アクティビティー

「TOKYO AIDS WEEKS 2024」報告

TOKYO AIDS WEEKS 2024
今年も12月1日の世界エイズー前後の期間(11月15日~12月15日)にTOKYO AIDS WEEKS 2024を開催し、オンライン・ハイブリッド・会場開催あわせて、のべ30の参加がありました。ご参加いただいたみなさま、ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。また、開催にあたり、ヴィーブヘルスケア株式会社に協賛をいただきました。この場をお借りして、お礼を申し上げます。

各イベントの報告がTOKYO AIDS WEEKS 2024 開催リポートに掲載されています。現在もYouTubeなどでご覧いただけるものもありますので、ぜひご覧ください。

ぷれいす東京/TOKYO AIDS WEEKS 2024は、以下のイベントを開催/共催しました。また、RED RIBBON LIVE 2024に出演したKazuyaさんから感想文をいただいたのでお読みください。

「池上千寿子 presents 性教育今昔物語」

池上千寿子 presents 性教育今昔物語
日  時: 2024年12月5日(木)18:30~19:30
開催形式:YouTubeぷれいす東京チャンネルでLIVE配信
語り手: 池上千寿子(認定NPO法人ぷれいす東京 理事(前代表))
聞き手: 丸井淑美(日本赤十字秋田看護大学 看護学部)

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1990年代のはじめ、教育現場では性教育に対するさまざまな課題があり、当時小学校の養護教諭をしていた私は、HIV/エイズ教育を含む性教育をどのように進めたらよいか迷っていました。池上さんの講演会で初めてお話を伺ったのは丁度そのころで、テーマはHIV/エイズと性教育。その内容は私の性に対する価値観を大きく揺さぶり、性に関する科学的で正確な知識の重要性に気づきました。池上さんの言葉に感動し、この分野で行動を起こすきっかけとなったのです。その後、ぷれいす東京の活動にも加えていただき、様々な取り組みをとおして、多くのみなさまと出会う機会に恵まれました。

2024年12月のインタビューで池上さんとお会いし、50年にわたる性教育の歴史や、科学的根拠に基づいた性教育の普及に尽力されてきたその歩みを伺いました。特に、1970年代のフェミニズム運動から始まる女性の意識覚醒や、1980年代のエイズ教育普及への挑戦に関するお話は、現在の包括的性教育(CSE)にも通じるものであり、改めてその先見性に驚かされました。

池上さんは、「性の健康は、関係性における平等や公平、自他の尊重なしには守れない、これこそ基本的人権。」と語られています。この言葉は、性教育を通じて誰もが安心して生きられる社会を目指す活動において、重要な指針となると思います。池上さんとの出会いを通じて学んだ「共に生きる社会の重要性」を胸に、非力ながらこれからもこの活動を広める一員でありたいと考えています。(報告:丸井淑美)

法律改正で変わるあなたのゲイライフ:知っておきたい新たな性的同意

法律改正で変わるあなたのゲイライフ
■日時 2024年12月9日(月)19:00-21:00

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イベント企画と司会を担当しました。昨今「性的同意」が話題にあがるのは異性間においてが中心でした。一方、LGBTQにおける性的同意はこれまで触れられる機会がほとんどありませんでした。そのような背景もあり、今回、MSMにおける性的同意をテーマにイベント企画・開催に至りました。
企画当時はどのくらい参加申込があるか未知数でしたが、当日は嬉しいことに28名もの参加がありました。
イベントは、性的同意に関するケースをもとにグループで話し合い、専門家に解説していただくという流れで進行しました。
ケース制作においては、ゲストのTENさん(GOGO BOY)の経験をもとにさせていただきました。そのおかげもあり、参加者自身も性的同意を自分事として考えられる貴重な機会となった様子でした。
そしてもう一人のゲスト、弁護士の山下敏雅さんには、法律に関する解説をしていただきました。わかりやすく、かつユーモアも交えながらの解説に、参加者の皆さん聴き入っているのが印象的でした。
性行為というのは、本来、お互いがお互いのことを思い合って行うコミュニケーションの一つと言えます。
当たり前のことではあるのですが、どんな時・場面であったとしてもお互いの意思を尊重する事が重要であることを、私自身、今一度再確認できるイベントとなりました。参加者の皆さんも、それぞれの気づきや学びを得られた様子でした。(報告:ピロ)

キックオフ、歴史アーカイブプロジェクト。

■日時 2024年11月22日(金)22:00 公開
お話:shoさん
聞き手:生島嗣(ぷれいす東京)

