陽性者と家族の日記

桜の季節に想う事

この頃バイクで近場を走ってみて、桜がどんどん咲いていくのが分かった。
日毎に通る度に、少しずつ淡いピンクの色の部分が大きくなっていって、ヘルメットのミラー越しから見えるその景色は春の訪れを、何よりも強く感じさせてくれる。
少し花粉症がまた出てきたのか、顔の辺りがちょっと不快だけれど、それを吹き飛ばしてくれるような景色だ。
ちょうど、この病気になっていたことが分かった7年ぐらい前、「桜」というものが、僕にとって、ひとつのキーワードのようなものになっていた時がある。

‥来年は、この桜が見れるのかなぁ‥。と、何度思ったかわからない。
でも、時は経ち、発病もせず、こんな状態が安定してくると、こんな事を以前はおもっていたなぁ‥。と、それはそれで僕の中では、大切な想い出の一つになっている。

何度も、何度も、色んな事を考え、打ち消し、思い、否定し‥。
その度、悲観したり楽観したり、自分なりに悩んでいた。
自分をごまかしたりして、救いのようなものにすがりついた事もあったし。
‥でも、結局現実から目を逸らさず、少ないけれども与えられた選択肢の中から、自分なりに悩み抜いて選んできた。
そんな自分にも、ありがとう。と言ってやりたい。
もちろん、まわりの人のサポートにはそれ以上に感謝なのだけれども。

色んな人に支えられて、過去の自分にも支えられて、けして独りでここまできたわけじゃない。
こないだ、ちょっとした喧嘩をしたときに、僕が自暴自棄になったような口調でふと、もういいよ‥。と呟くと、パートナーは「お前はもう一人じゃないんだから、心配する人間がここにいるんだから、もういい‥。なんて二度というな!」と、真剣な顔をして言った。
なんだか嬉しかった。そんな事、誰にも言われたこと無かったから‥。もちろん親にも。

実は今回、お花見に行ってきた事を書こうと思ってたんだけど、長くなりそうなので、ワンクッションおきたいなと、この日記を書いてみた。

次回の日記で、ほぼ、自分の内面と向き合った感の文は終わるのかもしれないと思う。

朧気ながらも、答えが出たような感じがするからだ。
とはいえ、気まぐれな自分の事だから、それはわからないけれども。(笑)
僕にとって、この長い休みは、自分の中にあって、目を逸らし気味だった所を見つめる良い期間だったと思う。
凄く何かが変わる、と言うわけではないんだけど、大事なものに気付かせてくれたような‥。なんかそんなような感じ。

自分は、普段は人と話す時には、殆ど本音を話さないで相手に合わすことが多い。弱い所なんかあまり見せたくないからだ。
大丈夫かな‥。と判断した人には凄く気を使いながら、話すことはあるけれど。
だから、ありのままの自分の気持ちを出せる文章を書くと言うことは、自分にとっては、とても大切なことなのかもしれない。
ありがたいなぁ‥と思う。
それでは寝ようかな。おやすみなさい

みのる

陽性者と家族の日記 へ