陽性者と家族の日記

道から見る風景

新しい年 2021年がはじまりました。

あけましておめでとうございます。

 

が、正直…

どんな一年になるのか まるで見当がつきません(^^;

 

夏に東京オリンピックが開催されるかどうか分かりませんが…

COVID-19の流行の波は今後も季節を変え 何回にも分かれてやってくるんじゃないか、というのが(専門家でもなんでもない僕の)勝手な予想。

仮にワクチンが普及したとして、集団の中で効果が実感できるようになるまで 最低でも数年かかるだろうと思うので…

マスク生活、オンライン生活、@home生活はまだまだ(場合によっては数年先まで)続くかも、と 自分なりに覚悟しています。

 

HIV陽性者としては…やはり 自分の健康管理が心配ですね。

 

現段階では “HIVをもっていること自体が COVID-19を悪化させるリスクとしてどれほど高いのか” 明確な答えはわかっていません。

HIV陽性者 とひとくちにいっても…血中ウィルス量やCD4の値だけでなく…その他の慢性疾患かあるかどうか、親から受け継ぐ遺伝的要因はどうか…など 個人によって事情が大きく異なります。

言い換えると、”治療が施されていれば、すぐに死に至る病ではなくなっている”ということを意味しているわけで、おおざっぱな一般論でひとくくりするのはさすがに…ということなのではないでしょうか。誰かが「安全宣言」でもしてくれたら みんなスッキリするんだろうけどね。

HIVについてもその他の疾患についても、現在なんらかの治療を受けている人は既往症を悪化させないようにコントロール、油断せずに自分の身を守る行動をとる…

可能な範囲内で自分ができることをする、今の段階では それに全集中 ! と考えるようにしています。

 

体を動かすことにも より意識を向けるようになりました。

在宅ワークが増え、今まで通っていた職場近くのスポーツクラブではなく 自宅近くの24Hジムに切り替えたことで 逆に通う回数が激増しました。

ダンスやエアロビクスが楽しめるスタジオや水泳用のプールはないけれど…自分の好きな時に好きなだけ行ける、という安心感はほんとに頼もしいですね。自分が鍛えたいところだけピンポイントでトレーニングできるのも心強いし。

昨今の環境は高齢者には厳しいのでは…と思っていたのですが、とんでもない。65歳以上の利用者も結構多く、かつ僕よりも重いウェイトを挙げている人たちもチラホラいるのには驚きました。

自分が知らなかっただけ、世の中は大きく変わっていたんだ…”お年寄り”なんて単純な言葉ではとてもカテゴライズできない、いろんな先輩たちが ここでも自分のすぐそばで 元気に活躍しているんだねー。

同じところに”定住”して安心を頼りに生きるのも悪くないけど、僕には…アドベンチャラスな状況に身を置く方がしっくりくるかな。

みょーな負けん気が身体の中心から湧き上がってくるので(^^;  できることなら いつまでも新しい”峰”に登ってみたいな、と思うのです。

 

もちろん…繰り返しになっている”あたりまえの毎日”の中にも 探せば 刺激になるようなことが見つかります。

 

24Hジムに通い始める前…在宅で運動不足になりがちな体を甘えさせないため、1日15キロのウォーキングを日課にしていました(初夏でしたからね(;´∀`)

僕が住んでいる場所は都心から遠く離れた田舎町なので、5KMや6KMを歩いても景色があまり変わらないんです…下手をすれば”同じ市内に収まる”くらいの距離ですし。

コンビニやフランチャイズのレストラン、衣料店、ガソリンスタンドが品を変え 繰り返し繰り返し現れる、みたいな。

片道7.5KMの道のりを折り返すと合計で15KM。歩いている人も少ないし、実に快適だけど…いつも同じ風景では さすがに飽きてしまいます。

 

同じことを東京の真ん中でやってみたらどうだろう、と思い…直線で15KMウォーキングを 去年の秋に試してみました。

JR中央線の秋葉原駅を起点とすると…15KM先は荻窪駅。中間の7.5KM地点にあるのが千駄ヶ谷駅。

秋葉原から歩いてみると…地元でのウォーキングとはまったく別物、というか 荻窪までの15の駅の間に それぞれ全く違った景色が広がっていることに驚きました。

もちろん 人や車の数は地元よりは圧倒的に多いです。

でもそれ以上にびっくりしたのは…

道沿いに広がる家並、寺院や神社の雰囲気、歩行者の人々の服装、年齢層、街並みから漂ってくる匂い…

これらすべてをひっくるめて”文化”と言うものなのだ、としたら…

僕らは 実はまったく別々の世界に生きているのではないか、それくらいすべてが違っている…ということに 今さらながら気がつかされたことです。

 

電車や車による ”目的地に向かうこと優先”の移動は確かに便利だし、ピンポイントだけに 圧倒的に早いです。

けれども…省略されてしまったフレームの…それぞれのコマのすき間に埋められた風景にこそ、ほんとうの人間の暮らしが根づいているのでは…

同じ道を逆方向から歩いて行っても…異なる時間帯…朝、昼、夜を変えて動いてみても 自分の目に入る街は絶えず変わり、全く同じに見えるものは ひとつとしてありません…

 

2020年同様に 先の読みにくい一年になりそうですが…

今年も自分の足で道を歩きながら…せっかくなので 今しか味わえない景色を味わいつつ…楽しみながら新しい年を日々経験していけたらいいな。

これが 僕の新年の抱負。

 

本年もよろしく おねがいいたします<(_ _)>

 

 

 

 

 

 

なぎさのペンギン

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