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“エイズ”BOOKフェア選書一覧

2025年11月22日から12月9日に東京・東中野のPlatform3にて、TOKYO AIDS WEEKS 2025の一環として“エイズ”BOOKフェアが開催されました。
多くの方々にご好評をいただき、無事に会期を終えることができました。
会場まで足を運んでくださった皆さん、ありがとうございました!

“エイズ” BOOKフェア
会期 2025年11月22日(土)〜12月9日(火)
会場 platform3(東京都中野区東中野1-56−5 ホシノビル 401号室)
主催 TOKYO AIDS WEEKS 2025、loneliness books
選者 大島岳、宮田一雄、東海林毅、坂上香、砂川秀樹、しょうぷ、篠井英介、遠藤まめた、
ヒラク、大塚隆史、木津毅、池上千寿子、生島嗣、イシヅカユウ、アキラ・ザ・ハスラー、
マダム・ボンジュール・ジャンジ、染矢明日香、北丸雄二(敬称略・順不同)
選書を引き受けてくださった方々、ならびに会場を提供してくれた共催のloneliness booksにこの場を借りて御礼申し上げます。

“エイズ”BOOKフェア

選者:大島 岳|選書:『HIVとともに生きる 傷つきとレジリエンスのライフヒストリー研究』

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大島 岳 著 2023年 青弓社
2020年提出の一橋大学大学院博士論文を元にした社会学・社会調査の学術書です。一見厚いですが、分かりやすい内容ですのでぜひ手に取っていただけると嬉しいです!
多くのHIV陽性の先輩方にお話を聞かせて頂きました。一生大事にしたい「生きるための理論」が盛りだくさんです。その意味で、この本自体がHIVとともに生きることの記憶を伝え、ともに生きるための研究成果の一つとなります。是非お読みいただけると幸いです!!

選者:宮田 一雄|選書:『NO TIME TO LOSE エボラとエイズと国際政治』

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ピーター・ピオット 著 2015年 慶應義塾大学出版
国連合同エイズ計画(UNAIDS)初代事務局長、ピーター・ピオット博士の自伝。1995年のUNAIDS創設の裏舞台も詳しく書かれている。30年を経た現在、「UNAIDSは2027年に落日を迎える」と国連事務総長報告で指摘され、米国のトランプ政権再登場に伴う地政学的変化の中で解体の危機に追い込まれ、世界のエイズ分野のコミュニティ組織から「UNAIDSをつぶすな」という声が起きている。その背景を知るうえでも貴重な一冊。

選者:東海林 毅|選書:『デレク・ジャーマンの庭』

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デレク・ジャーマン 著 2024年 創元社
僕が初めての自主映画を作ろうとしていた19歳の頃、その年エイズに倒れたデレク・ジャーマンの追悼上映が東京のあちこちで行われていました。映画『ザ・ガーデン』と出会ったのはそんな時でした。この寂寥たる庭の風景と映画の叫び声のようなショットの鮮烈なコントラストはずっと僕の心の底にこびりついたままです。

選者:坂上 香|選書:『わたしたちが沈黙させられるいくつかの問い』

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レベッカ・ソルニット 著 2021年 左右社
「沈黙は金」と教えられてきた著者レベッカ・ソルニットは、「沈黙は死」をスローガンに掲げ、社会の常識をひっくり返したアメリカのクィア活動家のエピソードで本書を始めている。やはり「沈黙は金」を叩きこまれてきた私は、テレビ番組の制作を始めたばかりの90年代初頭、アメリカのあちこちで、このスローガンを掲げたポスターやTシャツを着た人々を見かけて刺激を受け、当時沈黙を強いられていたHIV/AIDS関連の取材に至った。本書は、わたしたちに必要なのは、沈黙という呪縛への気づきと、そこから解き放たれるためのアクションと連帯だということを痛切に感じさせてくれる。

選者:砂川 秀樹|選書:『The Quilt Stories from the Names Project』

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Cindy Ruskin 著 1988年 Pocket Books
HIV/AIDSが患者数や死亡者数で語られる中、ひとりひとりの人生をゆかりのものを縫いつけて表したのがメモリアルキルトだ。1991年には、米国のキルトを日本各地で展示するツアー企画され私も関わった。日本で作られたキルトは、血液製剤による感染をめぐる裁判を実名で闘った赤瀬範保さんのものと、やはり同じ血友病の方と彼から感染した妻のイニシャルだけのホワイトキルト2枚。薬害による感染、逝去も隠さなければならない時代だった。

