陽性者と家族の日記

便利

客先の営業所の人と話す機会があった。
いつも管理部門の人が相手なので、現場の人とゆっくり話せるのは本当に珍しい。
食品を小売店に配送する仕事のため、朝早くからの仕事になるそうだ。

「・・・じゃ、朝まだ真っ暗なうちから廻りはじめるんですよね~?」
「・・・ええ、早い人は12時前にここへ来ますよ」
「12時前って・・・夜の12時???」
「そうですよ。2時頃から出かけるんです。最近は営業所も統廃合で担当のエリアが広くなったんで、朝までに全部届けようとするとそうなっちゃうんですよ。それで昼前ごろ終わりです・・・」

 そうなんだ。こういう(自分から見れば)無茶な生活リズムで仕事をする人に支えられて自分は常に新鮮でおいしいものを食べているんだと思い知らされた。
 スーパーに行くとつい製造年月日の新しいもの、賞味期限が遅いものを探して選んでいるが、その些細な欲求が廻り回ってこういう事になっているのだ。

 今の世の中、便利さの追求はまるで当然の権利となってサービスがどんどん膨らんでいるけども、多少不便でもいいや、と、今日、思った。

蔵人

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