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「つなぐ・ひろがる・支えあう 全国HIVピアサポート交流会」報告

「つなぐ・ひろがる・支えあう 全国HIVピアサポート交流会」報告
HIV陽性者「全国ピアサポート円卓会議」2026年度の歩み

「全国ピアサポート円卓会議」は,日本各地でピアサポートに取り組む団体と個人が集まる会議体である.UNAIDSの掲げる「誰も置き去りにしない」ために連携することを目標に,2023年11月の第1回に9団体で始まった。2024年9月の第2回では13団体に広がり,2025年6月には協働の輪を全国のコミュニティセンターにまで伸ばして、18団体36名がコミュニティセンターaktaに集まった。同年10月の第4回会議を経て、11月には山口宇部で「HIV陽性者と医療者の声」を開き,声を出しにくい地域で陽性者と行政・医療者とのつながりを築いた。この積み重ねから、各地の窓口を紹介するパンフレット「全国ピアサポート案内」が生まれ、病院・保健所・コミュニティセンターで配布されている。

一方で,若い世代に届きにくいこと、日本海側や離島など資源の少ない地域との差が残ることは、会議のたびに課題として挙がってきた。2026年度は1月からオンラインで話し合いを重ね、この課題に応えるべくSNSを活かした広報を進めてきた。

6月6日(土)18時30分から20時30分まで、TOKYO PRIDE 2026の前夜に、第5回となる「つなぐ・ひろがる・支えあう 全国HIVピアサポート交流会」を新宿区戸塚地域センターで開いた。当事者・支援者・医療者ら30名が集まり、8団体が各地の実践を報告した。陽性者だけでなく支援者や医療者もともに参加することをふまえてグラウンドルールを作り直し、まず全員が一言ずつ自己紹介をしたうえで、グループに分かれて交流する時間を取った。短い時間ではあったが、一人ひとりが声を出す機会を持ち、地域を越えたつながりが深まった。

翌7日のパレードでは,aktaとともに「#UpdateHIV」フロートとして歩いた。亡くなった人びとをしのぶメモリアルキルト・ジャパンと,いまを生きる陽性者とが、ともに並んで進んだ。前年のパレードでは陽性者15名を先頭に250名が隊列を組み、U=Uを掲げて公道を歩いている。歴史の記憶といまの生とを同じ隊列に並べることが、この二年の取り組みを貫いてきた。

8月29日には,東海地域の当事者団体LIFE東海との共催で「老後に備えるための勉強会」を名古屋医療センターで開く(JaNP+協力)。当事者・医療者・医療ソーシャルワーカーとともに、高齢期の課題を考える。長く生きることが当たり前になったいま、老後の暮らしは陽性か陰性かを問わず共通の課題として現れている。

円卓会議を起点とする全国のつながりは、オンラインと対面での会議、地域での開催、パレード、学習会を積み重ねながら、当事者・コミュニティセンター・医療福祉職を結ぶ息の長い土台へと育ってきた。本年は、過去を記憶し、いまを生き、これからを生きようとする人びとの姿を結びつけ、高齢期という新しい課題にも取り組むことができた。それでも、地域による差、若い世代への届きにくさ、運営を支える資源の不足は残されている。参加への助成やさまざまな手段による発信を、地道に整えていきたい。

医療や福祉に携わる方には、診断のときや外来で「こういう場もあります」と一言添えていただくこと、院内にリーフレットを置いていただくこと、研修や勉強会にご協力いただくことをお願いしたい。各地のピアサポートの窓口は、ぷれいす東京Webサイトの「全国ピアサポート円卓会議」のページとパンフレット「全国ピアサポート案内」で紹介している。ネスト・プログラムの活動もますます幅が広がっており、これを機にぜひご参加をお待ちしております。 報告 大島 岳(ネスト・プログラム コーディネーター)

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