だった時に助かったから」「同じ立場の人と出会ってエンパワーされたから」というニューフェイスたちが、参加してくれています。かつての利用者が提供側に回るという循環が成り立っているのです。このことを、とても嬉しく、誇らしく思います。
この30年で経験した、過去の蓄積を次世代の人たちに伝えるということは必須だと思っています。それと同時に、現代表も含めてスタッフの高齢化が話題になっています。いよいよ世代交代に向けて努力する年となります。
みなさま、今年もぷれいす東京の活動をご支援いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
2023年元旦
認定NPO法人 ぷれいす東京
代表 生島 嗣
スタッフ一同
ぷれいす東京NEWS2022年新年号より転載
はらだ
今年もTOKYO AIDS WEEKS 2022が開催されています。

もう終盤ですが、明日12月11日(日)には、「ふたりぱぱ・みっつんと話そう~『RESPECT』とスウェーデンの性教育の今~」や、「性感染症予防啓発は誰のため?――広報と書籍から考えるこれからの性教育」など、ぷれいす共催イベントやスタッフが出演するイベントなど、4つのイベントが予定されています。
また、アーカイブでご覧いただけるイベントも多数あるので、まだサイトを訪れていない方はぜひご覧ください。
今年のTOKYO AIDS WEEKS 2022のロゴは白地に赤、フライヤーは赤が基調ですが
12月1日から12月25日まで10%上乗せ&SNS連動キャンペーンを実施しているチャリボンの
キャンペーンバナーも赤が基調です。

こちらは、本やDVDの査定金額に10%を上乗せするキャンペーンのほか、
初の試みとなるSNS連動キャンペーンも実施しています。
チャリボン公式アカウントをフォローして、応援したい団体に向けてツイートすると、
1ツイートに対して100円がチャリボンから寄付されるというものです。(一人1回限り)
この機会にぷれいす東京の応援をよろしくお願いいたします。
詳しくはこちら。
生島
1年のスピードが早い。
60代になったら、ゆったりと仕事をして、プライベートも週末も充実させてなんてイメージしていたけれども。
現実は全く逆なんです。
自分で仕事を引き受けたり、ハードルを上げたりして、
自分で自分を追い込んでいるところがあるのですが。
今月に入り、「もう10月!」っていう不安な気持ちが湧いてくることもあれば、過去にギリギリでなんとかしてしまったという、間違った成功体験が「まだ10月!」って思わせたりしている。
60歳を通り越しても、過去に学ぶことって、なかなか難しいです。
相談に来た人から、後日、生島さんから言われた言葉がとても役立ったって報告されたとき、ブーメランのように自分に刺さる時があります。相談者に伝えると同時に自分にもいい聴かせていたのかもしれませんね。
九州レインボープライド11月6日(福岡)、日本エイズ学会11月18日〜20日(浜松)、TOKYO AIDS WEEKS2022(11/15〜12/15)とイベントが続きます。PrEP in JAPAN、Stay healthy and be Happy、LASHonlineとwebの運営、研究活動もしています。
どこかで見かけたら、怖くないので声かけてください。
まきはら
まだまだ暑い日が続きますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
私は、汗を大量にかこうとも、全く痩せないことに納得できないまま今年も夏が終わろうとしております。
さて、年に一度のぷれいす東京のボランティア募集と研修の説明会が、今週末になりました。
9/10(土)の10時〜12時までの予定です。事前申込みが必要で、8日の明日がその締め切りとなっています。
迷っている方は、以下のページよりお申し込みください。
開催迫る!新規ボランティア募集(2022) 今年も9月にオンライン開催!
また、すでに申し込みいただいた方には、当日の案内を昨日送信しました。ご確認いただき、何かありま
したら、事務所の方にご連絡くださいませ。
ともあれ、各部門の担当、事務所のスタッフも、みなさまに会えることを楽しみにしています。
どうぞよろしくお願いします。
研修担当 牧原
まきはら
みなさま
まだまだ毎日暑い日が続きますね。
あたくしは、日々滝のように滴る汗は、やがて体重を昇華させてくれるものだと信じて過ご
しておりますが、信じていいものなのでしょうか…。
さて、7月から開始した今年のボランティア募集、徐々に説明会の申し込みも集まってきて
嬉しい限りでございますが、まだまだ募集中でございます。
9/10(土)の説明会まで、多少の時間的余裕もありますので、興味のある方はぜひご検討下さ
いませ。また情報拡散もご協力いただけると幸いです。
どうしようかなーと迷っている場合は、募集ページの下にある、ボランティア・トークとい
う動画を参考にしていただければと思います。
現役ボランティアが、何を考えて、どういう活動をしているのかを知っていただけると思い
ます。
ではではみなさま、夏以降、あたくしがどうなっているかもご期待くださいませ。
多分どうにもならない
まきはら