アクティビティー

「認定NPO法人ぷれいす東京 2022年度活動報告会」報告

2022年度活動報告会スタッフ・サポーター集合写真

2023年5月27日(土)に、来場者・スタッフ含めて、62名が参加して、ぷれいす東京の2022年度の活動報告会が開催されました。写真は終了後に撮影した、ぷれいす東京スタッフ、サポーター、連携先の皆様による集合写真です。(phot by Yoshiki Hase)

報告会では、2022年度の活動について、電話相談、セクシュアル・ヘルス・プロジェクト、ゲイ・グループ、ネスト・プログラム、バディ活動、陽性者向けの相談、研究など、各部門のスタッフから報告がありました。トークコーナーでは、「30周年キックオフトーク」として、池上理事と生島が、初期の事務所や横浜国際エイズ会議、ぷれいす東京で制作した冊子などの様々な映像も交えてトークを行いました。現在、トークのアーカイブ動画を準備中です。公開になり次第お知らせいたしますので、しばらくお待ちください。

ご来場いただいたみなさま、参加していただいたみなさま、本当にありがとうございました。
活動報告書と活動実績のPDF版はこのページ下部よりご覧いただけます。

4名の方から感想文をいただいたので、お読みください。

参加者感想文

「人生で大切なことの多くをぷれいす東京で学んだ」砂川秀樹(50代・ゲイ)

池上さんと生島さんの対談で映し出された写真に、95年から97年にかけて事務局長として働いた私も写っていた。それを見ながら、ぷれいす東京でやったいろんな仕事を思い出していた。

電話相談トレーニングのプログラム作り、ゲイ向けのガイドブックを製作、イベントの企画、などなど。エイズ予防財団委託のリーダー研修は、高井明子さんと担当した。厚生省(現・厚生労働省)研究班での研究が始まった初年、二晩徹して報告書と決算書を仕上げたっけ。ゲイグループの研究班への関わりでは、簡単に言葉に言い表せないほど苦労した。

そうした経験が、今の私の土台を形成している。そして、日本性教育協会の研究助成を得て研究したことが、私の研究人生の始まりとなった。しかし何より、池上さんのCBO活動の姿勢、社会の見方、人生の歩み方をそばで見られたことが、私にとって大きかったことを、対談を聴きながら痛感した。

「人生で大切なことの多くをぷれいす東京で学んだなぁ…」。そんな風に思いながら、活動報告会を後にした。

「HIV/AIDSの歴史とぷれいす東京と私」いのうえようじ(研究者/男性)

まずは、報告会お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。リアルの報告会参加は久しぶりで、とてもうれしかったです。報告をされているメンバーも新しい方がおられ、場の雰囲気もなごやかでした。

後半の池上さんと生島さんのトークはとても面白く、「そうそう!」と頷きながら聞かせてもらいました。1994年に横浜で開かれた国際エイズ会議当時、HIV陽性者が表にきわめて出にくかったこと、この会議を国が国内外へのPRの場として利用していたこと、コミュニティや社会系の方々がこの国際会議をきっかけにHIV対策に大きくかかわるようになってきたことなど、私自身の経験を思い起こす場ともなりました。1980年代半ばの池上さんの写真の背景に「HTLV-3」という看板が出てきていて、当時HIVはそう呼ばれていたなあと、歴史の重みを感じさせられました。今のHIV支援体制ができるまで様々な方の努力の積み重ねがあったことを具体的に知ることは、今後に向けても重要だと思います。

HIV感染症をめぐる社会の様相は大幅に改善しています。治療薬も進歩しました。けれども、コロナの問題もLGBTQ+の問題も、エイズパニック時代に通底する根深い要素が複雑に絡み合っていることを今回再認識させられました。一歩ずつゆっくり弛みなく社会に働きかけ改善を目指すことが大切だということ、そして今後もその一翼を自分も担えたらいいなと強く感じさせられました。

「Nothing About Us Without Usの精神に触れて」小林美香(写真・ジェンダー表象研究)

TOKYO AIDS WEEKS2022に性感染症啓発広報に関するオンライン講座の企画でお世話になり、ぷれいす東京の活動に関心を持って参加しました。さまざまな活動・支援・研究に携わる各部門スタッフの方々の報告は学ぶところが多く、「われわれのことを我々抜きで勝手に決めるな (Nothing About Us Without Us)」という障害者権利条約のスローガンと、HIV/AIDSを巡る活動の結びつきを実感しました。

生島さんと池上千寿子さんによるぷれいす東京の歴史、活動の軌跡のお話も興味深かったです。お二人を始め、活動に関わってこられた方々の働きに感謝し、ご苦労を推察すると共に、主に保守層からの性教育・フェミニズムに対する熾烈なバックラッシュがあった経緯を思い起こしました。池上さんが90年代から性教育のリーダーシップを取られてきたらこの国はもっと違っていたのかもしれないとも感じ、これから表現やコミュニケーションの研究・教育を通して、人権教育としての性教育のために私に何ができるかと思案しています。

「1994年、知りあう前の”ぷれいす東京”」マダム ボンジュール・ジャンジ(ドラァグクイーン/NPO法人akta理事/「Living Togetherのど自慢」)

ひさしぶりの対面式報告会!熱気を感じました。後半、池上千寿子さんと生島嗣さん、お2人の長年コンビによる30周年記念トーク。すごく興味深くて、あっという間でした。

今ようやく若い世代のなかでも性教育が話題になってきています。池上さんのお話をもっと多くの人に届けたい!私もまた聞きたい!と強く思いました。今回は30周年のキックオフということで、次回はお2人の続きの話を楽しみにしています。事務所の遍歴を写真で拝見したり、1994年の横浜国際会議開催について、コミュニティ リエゾンの委員長を務めた池上さんから、現場のせめぎあいや細やかで大胆な対応を改めてお聞きして感銘を受け、また元気をいただきました。

私はその国際会議場の屋外でエレクトリックブランケットを体験し、APP(Aids Poster Project)の主催イベントで、様々な国や地域から集まった、HIV陽性であったりそうでなかったりする人たちと一緒にがんがん楽しく踊った経験が、その後のparty「ジューシィー!」や「Living Together」イベントのオーガナイズなどにつながっています。

ありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いします!


※2022年度年間活動報告書はこちらからPDF版をご覧いただけます。
※活動実績(活動実績の概要をA4サイズ1ページにまとめたもの)はこちら

2022年度活動報告会概要

■日 時 2023年5月27日(土)18:00〜20:35

■会 場 新宿区戸塚地域センター7階 多目的ホール

■プログラム

  • 部門報告
    ホットライン / Gay Friends for AIDS / Sexual Health Project/ バディ / ネスト / HIV陽性者への相談サービス / 研究・研修
  • トークコーナー ぷれいす東京30周年キックオフトーク「この30年を振り返って」
    【出演】
    池上 千寿子(ぷれいす東京理事・前代表)
    生島 嗣 (ぷれいす東京代表)

■参加者・スタッフ 62名

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