陽性者と家族の日記

Story of My Life


暑い毎日が続きますが、いかがお過ごしですか?

昨年の秋に母が亡くなり、実家が空き家になったので…
この半年間は比較的、故郷に戻る時間が増えました。

電車で東京から1時間半…都心と比べて
車や信号の少なさ、人の少なさ、緑の多さにホッとします。
都会のざわめきが恋しい日にはすぐに戻れる、そんなわがままも可能な環境で ありがたいです。

実家に戻ってから 自分の部屋の片づけもしました。

30年前、僕は科学雑誌の出版社に勤めていました。
戸だなの中から 当時の自分が編集を担当していた本を発掘w し、読み返してみると

「21世紀は感染症の時代」
「地球温暖化で世界中で洪水がひん発」
「2025年には日本人の4人に1人が65才以上の高齢者で、介護が大きな社会問題に」
(注:日本の少子化が予想以上に進んでいるため、現実の高齢化はもっと速いペースで進行中です)

30数年前、いろんなことが すでに予測されていたんだなって(^^;

あのころの自分は 30年後なんてはるか遠い未来の話だと思っていたんでしょう。
まあ…あくまで仕事としてのかかわりだったし、”素の自分”との結びつきなんて思いもせず…

だからこそ、なのでしょうが…
SARS-COV-2(新型コロナウィルス)や、ごく最近だとサル痘(Monkey Pox)のニュースを
聞くたび さまざまな思いがよぎります。

”HIVに感染した” それは 自分にとって どういうことだったのか。
そのとき、自分と世の中(社会)はどうつながっていたのか。

そして 今を、今の自分や世界をどう感じているのか。

30年前と、その後の自分に起きたさまざまなできごと、そして2022年の現在の自分は 1本のひものようです。

HIVの感染がわかった17年前 ばくぜんとしていたモヤモヤも…
今なら、過度に自分を否定することも、肯定することもなく、なーるほど、と客観的に理解できます。

そんなに長くかかったんかい(;'∀')と突っ込まれそうですが、僕の場合は、それくらいの年月は必要だった、ということ。
17年間もかけたぶん、頭と心の準備時間としては 充分過ぎるかも知れない。
テクノロジーが自分を支え続け、ずっと生きてこられたおかげです。

同時に…
科学の進歩とは逆の意味で、パートナーや友人たち…この十数年で世を去ったさまざまな人々も インパクトを与えてくれていると思っています。
いつかは自分も退場する日が来る…という絶対的な現実を改めて気づかせてくれたのは まぎれもなく”彼ら”なので。

その日を前に、自分は いったい何ができるんだろう?

パンデミックがいつ終わるのか やきもきするよりも、今の…この先の自分をしっかり生きないと
時間はどんどん流れていってしまいますよね。

未来にどんな変化が起きようと、それも結局は人生の一部になるのだから しっかり受け止めないと。
———————————————————————————————–

ずいぶん前の作品になりますが、One Direction というボーイズグループの
「Story of My Life(ストーリー・オブ・マイ・ライフ) 」という曲が 僕は好き。

普通に訳せば タイトルは “私の人生の物語”。

でも、実はもうひとつ

“自分の人生、うまくいかないことがいっぱいあってさ”
("それでも これが自分の人生なんだな" → It’s the story of my life)

という”スラング”(俗語)としての意味もあります。

あたりまえの日常のその先を

「何ごとにも期待なんかしないよ、オレって、結局ツイてないもん」

と続けるか

「やんなっちゃう…けど…気を取り直して またがんばってみよ」

と続けるか…

My Lifeのストーリーは 本人だけが知っています。

上の写真は 地元の緑地公園と 久しぶりの夏祭り。
やっぱり いいよね!!

現在進行形で 大切な人たちと いつまでも元気で。
今日よりもっとHappierな明日になりますように。

なぎさのペンギン

陽性者と家族の日記 へ