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エイズ&ソサエティ研究会議・ぷれいす東京共催フォーラム 『地域におけるHIV陽性者支援研究から』開催報告

フォーラム『地域におけるHIV陽性者支援研究から』は2024年4月3日(水)午後6時から、東京・新宿二丁目のコミュニティセンターaktaで開催されました。会場参加者は約30人でした。また、ハイブリッド開催としてYou Tubeによる限定公開があり、こちらも約30人が視聴しています。

今回のフォーラムは2008年から続けられてきた厚生労働科研による『地域におけるHIV陽性者支援のための研究』が2023年度で終了したことから、15年間にわたる研究成果の総括を目的に開かれました。また、2012年以降、研究責任者として研究班を牽引してきた樽井正義慶應義塾大学名誉教授(エイズ&ソサエティ研究会議副代表、ぷれいす東京理事)が2023年1月に急逝されたことから、樽井さんへの追悼の思いも込めた会合となりました。

フォーラムの前半は、一連の研究班の初代研究代表者であり、二期目以降も分担研究者として地道な研究を支えてきた生島嗣ぷれいす東京代表が『地域におけるHIV陽性者支援研究から』と題して基調報告を行いました。
一連の研究の成果は『地域におけるHIV陽性者支援のためのウエブサイト』に報告書およびお役立ちツールとして公開されているので、こちらもあわせてご覧ください。
https://chiiki-shien.jp/

5期15年に及ぶ『地域におけるHIV陽性者支援研究』の各期研究班の活動年・研究課題・研究代表者は以下の通りです。

HIV陽性者・薬物使用者が抱えるメンタルヘルスの課題に焦点をあて、HIV陽性者、薬物使用の当事者、医療・介護や支援組織の関係者との息の長い接触を保ちつつ、支援が予防対策にもつながることを具体的な成果とともに示してきました。

フォーラムの基調報告では、生島代表がコンサートの指揮者のように課題を取り上げ、それぞれの分担研究者や研究の対象となった人たちの証言を引き出していきました。多数の関係者による証言により、HIV対策における地域支援の重要性と研究終了後になお目指すべき課題を示す貴重な時間となりました。

休憩をはさんで後半のディスカッションでは、樽井さんのご遺族からフォーラム参加者に宛てたメッセージが冒頭で紹介されました。メッセージを代読したエイズ&ソサエティ研究会議の根岸昌功代表が途中で思わず声を詰まらせる場面もあり、HIV/エイズ対策分野における樽井さんの功績の大きさを参加者が改めて噛みしめる時間となりました。
(報告:エイズ&ソサエティ研究会議事務局長 宮田一雄)

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