陽性者と家族の日記

外泊

 思いがけず入院が長引いて、もう2週間以上経ってしまった。
外泊許可が出たので、昨日から1泊だけ家に帰ってきている。

 熱があるとかだるいとか、自覚症状がないだけに、
入院生活は「趣向の違うホテル生活」である。

 入院当初は、早く退院したいばかり考えていたし、
新しい薬で服薬を再開して一週間後、ひどい発疹が出たときに
2日間くらい、暗~い気持ちになったけれど、
ちょっと発想を転換してしまえば、
入院生活も悪いことばかりでは決してないなと今は思う。

 娘に週末しか会えないのが寂しいけれど、
両親がしっかり面倒をみてくれるので心配はないし、
朝夕の服薬と週2回の採血くらいしか治療らしきものはないから、
上げ膳据え膳のうえに、一日まるまる自分の時間という贅沢な毎日。
何をしているかというと、病棟のロビーや病院の図書館にある、
「自分では買わないけど読みたかった本」を読みまくっている。

 同じ病棟は白血病やリンパ腫の方が多く、
いろんな話をするのだけど、こんな機会でもなければ、
考えないことや思い至らないことも多くあった。
知り合った方のおかげで、入手困難な歌舞伎のチケットが取れるという、
思わぬ幸運にも恵まれた。人間、何が幸いするかわからないなあ。

 いつ退院できるかは、まだわからないけれど、
これで新しい薬も問題なく始められるし、この際ありがたい休暇だと思って、
とりあえず今の状況を楽しんでいくつもり。

 娘の家でのちょっと成長した姿を見られたし、
おいしいものをたべたりして昨日からの外泊で家の生活も満喫したし、
また、がんばっていってきま~す!

 

つばさ

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