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「MSWとして」拠点病院MSW(女性、30代)

拠点病院でMSWをしています。今年度、HIV陽性の患者さんへの支援の担当になり、患者さん達が生活をされる上での悩みや思いを少しでも知ることが出来れば、という思いで参加しました。
良い薬の開発に伴い、もはやHIV=死ではなくなり、病院の相談室でも就労(の継続)や勤務先との関係性・やりとりについてのご相談が多くあります。

MSWになりたての頃は、HIV陽性の患者さんに初めて関わらせていただくということもあり、とても緊張しながらお話を聞いたことを覚えています。HIVについての知識が少ない中で、陽性者の方がどんなことを不安に感じられているのか、それに対してわたし自身は何が出来るのかと不安でいっぱいでした。MSWとして少しずつ陽性者の方に関わらせていただく中で、HIVは特別ではなく(留意すべきことはもちろんありますが)、他の慢性疾患の患者さんと変わらずに、「疾患を抱えながら生活する」方であるという思いを年々強く持つようになりました。(とても当たり前のことで恥ずかしい限りですが…)
今回初めて参加してみて、HIVは患者さんの人生の一部なのだな、という思いを新たにしました。人生のステップを進める中で、妊娠・出産について考えることはごく自然なことだと思います。まだ文献や症例が少ないからこそ、陽性者の方にとっては大きな関心事であり、大きな心配事であると感じました。
自分自身が支援者として関わる際には、まだ結論が出ていない領域のトピックであるということを十分認識した上で、陽性者とそのパートナーの方が少しでも後悔が少ない選択をできるようにお手伝いが出来ればと思います。またどんな選択であれ、できる限りのことをサポートさせていただきたいと思いました。貴重な機会を本当にありがとうございました。

プログラム参加の感想

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