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NPO法人ぷれいす東京 2016年度活動報告会報告

2016年度ぷれいす東京活動報告会スタッフ、サポーター集合写真
2016年度活動報告会ネスト部門2017年5月28日(日)の活動報告会には、賛助会員・寄付者などのサポーター、企業の方、連携機関の方、ぷれいす東京スタッフ、HIV陽性者やその周囲の人など、72人が参加しました。
部門報告では、電話相談、セクシュアル・ヘルス・プロジェクト、ゲイ・グループ、ネスト・プログラム、バディ派遣サービス、相談部門、研究・研修部門の6つの部門より、現場のスタッフたちによる実感あふれる活動報告をさせていただきました。

2016年度活動報告会ゲストスピーカーの宮田さんトークコーナーでは、ジャーナリストの宮田一雄さんに、国際的なコンセプトについて解説していただき、この日本の現状をどのように捉えていくかについて考える一時を持つことができました。世界の動向から見ると、今こそ、Support as Prevention(予防としての支援)が重要だということを知り、私たちの活動の重要さを再認識する機会となりました。(報告:生島)

※宮田さんの講演内容はぷれいすコラムに掲載しています。

2016年度活動報告会会場の様子

参加者感想文

「当事者という立場」HIRO(ぷれいす東京利用者)

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活動報告会には、予想以上に多くの人が集まっていた。議員さん、弁護士の先生、ジャーナリスト、お医者さん、他のNPOの人、ボランティアの人など、HIV感染の当事者ではない(と思われる)人がたくさんいた。マイクを持って話すどの人の言葉からも、この病気に向き合う真摯で熱い思いを強く感じた。

昨今の治療の進歩で、感染者は平凡な日常生活を難なく続けることが可能になった。かくいう自分も、感染を知った1年前こそ四六時中HIVのことを考えていたが、今では体調も安定してHIVのことは忘れて暮らしている。

でも、本当にこれでいいのだろうか。当事者はHIVを忘れて暮らしているのに、当事者ではない人たちがHIVを忘れるなと社会に呼びかけ奔走している。陽性者であることは恥ずべきことではないけれど、自分の病気をとりまく社会のあるべき姿を考えようともせず、我関せずと日々を暮らす当事者の自分は、少なくとも全然カッコよくないと思った。

僕は医師でも議員でもないから、できることは違うだろう。でも、当事者として隣人や社会とどう向き合うべきなのか、社会を動かそうとする人たちの活動にどう同調していけるのか、誠実に向き合い模索する歩みを止めずにいたい。他でもない自分のことだから。自分にこそできる何かだってあると思うから。思いをあらたにした活動報告会だった。

「充実した活動報告会に感謝」堅多 敦子(東京都福祉保健局)

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いつもお世話になっております。初めて、活動報告会に参加させていただきました。
ぷれいす東京の活動が多岐に渡り、多くの方々の力で進められていることを、改めて強く認識でき、報告は各々の発表者の熱意が100%以上伝わってくるものでした。

特に、各種相談については、東京都が委託している事業もありますが、陽性者や確認検査待ちで不安な方々など、相談者の心の拠り所となっていて、とても重要な役割を担っていただいていると思っています。
相談員さんには、相談者ひとりひとりの不安な気持ちに寄添っていただいていますが、中には対応が難しかったり、長時間の対応だったりと相談員さんの方が疲弊してしまうケースもあり、相談員さんに対するメンタルケアの重要性がよくわかりました。

昨年度の東京都HIV/エイズ電話相談の件数は、一昨年度からかなり減少しました。インターネット上には色々な情報が氾濫し、目を疑うような情報も多々あります。安心して相談できるこの電話相談の重要性は今後も増すと思っています。東京都では、色々な広報媒体を活用し、さらに電話相談のPRに努めてまいります。

「ぷれいす東京と俺」ソロ

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活動報告会の会場について、たくさんの人がすでに集まっていて、少し驚きでした。活動報告会だから、スタッフの話だということは、想像がつくので、何か面白い話が聞けるのだろうか?そんな程度でした。
ぷれいす東京と自分が関わったのは、今年はじめて、ミドルミーティングに参加したことからでした。
自分は、HIVポジです。これからの人生を病気とどう向き合って生きていけばいいか、模索をしていました。そして、ぷれいす東京を訪ねました。ミーティングの日、集まった人達が陽性者(20人程)とはいえ、自分の病気のことを話すのは、つらいなとおもいました。そして、自分には、このようなミーティングは必要ないかなと思ったのです。
しかし、活動報告会で、各部門ごとにスタッフの方達の発表を聞いて思ったのです。こんなにたくさんのミーティング、講座を開催している団体は、ぷれいす東京くらいで、その、存在は大きいなと。スタッフの皆様に、感謝の気持ちを送りたいです。そして、陽性者として、何らかのかたちで、今後も、ぷれいす東京と関わっていきたいと思うのです。もし、悩んでいる人がいたら、ぷれいす東京を訪ねてほしいと思います。

