陽性者と家族の日記

免疫って?

病気になってからというもの、以前と較べて生物学や医学関係
の本をよく読むようになりました。
最近、印象に残ったのが著名な免疫学者 谷口克さんが書いた
「新・免疫の不思議」という本です。

「免疫ってなに?」と聞かれたら、大抵の人が
「病原体を発見して排除するためのカラダの仕組み」などと
答えると思いますが…
実はこれ、回答としては半分しか当たっていないのだそう !

谷口先生によれば、「免疫」とは
「<自己>と<自己でないもの>を区別し、<自己でないもの>を
排除するための仕組み」とのこと。
自分と自分でないものを精神面から判断するのが脳の役目だとしたら、
その細胞が自分のカラダに由来するものか、他者なのかを
細胞レベルで判別する分別システムが「免疫」。
例えば、感染症から身を守る防御システムって、
<自己>と<自己でないもの>を振り分けた結果のひとつとして
現れてくるもので、最初から意図的に排除している訳ではないのだそうです。
だから、システムが暴走しちゃうとリウマチなどの自己免疫疾患になったり、
アレルギー疾患を悪化させたりもする。

日々、免疫関係の病気と向き合っている僕ですが
「免疫が常に人間の味方と限らない」という視点にハッとさせられました。
その人の健康状態によって良い存在にも悪い存在にもなり得る…
ということも…日常生活で遭遇する、さまざまなトラブルに対する
暗喩みたいでなんとなくおかしい。
無条件で味方してくれることなんて、そうそうないんだなあ…って(笑)

それに、人間って…ときどき、自分と姿かたちが著しく異なるものに対して
拒絶反応を示したりするけど…
こういうことも、あらかじめ身体のコンピュータにプログラムとして
組み込まれているの?

生命って、改めて不思議な存在だなあ…と思わざるにはいられません!

なぎさのペンギン

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