陽性者と家族の日記

ありえないありえる事件

先日のニュース。

総合病院に勤める看護士さんの提訴。
目の異常で検査するも原因がわからず、最終的に大学病院でHIV感染が発覚。
HIV感染している事実が自分の知らないところで勤務先等に伝わっていて、
患者に感染する可能性がなくなるまで(?)長期休職せざるを得ない状況になり、結果退職することに。
とのこと。

HIV感染で就業差別してはいけないとの厚生労働省のガイドラインもあり、
実際看護士の仕事で患者さんを感染させることはまず考えられない。

でも差別は起きた。

某SNSでもこのニュースに関して日記を書いているたくさんの人はいて。
その中で
・感染している看護士と、感染していない看護士がいたら、自分は感染していない看護士を選ぶ
という人がいました。

理論と感情。
理論では感情は抑えられない。
理論では「ありえない」けど、人の感情として「ありえる」。

今や「コントロール可能な慢性疾患」と位置づけられているらしいHIV感染。
「感染=死」というセンセーショナルな登場をしたHIVは、
「感染=死」でなくなったことで人々の関心が減ったのかもしれない。
でも、あのインパクトは今も鮮やかにみんなの心に強烈に残っている。

毎日薬を飲むことしか、HIVと関わらない平和な日常。
でも、「差別を受けるかもしれない」という僕の中にある恐怖はまだまだ変わらないだろう。
僕はこれからもHIVを隠し続ける。

たたみ

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