陽性者と家族の日記

水平線の先

夏休みに、以前から憧れていたシチリアに旅行してきました。シチリアの日差しは日本よりも強く、乾燥した大地に実るレモン、市場に並ぶトマトやオレンジを見ていると色の洪水に飲み込まれるような感じがしました。ギリシア、イスラム、バイキングと、絶えず異民族の侵入にさらされてきた喧騒の街を歩くと、ここがヨーロッパなのか、中東なのか、そして自分がどこから来たのか分からなくなりそう。空と海の間、水平線の先は、もうアフリカだそうです。でも、ロンドンに帰ってすぐに、シチリアで買ったカラスミ入りのお茶漬をすする自分は、やっぱり日本人。エスプレッソも美味しいけど、やっぱり緑茶が落ち着きます。 日本から連絡をくれる家族や友人が、自分がどこから来たのかを思い出させてくれます。自分のルーツとのつながりを持ち続けることは、実はとても幸せなことなんですね。そのつながりに感謝、です。

ひろき

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