陽性者と家族の日記

記憶

 母の叔父が亡くなった。
愛知県に住んでいた(名古屋ではないのだけど)ので、
「名古屋の叔父さん」と私たちは呼んでいた人である。
 
 私が小学校低学年までくらいのころは、
おばあちゃんちでお正月やお盆に会っていたのだけど、
それ以降はほとんど会っていなかった。

 なので、ほとんど記憶がないと思っていたのだけど、
おばあちゃんと会って、「あんたが小さい時はなあ…」と、
おじさんの思い出話をしてくれたら、
内緒で甘~いお菓子をくれたときのこととか、
いつも弟と私に「かわいいな~」と言ってくれて、
ほっぺたにキスしてくれたこととかを鮮やかに思い出した。

 親戚だったわりには全然縁がなかった人だと思っていたけど、
こうやって、出会った人の記憶というのは残っていくのだと思った。
娘の学校行事で、お葬式には出られなかったけど、
静かに家で手を合わせようと思う。

つばさ

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