陽性者と家族の日記

2010

幼いころ 2010年なんて 遥か遠い未来のような気がしていた

空には小型の飛行艇が飛び交い リニアモーターカーが縦断し
ナヴィゲーターが宇宙ステーションから火星の基地へ行き来する
高度に発達した科学に 誰もが目を輝かせているような未来

みんなの視線が絶えず外側に向けられ 心は遠い世界を見つめている

実際は違った 

彼方に広がる神秘の世界をたずねるより もっと大切なことがある
いま自分がいるこの場所で ほんとうの意味がなんなのかを考える
幸福って誰のためのもの 自分 愛する人 それともみんなへ
人間がようやく気がつきはじめた 21世紀 最初の10年

2020年は いったいどんな世界になっているのだろう

そして 新たな旅がまもなくスタートする 

なぎさのペンギン

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