ぷれいす東京周囲の人たちの、HIV/エイズに関連した経験や思いを映像で記録し、公募した手記をアーカイブ化する「HIV/エイズの歴史アーカイブ・プロジェクト」のキックオフとして、歴史アーカイブとは何かをshoさんにお聞きしました。

TOKYO AIDS WEEKS 2024 合唱ミニコンサート

■日時 2024年11月30日(土)
■TOKYO AIDS WEEKS 2024/第38回日本エイズ学会 学術集会・総会 共催

「確かな空に」(加藤力也 ぷれいす東京ネスト・プログラム・コーディネーター/TOKYO AIDS WEEKS CHOIR事務局)

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TOKYO AIDS WEEKSで合唱イベントを行うのは2019年以来5年振りのこと。以前はゲイ・コーラスとして参加者をゲイ・トランス男性に限定していましたが、この復活を機にセクシュアリティやジェンダーの条件を全て外しました。その結果、より多様な方々が集まってくださり、過去最多の約60名という規模になりました。

わずか数回の練習で迎えた本番。今回は日本エイズ学会の場に学会参加者向けと市民公開向け、2つのステージを設けて頂きました。
学会参加者向けでは時間の都合上2曲、市民公開向けでは4曲全てに加えてアンコールとして「上を向いて歩こう」も歌いました。
「ディズニー・メドレー」の中の何曲かを作詞したハワード・アッシュマンがHIVで亡くなり、パートナーが代わりにオスカーを受け取ったエピソードも語られました。「大空」はHIVに関する手記から生まれた札幌のユニット「ときどき通信」の楽曲ですが、志半ばで逝ってしまった方々の想いを歌声に乗せることができたのではないかと思います。ステージの上でも観客席でもたくさんの涙が見えましたから。

終わってしまえば本当にあっと言う間。怒涛のような1日は、大きな充実感と疲れと共に過ぎました。当日行われた打ち上げが盛り上がったのは言うまでもありません。規模が大きくなった分、運営にも苦労はありましたが、参加してくださったメンバーがとても協力的で非常に助かりました。来年以降も継続して開催したいと考えています。その際にはまた澄んだ「確かな空」をみんなで見たいと思っています。

「楽しんで、考えて、手渡される」大友“ぐみ”香果子(プライドハウス東京レガシー 運営スタッフ)

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TOKYO AIDS WEEKSで合唱メンバーを募集してる!しかも今回はセクシュアリティやジェンダーに関わらず誰でも参加OKだって!

募集のチラシを見て申し込むことを迷わず決意。以前に聞いたGay Men’s Chorus for TOKYO AIDS WEEKSの歌声が忘れられず、機会があれば参加したいなぁ…とずっと思っていたのだ。そして迎えた練習初日。LGBTQ+がほどよく混ざり合った編成になるのかな?という予想は外れ、内心(うっわ…めっちゃアウェー感…)とびびったのは一瞬。合唱という共通の「好き」でつながった団の雰囲気は驚くほど暖かく、安心して練習に臨むことができたことを嬉しく思い出す。

短くも密度の濃い練習を経て、いざ本番。思えばこれまでの人生の中で一番HIV/エイズのことを考えた時間だったと思いいたる。そして、自分たちの合唱で涙している観客を目にしたとき、歌声を届けていたつもりが、さまざまな「想い」を手渡されてもいるんだ、と気づいた。

歌い終えた気持ちをどう表現したらいいだろう。充実感、達成感、多幸感。どれもあっているけどちょっとだけ違う。一つだけ言えるのは、来年もまた参加したい、ということ。

「大きな合唱の輪に入って」かつ(50代男性GAY)

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朝の合わせ練習からずっと感動してました。色々な感情が一気に込み上がって来て溢れてしまいました。

当日のみの参加となり、楽譜も不揃いのまま、MAPを辿りながら何とか到着したら、ホントに大人数のクワイヤー。同じ音楽空間を共有できる人が、こんなにたくさんいる。この人たちは毎日何を考えて、音楽やセックスをどう捉えているんだろう?