選者:しょうぷ|選書:『知られざる結末、斬新な幕開け』パンフレット

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2019年 ノーマルスクリーン
アメリカのアート界を中心に注目されるブラックのアーティスト8人が参加したVisual AIDSによる映像集のアーティストインタビュー集。
HIV/AIDSの影響を強く受けながら語られることの少ない、黒人コミュニティの経験に焦点をおいた切実な話が語られている。
それを日本語に翻訳し、さらにそこに登場する固有名詞などについて解説つき。
アメリカのブラックカルチャー/クィアカルチャー/HIV/AIDS/アート が交わる複雑な経験について読める貴重な小冊子。
参加アーティスト:
ミッキー・ブランコ|シェリル・デュニエ|レイナ・ゴセット|トーマス・アレン・ハリス|キア・ラベイジャ|ティオナ・ネキア・マクロデン|ブロンテス・パーネル

選者:篠井 英介|選書: 舞台『ジェフリー』(Jeffrey) パンフレット

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1995年 PARCO劇場
[自由な恋愛]も[自由なセックス]も謳歌したい若者。だが周りの男達はどうも腰が引けている。世はAIDS旋風の盛り。ゲイの男達はどう感じ、どう生きようとしたか!?
徹底的にコミカルにシュールに、笑いと悲哀をまとって物語はどうなる?
この作品に参加出来たこと、思い出深い日本初演です。
映画版は今配信でも観られなくて残念。
YouTubeにあるかもしれません。

選者:遠藤 まめた|選書:『Miss Major Speaks Conversations with a Black Trans Revolutionary』

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Miss Major 著 2023年 Verso Books
つい先日、78歳で亡くなったミス・メジャーの生涯が綴られた本。黒人のトランス女性であるメジャーは、家族から追い出され路上や刑務所で生きる数えきれないトランスの人たちからママと慕われた。ストーンウォールの生き証人、米国の刑務所システムへの批判、エイズ危機のときにはセックスワーカとしての仕事がなくなったトランス女性を組織化し陽性者の看護を行った。SFで薬物依存症者への針交換を始めた人としても知られる。同世代のトランスの人々はみんな若くして死んだ。彼女の生き方が晩年になって脚光をあびたことは、トランスの人たちが犠牲や死によってだけ記憶されなかったことの証であり、それ自体が希望だと筆者は語る。

選者:ヒラク|選書:『I’ll Never Write My Memoirs』

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Grace Jones 著 2015年 Gallery Books
80年代のアート・ファッションカルチャーの中心的な人物として活躍したグレイス・ジョーンズによる自伝。時代を共に生きたキース・ヘリングやリチャード・バーンスタインなどといった「戦友」たちをエイズ・エピデミックにより次々と亡くしてくなか、自身の代役を失う。その当時の様子を弾丸に例え、痛みがほとばしる様に綴っている。

俳優でモデルのアンジェロ・コロンは私の代役だった。彼は28歳の時にエイズで死んだ。ときどき私がいないときに泊まり、私のベッドで寝ていた。それで私は思った——私も危ないかもしれない。『これはきっと私にも起こる。代役が死んだ。次は私だ。』と信じ込んでいた時期があった。それは天からなのか、それとも地獄からなのか、はっきりとしたお告げのように思えた。あちこちで無差別に銃弾が飛び交い、その何発かは私の肌をかすめていった。

選者:大塚 隆史|選書:『危険は承知 デレク・ジャーマンの遺言』

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デレク・ジャーマン 著 大塚 隆史 訳 1995年 河出書房新社
自分のセクシュアリティを徹底的に愛し、受け入れ、それを抑圧するものに怒りを持って戦い続けること。それがこの本の肝です。1942年に生まれ、94年にエイズで亡くなった、英国の映画監督デレク・ジャーマン。彼がこだわり続けたクイアとしての人生が、イメージの断片を重層的にコラージュする手法を使って、力強く語られています。性的マイノリティとして、HIV感染者として、不当なスティグマを押し付けられながらも、敢然と生き、そして創作し続けた作者の熱い生き様に触れてください。

選者:大塚 隆史|選書:『二人で生きる技術』

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大塚 隆史 著 2009年 ポット出版
日本でも同性婚の実現も夢物語ではなくなってきましたが、50年ほど前はゲイは精神を病んだ性的逸脱者で、長い愛情関係を育めない惨めな人間なのだと思い込まされていました。そんな遠い時代から、男性同士のパートナーシップを求め続けてきた僕自身の半生を時系列に書き綴った本です。そこには、治療法もない時代にパートナーをエイズで亡くした経験も描かれていて、HIVを巡る時代の変化も映り込んでおり、この企画展にぴったりな本だと思います。

