スタッフ日記

ふたりで司会

*JaNP+(日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス)の「長谷川博史さんのメモリアルサイト」に投稿したメッセージです。
ICAAP7で司会

長谷川さんとの忘れられない思い出は、ふたりで国際会議の開会式の司会をしたことです。
あれは2005年、もう17年も前になりますが、神戸で第7回アジア太平洋地域国際エイズ会議(ICAAP7)が開催されました。
じつはこの会議、2003年に開催予定だったのですが、SARSの流行にみまわれて延期になり、会議開催資金集めは苦労の連続、それでもようやく開催にこぎつけたのです。
アジア太平洋地域からHIVとともに生き、ともに活動するたくさんの仲間たちに来てほしい、開会式は気持ちをこめてもりあげてたい。でも、プロの司会者を雇う余裕はない。
というわけで、急遽、長谷川さんと池上のふたりで司会と相なりました。
メインは長谷川さん、池上はサブです。
というのも、長谷川さんは日本のHIV陽性者ネットワークJaNP+代表として東南アジア各国の仲間たちとであい、語り合い、神戸ICAAPにつなげてきたからです。
池上は当時エイズNPOぷれいす東京代表で長谷川さんとは随所でご一緒でしたが、カップルで司会は初体験、しかもふたりあわせて100歳をこえちゃうのでした。
国際会議ですから司会は英語、なのにリハーサルなし。とにもかくにも大事なオープニング、時間通りにとどこおりなくもりあげておさめろ!
プレッシャーばかりのしかかります。
でも、写真(小さくてすみません)をみてください。長谷川さん、余裕のほほ笑みをうかべています。
いくつものご挨拶やら、日本の仲間たちのパフォーマンスもすいすいと運び、最後に、アジア太平洋各地から来てくれた仲間たちが壇上に上がります。
そして舞台中央にでた長谷川さんと仲間たちの素晴らしいスピーチ、長谷川さんが築いてきた信頼のネットワークが見事に結実し、檀上で生まれたエンパワメントの渦が会場をつつみこみました。
舞台袖の司会席に控えていた私、(やったー!)と無音の快哉、(長谷川さん、すごいよ!)。
長谷川さん、あの時一緒に演壇にたち、あの場を共有できたこと、誇りに思います。ほんとうにありがとう。
できればそちらでもう一度ふたりで司会をしませんか。
いま少し待っていてね。

ちずこ

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