アクティビティー

2024年度 新規ボランティア研修会報告

今年度も新規ボランティアの募集と研修を行いました。

9月7日(土)にオンラインで説明会を行い、32名の参加がありました。研修は、今年も対面で開催し、9月22日(日)と9月23日(月/祝)の2日連続で開催し、それぞれ23名、23名の参加がありました。最終的には、補講の方を合わせて25名が無事に研修を終えました。参加された皆様、お疲れ様でした。すでに、いろいろな部門への参加が始まっていると思いますが、これから細く長く、ぷれいすの活動に関わっていただければと思います。そんな参加者の感想文をいくつか紹介します。
(文責:牧原)

ボランティア研修画像2024 講義

ボランティア研修画像 2024

ボランティア研修画像 2024 r ロールプレイ

参加者感想文

意義ある2日間でした / tomtom

長年ぷれいす東京のプログラムに参加してきて、今年は色々転機の年であったため、これまで支援を受ける側から支援をする側で恩返ししたいと思って、ボランティア研修に参加しました。

参加してみて感じたのは男女問わず世代も色々なことです。ちょっと驚きました。かといって差別されるわけではなく和気あいあいと過ごさせてもらいました。

二日間のワークショップで、まだまだ勉強不足だなと感じることが多かったため、今後ボランティアをしていく過程で学んでいきたいと感じています。

ちょっと体力的には詰め込みで疲れましたが、いろんな方に触れ合えたのはとても良かったと思っています。

講師の方々、ありがとうございました。これから少しずつ貢献していきたいと思っています。よろしくお願いします。

「ぷれいす東京」ボランティア研修の感想  / 後藤勝

今回はボランティア研修に参加させて頂き、ありがとうございました。

研修に参加した目的は、日本のAIDS/HIVの現状、そして「ぷれいす東京」の活動を知りたいと思い、参加させて頂きました。研修を終えてから、自分にできることを考えたい、という気持ちもありました。

2日間の研修の感想は、全体的に見て、とても充実した2日間だと感じました。

初日では、この問題の背景や状況を学んだことで、問題の複雑さや解決策を自ら考える時間となりました。

そして午後は参加者同士が行うワークでした。性を自ら自覚し、共有し合うことで、自分自身のことを確認できた時間でした。

2日目は、医学的な知識や現状をわかりやすく説明して頂き、今まで知らなかった社会的な制度の必要さを、感じた時間でした。

午後は再度参加者が行うワークで、私が演じたのは女性で、HIV感染者の彼氏がいるという設定でした。演じたことで、女性の複雑な気持ちを理解することができたと思います。他の方々の状況も感じることができ、とても貴重なワークでした。

研修の最後にみなさまの感想を聞き、この問題に対する真摯な姿勢を感じられました。

2日間、どうもありがとうございました。

今後は自分自身にできることを続けたいと思っています。

宣誓  /  すー

2日間の研修で得た知識を基礎として、これからの実践からのいくつもの体験を通して、頼りになれるボランティアを提供させて頂きたいと思います。

ボランティアを提供する側と、ボランティアを受ける側という違う立場に違いはあれど、良い意味で同じ土俵に乗り、同じ方向を向き、同じ目線となり、各々の価値観を尊重し、けして自分の価値観を押し付けることなく、マニュアルに囚われることなく各々の個別性を考慮し、長く続けていけるボランティアスタッフになることを誓いたいと思います。

私の希望するボランティアはバディです。一番身近な存在として、いつでも希望に添える存在でありたい。物理的な希望に添うだけでなく、相手の心に寄り添いながら、共に笑い、共に悩み、時に共に泣き合える、そんな存在になりたい。

自分の行動が相手にとって必要とされるボランティアスタッフになることを誓いたいと思います。

いつか私が弱ったときには、宜しくお願い致しますね、ぷれいすさん(笑)

「研修感想文」/ たけし

ぷれいす東京とご縁があって早12年ほどでしょうか。今までは生島さんにご相談させていただくことやネスト・プログラムに参加することがメインでしたが やっと自分の事と同時にボランティアもできるようになった状況で今回応募させていただきました。研修では座学を半分、ワークを半分という感じで二日間、ちょうど良かったです。自分はお世話になっているネスト・プログラムを担当できればと考えています。あくまで通常の仕事が優先ですが、できるかぎり積極的にボランティアにも参加していきたいと思います。

