陽性者と家族の日記

K先生

先週風邪を引いた。
去年とまったく同じ時期に同じような症状。凄い高熱と鼻詰まり。
とりあえずいつもの専門内科に駆け込んだのだが、散々検査をした挙句これといった原因がつかめなかったらしく極普通の感冒薬だけ処方してその日はおしまい。自分の経験からこんな高熱は大概アデノイドあたりの耳鼻科系の炎症なんだけど。。経験の浅い医者にはこう言いたい。お前ら自分の担当科のカルテだけ見るなと。私の場合専門内科より耳鼻科のカルテに多くの情報が詰まっている。

一時的に熱は引いたが鼻の調子がおかしいままで、再び熱が出てきた。完全に具合の悪い所が鼻周りに集中しているのでどうしても耳鼻科に行かなければならない。
直接耳鼻科に行こうとしたが一旦専門外来に廻されてしまった。しかし「お前の所じゃ埒が明かないから耳鼻科に廻せ」という意味の言葉を100万倍位の婉曲表現で主張して耳鼻科へ紹介状を書いてもらった。殆んど無意味な約2時間のロス。

耳鼻科には以前から担当してもらっている医者が二人いる。二人とも私とほぼ同年代の医者なので結構気楽に話が出来る。今日はそのうちのK先生がやってきた。病院側も私のカルテから担当したことのある医師を呼んだのだろう。

K先生「お久しぶりですね。」 
こんにちは。K先生の診察は約2年ぶりかな。
このK先生は医者でいるのが勿体無い位の実に甘く端正な顔立ちである。
しかし、これはもう過去形で表現しなくてはならないかもしれない。
いま、自分の目の前に見えるのは巨大に膨張した脇腹の肉・・・一体どうしたというのか。完璧な中年太りの罠にはまって美貌は台無し。時は残酷。

診察が終わって会計を待っていたときK先生が傍を通っていったが、その後姿はまるで太りすぎのコーギー犬の散歩を想像してしまった。

蔵人

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