「継続していくことのすごさ」桑原 明日香(30代)

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今回はぷれいすさんを個人的にサポートをしているひとりとして、報告会に参加いたしました。

ぷれいす東京さんの多岐に渡る活動はもちろん活動報告書で読むことはできますが、実際に各プログラムにかかわるスタッフのみなさまの生の声を聞きますとその内容が立体的に、色彩豊かにみえるような気がしました。

そこから強く感じたのは、ホットライン・ネスト・バディなど様々な形のプログラムそのものが継続し、また継承されていくために、新規ボランティアの育成やスキルアップの研修に非常に力を入れられているということです。しっかりとしたスキルを持ったスタッフ・ボランティアの方がいらっしゃるからこそ、多くの相談者の方が勇気付けられ、救われ、ほっとできるのだと感じました。

ゲストスピーカーの宮田さんのお話では、世界の新しいコンセプトとして90-90-90やT as P(Treatment as Prevention)などの話題を様々な角度で取り上げていただきましたが、「社会はもっとS as P(Support as Prevention)であることが必要だよね」というメッセージが心に響きました。

会を運営された生島さんをはじめ、スタッフの方、ボランティアのみなさま、ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

「HMV?えっ?HIV?何ですか?それ?」まさ坊

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ぷれいす東京2016年度活動報告会が始まった。会場内の雰囲気は、ぷれいす東京そのもの、と言ってもよい程のアットホームな空気と笑顔、笑顔。特定非営利活動法人ぷれいす東京の活動報告会、初めて参加した私は、ぷれいす東京の内なる懐に秘めた、大きな力を改めて目の当たりにさせられた想いになりました。

「HIV?正直AIDSという言葉は知っているが、HIVとは何ぞや?」私の同僚が今回の報告会を前に述べた一言です。世界中の殆どの人がHIVを知っているか?きっと「AIDSは知っていてもHIVは知らない」という人がいまだに多く存在しているであろうと思います。私の同僚もその一人。HIVの予防啓発活動、HIV感染者への支援、ぷれいす東京の活動は様々。HIVを身近に感じるというよりもHIVを自らの体に持つ私と「HIVという言葉さえも耳にしたことがない」「HMV?」「芸能人でも来るのですか?」と楽し気に言う同僚。この温度差は?

そんな私の同僚は報告会が始まると直ぐに、初めて耳にすることばかりの新鮮さに、終始、私に質問攻め。「うわっ、もしかして、あっち(ゲイ)の人ですか?」ぷれいす東京の活動とはきっと無縁なノンケと、つい先日まで、ぷれいす東京に必死にすがっていたHIVでゲイの自分。そんな同僚が今回の活動報告会でHIVのことやLGBTのことに興味を抱き笑顔でその後の懇親会にまで参加し帰りの電車の中で一言「なんだか、みなさん幸せそうでしたね」おぃ同僚、皆、なにかを乗り越えてきた人たちだからこそ、あの笑顔なんだぞ!活動報告会の感想と言うよりも報告会での私の裏話でした。

※2016年度年間活動報告書はこちらからPDF版をダウンロードしてご覧いただけます。また、2016年度より活動実績の概要をA4サイズ1ページにまとめたので、ご覧ください。
2016年度活動実績

2016年度活動報告会概要

■日 時 2017年5月28日(日)14:00~16:30

■会 場 新宿NPO協働推進センター 1階多目的室

■プログラム

  • 部門報告
    ホットライン / Sexual Health Project / Gay Friends for AIDS / バディ / ネスト / HIV陽性者への相談サービス / 研究・研修
  • トークコーナー 「新しいコンセプトに追いつこう!」
    【ゲスト】
    宮田 一雄さん(産経新聞特別記者)
    【司 会】
    生島 嗣

宮田 一雄さんのプロフィール
産経新聞特別記者。長年、AIDSやHIVなど感染症の取材を続けており、特定非営利活動法人AIDS&Society研究会議、公益財団法人エイズ予防財団の理事も務める。著書に『世界はエイズとどう闘ってきたのか』(ポット出版)ほか。

■参加者
72名

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