ボランティア研修に参加して  /  ゆうか

Person with …で誰もが当事者であるという点が印象に残った。弱い立場の人と向き合い、共に生きていくことを素敵なことだと思ったし、私が弱い立場になることもあると思うし、無意識のうちに排除的な考え方をしてしまうこともあるかもしれないと思った。

ワークを通して他の人と意見交換できたことはとてもよかった。こんな話題を初めて会った人と話せるのだろうかとも思ったが、参加者の方々が優しく理解のある人ばかりで、素敵な時間を過ごすことができ、感謝している

無関心であったことを反省  / フミ

昨今のLGBTQ+コミュニティをめぐる社会的な状況や、同性婚訴訟、性別変更の要件の手術の要否の問題に深く関心を持つようになり、自分も何か社会が良い方向に向かうための活動がしたいと思うようになりました。そんな頃、東京レインボープライドのぷれいす東京さんのブースで、友人がボラアンティアをしていたことがきっかけで、私も参加してみたいと思い、研修を受講させていただきました。

これまで友人等に陽性者であることを公言する方がいなかったことや、自身が感染リスクの高い行為にはそもそも興味がなかったため、どこか自分の生活の中には関係のない、他人事のようにHIVAIDSのことを認識していました。

東京レインボープライドでのぷれいす東京の展示をみたり説明をきいたりしたことで、無関心のままではいけないと考え始めました。そして研修を受講して、改めて「既にLIVING TOGETHERである」ことが身に染みてわかりました。自分が視野が狭く見えていなかっただけで、本当に色々な人々と常に一緒の世界の中で、日本の中で、身の回りに中にで、共に生活をしていて、既にLIVING TOGETHERなのだと痛感しました。

研修では、これまでの医学的な知識と歴史、社会的な偏見の歴史など様々な知識を得たり、陽性者の手記をみんなで読み、感想の共有をしたりなど、参加者の方や自分の言葉で声に出して話すとても充実した時間となりました。私のように、無関心であった層にも興味を持ってもらえるよう、これから活動していきたいと思います。

講習会を体感して   / 未来

研修に参加して、さまざまな理由をもってボランティアへ参加されていることを知る。この病気で苦しむ人たちに寄り添いたい人、身近に苦しむ人へどのような接し方が正しいことなのかを学びに来てる人、当事者としての悩みをぷれいす東京で発信したい人など多様であった。講習会のロールプレイでは、演じた人たちのそれぞれの感性を肌で感じながら、このような考えもあり、あのように感じることもあるものだと、思いもしない考えに出会えた学びだった。また、コロナのときのような画面越しだけでは感じることがないコミュニケーションの様子もうかがえる。細かな顔の表情をみて考えながら話したり、寄り添えることができる雰囲気であった。会話のつながりから演出されるアドリブが生の声としてリアリティ感を引き出している。それぞれに答えがないなかで、グループで答えを求めて発言していき、新たに「知る」ことや「知っていく」こと、そして「気づく」こと「気づかされる」ことでもある講習会だった。20人以上が集まるボランティアメンバーは誰一人重ならない性格の持ち主であった。その中で、共感できる人もいればできない人もいる。司会者の言葉に真剣に耳を傾ける人がいれば、楽しみながら場を過ごす人もいる。それぞれの自分にはない人間性をお目にかかることで、自身が感じながらどのように対応していくか考えられた参加講習であったような気がする。

2024年のボランティア研修に参加して  / ゆうだい

まずHIVや性感染症、制度や社会サービスについて、改めてレジュメを見ながら講師の方に教えていただくスタイルで学べたことで、独学で学ぶより記憶や印象をより強く持つことができたと思いました。

またグループワークでは、まず性行為やHIVに関しての自分の知識や想像力の不足と、自分が否定的な無意識のバイアスを持っていることに気づき、ぷれいす東京でクライアントの方と伴走していくにはもっとそれに対して豊かに、そして肯定的に捉えていくという必要性を強く感じました。

