陽性者と家族の日記

LIFE ON EARTH

原発事故。
空気に 水に 流れはじめた恐るべき物質。

でも 放射性物質のほとんどは 太古の昔から
もともと自然界に存在している元素。
宇宙が作られたときから存在していたものばかり。

有害な電磁波が飛び交う宇宙空間では 生物は命がない。
X線などの強烈な放射線のエネルギーが たちまちのうちに
ありとあらゆる細胞を破壊してしまう。

そんな死の星に酸素が生まれ 上空をオゾン層のヴェールが
包んでくれたおかげで 生物は繁栄した。
そのオゾン層が破壊されている。
オゾンホールの広がりで 北極では前年比四割減という勢いだという。

しかし オゾンはどんなときでも生命を育むわけではない。
殺菌剤として使われているくらいだから
本来は生物を殺す性質の強い 有害物質だ。

地球温暖化を防ぐために 原子力発電の計画が進められた。
ところが 生命の安全を確保しようとして 逆に毒物をまき散らしてしまった。

人間は 五感で感知できないものを 存在しているものとみなさない。
というより そこが境目になっているから いろんなものと共存できているし 
ときには自らをつぶしてしまうこともありえるのだろう。

白黒どちらか 答えを出せば問題が解決するほど明快なわけではなく
あやうい生と死のラインを行き来しながら揺らいでいるのが
最初から生物を取り巻いている シビアな現実なのかもしれない。

バランス。

不安定なやじろべえの上でけんめいにがんばっているからこそ
生きていることは素晴らしいのだ と あらためて思う。

なぎさのペンギン

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