よく考えて作編された素敵な楽曲ばかり。まさに自らの身体と心から出てきたオリジナル曲を歌いながら、若い頃の自分とも重なり、もう涙が止まりませんでした。

丁度いくつかの感染が重なり状態も不安定な中で、残り1枚のチラシに目が止まったのが今回の参加のきっかけでした。仕事も有り遠方なのでどうしようかとギリギリまで迷いましたが、参加させていただけて本当に良かったです。ありがとうございました。

若い頃はかたくなに誰にも告げずに生きて来て、大小アクシデントは起きながらも、今はカムアウトも自然に任せています。地元に留まることを決めてもう随分と経ってしまいました。これから生き方や恋愛セックスでどう変わるかは未だわかりません。でも今回のクワイヤーで皆さんの中で歌えたことが、安心や自信に繋がっています。また参加させてください。

「歌から伝わってきた“熱”」鹿島 真人

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特に知り合いから誘われたでもなく、定期的に検査に行く病院で「合唱メンバー募集」のチラシを見つけたのは、本番の半年ほど前でした。今回初めてこの合唱に参加して、体が震えるような感動を味わいました。実は、練習でも本番でも、歌いながら何度も泣きそうになりました。私は元々音楽が好きで、自分でもピアノを弾きますし、クラシックのコンサートにもしばしば行きます。でも、今回のように、大勢のみなさんと、当事者コミュニティという立場で、たくさんの「思い」や「熱」を共有しながら歌えたことは、これまでと全く違う体験でした。多少、音程が違っていても、リズムがずれても、それよりも「思い」や「熱」によって伝わるものがあるのだと。それは歌っている自分自身にも十二分に響いてくるものでした。本番の演奏では、これまでHIVやエイズへの偏見に対して多くの人が戦ってきた歴史の積み重ねと、コミュニティの力、それを伝えるための思いのこもったストーリーがありました。その一端に私も参加させていただけて、とても光栄でした。ありがとうございました。

●HIV/エイズ スタディ・バスツアー

■2024年11月23日(土・祝)収録 12月26日(木) ロングバージョン公開
■主催 TOKYO AIDS WEEKS 2024

新宿区内で日頃からHIV感染症対策に取り組んでいる新宿区保健所、akta、ACCをバスで巡るツアーを2015年以来久しぶりに敢行しました。その模様を収録したショートバージョンを日本エイズ学会の会場で公開、12月26日には、ロングバージョンを公開したので、ご覧ください。

●NOT ALONE CAFE MEETS RED RIBBON at EAGLE TOKYO BLUE〜モンゴル交流会

■日時 2024年12月1日(日)14:00-17:00 @EAGLE TOKYO BLUE
■主催 NOT ALONE CAFE TOKYOTOKYO AIDS WEEKS 2024

世界エイズデーのこの日、モンゴルから来日したYourth for Health Centerのミーガさん、バニティさん、ビルグンさん、東京から、ラビアナさん、アクセルさんにも参加していただき、素敵なパフォーマンスとともに、アジアの視点でエイズを考えました。
詳細はこちらをご覧ください。

●上映+トーク 【赤色で思い出す…】Day With(out) Art 2024

■日時 2024年12月6日(金) 19:00- @ポレポレ坐
■主催 ノーマルスクリーンTOKYO AIDS WEEKS 2024

30年以上続く企画[アートの(ない)日]にあわせ、ニューヨークのアート団体Visual AIDSにより世界からあつまった映像7作品が世界同時公開されました。日本でも東中野で初上映し、中村キース・ヘリング美術館 主任学芸員の田中今子さんとHIV陽性を公表しながら活躍する俳優の福正大輔さんをゲストにトークを行いました。
参加 約35名
報告は、こちらをご覧ください。

こちらのページで全編ご覧いただけます。→ https://normalscreen.org/events/dwa24

●RED RIBBON LIVE 2024 出演者より

「世界に目を向けると、1人じゃないって思えた」Kazuya

毎年視聴を楽しみにしていた企画、RED RIBBON LIVE。

まさかここに出演者として参加する日がくるなんて想像もしていなかった。僕は事前収録での参加となりレモンさんと収録。夢のような感覚だった。でも目の前にいるレモンさんは情熱的で、熱すぎて「どうしてこの人はこんなにもHIV/AIDSの啓発活動に協力的なんだろ?」と思ったほど。おかげで落ち着いて伝えたいことは話せた。

公開当日、この日こっそり僕も会場に入り、LIVEを眺めていた。会場に向かう時、「あの収録が公開されたら、周りから自分へ向けられる目はなにか変わるのか?」と突然ドキドキして手から汗が止まらず吐きそうになった。でも、LIVEが始まり、アーティストの方々の音楽を聴いていると変なドキドキは治まり、心地よく音楽を楽しむ自分がいた。音楽の力ってすごい、って思った。

僕が話した経験が誰か、必要な方に届くといいな。苦しくて、悔しくて、涙を流す時もあるかもしれない。それでも、世界のどこかに優しくあなたを気にかけてくれる人が絶対にいるから。

RED RIBBON LIVE 2024の報告は、こちら

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