選者:木津 毅|選書:『ひとりの体で』上・下

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ジョン・アーヴィング 著 2013年 新潮社
アメリカの小さな町で育ったバイセクシュアルの少年。この小説では彼の半生が回顧的に語られるのですが、それがクィアの現代史と重なっていきます。1980年代、レーガン政権の到来とともに立ちのぼる死の匂い。それでも彼らが……いや、わたしたちが、愛し合い、手を取り合って、闘った時代のことが讃えられるのです。アーヴィングらしい人間味溢れる人びとが織りなす物語は、わたしたちの時を超えた繋がりを祝福するのです。

選者:池上 千寿子|選書:『世界はエイズとどう闘っててきたのか 危機の20年を歩く』

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宮田 一雄 著 2003年 ポット出版
エイズ発見から20年、2001年国連エイズ特別総会が開催された。一つの疾患がテーマの国連総会は前代未聞、さらに政府代表団に市民社会が参加したのも前例がない。感染や健康という私的な課題が、個人はもとより社会のひいては国際社会の大課題だという認識を生み、政治を動かした。その原動力は当事者と市民社会の地道な活動であったことをドキュメント風に展開してくれる本。忘れてはならない歴史を知り伝えるための格好の書。

選者:生島 嗣 |選書:ランディ・シルツ インタビュー(CUT 1994年1月号 No.26 より)

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ギャリー・ウィルズ 著 1994年 ロッキング・オン
1994年1月号の音楽雑誌『CUT』に掲載されたランディ・シルツのロングインタビュー。彼は1981年、サンフランシスコ・クロニクルの記者として採用され、「ゲイの病気」との偏見から政府も医療機関も対策を怠る状況に強い怒りを抱き、誰よりも早くエイズ取材を始めた。著書『そして、エイズは蔓延した』では、発生初期の混乱や、バスハウス閉鎖を巡る専門家とコミュニティの対立を詳細に描く。執筆中、彼はあえてHIV検査を受けなかったという。

選者:生島 嗣|選書:『テイキング・ターンズ HIV/エイズケア371病棟の物語』

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MK・サーウィック 著 2022年 サウザンブックス社
いわゆる”エイズホスピス”の日常を描いた本書は、筆者が1994年〜2000年までに実際に勤務していたエイズ病棟での、看護師としての経験が下敷きになっている。さすがに、ディテールの描写はかなり正確でびっくりする。生島も1995年前後に東京都立駒込病院のHIV病棟でボランティアとして、様々な人たちを訪問していた時期があり、当時のことを思い出した。まさに、本書のタイトルどおり「人は誰しも変わりばんこ」でした。

選者:生島 嗣|選書:『エイズで死んだ父へ』

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スーザン・バーグマン 著 1997年 晶文社
本書は、エイズで亡くなった父との関係を辿るノンフィクション回想録です。保守的なキリスト教家庭に育った著者は、父の死後にゲイとして生きた父の知られざる生活を知る。葛藤しながらも、父を理解し直そうとする痛みを伴う過程を通じて、愛と赦し、そしてエイズ流行期の現実を描き出す。

選者:生島 嗣|選書:『Quiet Storm 静かなる嵐 HIV/エイズとたたかう人々の勝利のために』

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国連開発計画(UNDP) 2004年 ポット出版
本書は20年前、アジアのHIV陽性者を支えるために制作されたファンドレイジング冊子です。家族との関係を重んじ、顔を出して語りにくい文化の中で、偏見や孤立、治療格差が大きかった時代を生きた当事者・家族・支援者の声が丁寧に記録されています。日本からは長谷川博史さんを含む数名が参加。長谷川さんはアジアの当事者の声を国境を越えてつなぐ役割を担っていました。

選者:生島 嗣|選書:『フレディ・マーキュリーと私 Mercury and me. 』

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ジム・ハットン 著 2004年 ロッキング・オン
フレディのパートナーだったジム・ハットンが、出会いから最期の日々までを綴った回想録。音楽ビジネスの華やかなステージ上の姿とは対照的に、プライベートでの穏やかな時間やユーモア、病と向き合う不安や葛藤、そして支え合う二人の深い絆が描かれています。フレディの最期を看取ったジム自身も、のちにHIV陽性だったことを明かしています。

選者:生島 嗣|選書:『ある日、ワタルさんはエイズになった。』

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岩田 健太郎 著 2011年 中外医学社
感染症専門医・岩田健太郎が絵本の作者という意外性で買った本。穏やかな日常が淡々とながれていくなか、免疫が低下した状態からの回復途上にあるワタルさんの日常が描かれている。彼氏がいるのだが、突然、連絡が取れなくなる。あとがきで岩田氏は、人それぞれの解釈に委ねると書いている。

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