誕生祝
電話。
親からだった。
「もうすぐ、蔵人の誕生日だけど、
ネクタイでも買ってあげようかと思って・・・」
親はもう年金生活に入っているので
そんなにお金の余裕はない。
こちらがあれこれと世話をしてやらなければ
ならない立場なのだ。
ネクタイなんか、上野で売っている1本500円ので
自分は充分である。
「うーーーーん。。。。。」
答えを渋っていると、
「じゃあ、何がいいか、考えといてね」
と言って、電話は切れた。
いつまでたっても親として何か子供に
してあげたいのだろう。
何もかも断るのは忍びない。
かといって高価な物や買うのに手間がかかる品もムリ。
何だか少し切なくなりにけり