スタッフ日記

ディズニー・メドレーとHIV/AIDS

11/23の合唱でも、ディズニーのメドレーを歌う予定だ。
この中でも取り上げられている楽曲の作詞家を紹介する。

ハワード・アッシュマンは、『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』、『リトル・マーメイド』、『アラジン』、『美女と野獣』に作詞家として参加し、作曲家のアラン・メンケンとともに数々の名作を世に送り出した。

ハワードは、亡くなってから『美女と野獣』で2度目のアカデミー賞を1992年に受賞した。式典では、既に故人だったので、パートナーのビル・ローチが代わってオスカー像を受けた。そのスピーチの中でパートナーのハワードがエイズで亡くなったこと。周囲のサポートを受けながら、最後まで創作を続けたことなどを話している。
ぜひ、動画をご覧ください(3:42〜)

アッシュマンは、1980年代半ばにHIVと診断された。メンケンによれば、アッシュマンは、HIV陽性であることを誰にも話さなかったという。メンケンは、当時のエイズ危機のなかでは、アッシュマンは病気の苦しみを秘密にせざるを得なかったという。

アニメ映画の監督コンドン氏は次のように話しているそうだ。「作品をミュージカルにするということだけでなく、野獣とヒロイン・ベルの2人を中心的なキャラクターにするのはハワードのアイデアだった。それまではヒロインであるベル中心の物語だった。実はこれ、アッシュマンにとって、エイズのメタファーだったのだという。彼は不治の病にかかっていて、この病は、彼を愛した人々へ悲しみとして降りかかっていたのだ。」ハワード・アッシュマンという人物、彼の闘病を知った上で、歌詞を振り返れば、彼の思いがまた、伝わってくるかもしれない。

コーラス隊が着るのは U=U(Undetectable = Untransmittable/検出限界以下なら、感染しない)というメッセージのTシャツ。効果的な抗HIV治療を受けて血液中のHIV量が検出限界以下のレベルに継続的に抑えられているHIV陽性者からは、性行為で他の人にHIVが感染することはない、ということを表すものだ。近年多くの国際的な研究によって、このU=Uの科学的エビデンスが確認された。

今でもHIVに感染し、辛い思いをしている人はいる。しかし、多くの人がこのU=Uのメッセージを知ることで、自分自身とHIVとの付き合いかた、パートナーとの関係をより良いものにし、さらには社会におけるHIVに関連したスティグマ(負の烙印)を減らすことにつながることを切に祈る。

参 考

ウィキベディア「ハワード・アッシュマン」
https://ja.wikipedia.org/wiki/ハワード・アッシュマン

ディズニーの実写版『美女と野獣』から作詞家ハワード・アッシュマンを振り返る
indietokyo.com/?p=6053

Beauty and the Beast Has Disney’s First Openly Gay Character as Director Calls Story ‘a Metaphor for AIDS’
https://people.com/movies/beauty-and-the-beast-disney-first-openly-gay-character-lefou/

 

TOKYO AIDS WEEKSで歌われる
Disney Medley 2019

・星に願いを(ピノキオより)曲:Leigh Harline

・アラビアン・ナイト(アラジンより)詞:Howard Ashman/ Alan Menken)

・ホール・ニュー・ワールド(アラジン) 詞:TimaRice  曲: Alan Menken

・チム・チム・チェリー(メリーポピンズより)曲: Richard M. Sherman and Robert B. Sherman

・雪だるま作ろう(アナと雪の女王より)詞/曲:Kristen Anderson-Lopez and Robert Lopez

・レット・イット・ゴー〜ありのままで(アナと雪の女王より)詞/曲:Kristen Anderson-Lopez and Robert Lopez

・いつか王子様が(白雪姫より) 曲:Rrank Churchill

・ベル〜朝の風景(美女と野獣より)詞:Howard Ashman 曲: Alan Menken

・美女と野獣(美女と野獣より)詞:Howard Ashman  曲:Alan Menken

生島

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