日常ではなかなかできない、様々なHIVなどに関わる方たちと同じ場と時間を共有できたことは、有り難く、貴重な経験であったと思います。

また研修が進んでいくにつれ、自分がぷれいす東京に関わるという当事者性を徐々に強く感じるようになったことは、研修に参加した大きな収穫だと思いました。

自分は地方在住なので、今のところは積極的な関わりは難しいですが、この研修を経験して得た学びと気づきと、コンパッション溢れる同期の存在を胸に、まずはゆるやかな関わりを長く持っていきたいと思っています。

多くのことを学べました / DT

私はHIV陰性の30代ゲイです。自分がゲイだと自覚してから、HIVは常に心配の種で、偏見に基づく恐怖に囚われていました。ようやくHIVと冷静に向き合えるようになったのは2022年にU=Uの概念を知ってからのことです。過去の私と同じような恐怖を感じている人たちに最新の正しい情報を知ってもらいたいという思いでボランティア研修に参加しました。

濃密なスケジュールでしたが、新たな発見だらけの二日間でした。

特に印象に残ったのはロールプレイです。自分のことを直接指摘されると感情的になって受け止められなかったりすることもありますが、他者を演じることで自分のコミュニケーションの癖について素直に見直すきっかけになったと思います。

また、様々な立場からHIVに関心を向ける他の参加者の皆さんとの交流の中で、自分にできることは何なのか、どのような形でボランティアに関わるのが正解なのか等、いろいろなことを考えました。まだ答えは出ませんが、独善的にならず、知識と技術を高めて自分なりの貢献ができるようになりたいと思っています。

研修に申し込むときは少し悩みましたが、参加して本当に良かったと思います。

病気と向き合うこと  /   DAI

感染して2年たち、病気のこともいい意味でも、悪い意味でも慣れてしまったような、

何かこのままでいいのかというもやもや気持ちから思い切ってボランティアに申し込んでみました。

研修の2日間では知識のインプットから、ワークショップによるアウトプットを行い、病気を社会制度的な話から病理学、心理学など、様々な視点から見ることができました。

様々な境遇の方が参加しており、そうした方々と意見を交わしながら、共感したりや新たな視点をいただいたり、非常に貴重な機会をいただいたと感じでいます。

こうした研修の中で、申し込むきっかけとなったもやもやがすこし薄くなったような気がします。

これからはボランティアの活動を通して、病気と向き合えるようになれればと思っています。

また 会いたいと思う仲間   / UY    (専門家枠での参加)

HIV/AIDSについては、机上での知識と、唯一カミングアウトをしてくれた友人の話が今までの私の知識のすべてでした。

私は当事者(友人)の苦しみ、痛みを何もわかっていないのではないか? それが今回この研修に参加を決めた大きな理由でした。(専門家枠で参加)

HIV/AIDSの治療や予防の進歩は目を見張るものがある。しかし社会の病としてのHIV/AIDSには治療薬は全く効かない。」池上先生の言葉が胸に刺さりました。

1981年からのHIV/AIDSパニックは、人々が恐れるあまり、この病は自分とは関係がない、特別な人間が自業自得でかかった病と理解され、性の問題と関係するがゆえに大きなスティグマとなってしまった。これはその時代を知る私自身の深層心理にも刻み込まれたことを認めなくてはいけない。

地方では、数年前まで誰一人として出会っていなかった当事者の方。いや、見えていなかっただけ。自分自身が自分とは距離を置き、見ないようにしていた社会そのものだと感じました。

ボランティアとして活動するために参加された当事者の方々が、「毎日 薬を飲む時だけ、自分がHIV感染者なのだと自覚する。そのほかは今までと全く変わり無いんです」とにこやかに話されたときには、しっかり治療すれば「死の病」ではないんだと確信できました。そして、学ぶためを目的に参加した自分を、「参加をしてくれて 嬉しい」と受け入れてくれました。

どうしましょう、また皆さんに会いたくなった自分がいます。

2024年度新人ボランティア合同研修の主な内容

第1日目 9月22日(日) 社会的な背景
医学的基礎知識(1)
セクシュアリティの多様性
セイファーセックス・リスクアセスメント
手記を読むワークショップ
制度や社会サービス
第2日目 9月23日(月・祝) 医学的基礎知識(2)
ネスト・プログラムの取り組み
相手のある保健行動

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