運営委員のつぶやき

矢島 嵩

ぎっくり腰&エイズ学会という“魔のロード”をとにもかくにも終えてやっと帰ってきました。学会自体は興味深いものでした。特に、シンポジウムでご一緒させてもらったジェフリー・グレアソン氏が中心となって行っているオーストラリアのHIV陽性者の生活調査と、生島さんや、若林チヒロさんという研究者が中心となって日本で行っている「HIV陽性者の社会生活に関する調査」の2つに同時期に触れて、いろいろ刺激や疑問を持って帰ったのは大きな収穫でした。それから、全国から医療従事者や研究者だけでなく、陽性者を含むさまざまなバックグラウンドの人が参加するのもこの学会ならではで、これまた刺激的。

ただ、痛みを緩和しながら体調を維持するのが精一杯だったので、正直なところ今の気分は、ホッとしたのが半分、「もうこりごり」というのが半分くらい。名古屋国際会議場という巨大なバブリー会場の中で(もちろん、エレベーターがありますが)あちらこちらに移動しながら過ごす3日間というのは、座ったり立ったりするのさえ一大決心がいる状態の僕にとっては、とてもエネルギーがいる日々でした。

ところで、数年前に神戸で行われた国際会議の頃から血液製剤由来で感染したいわゆる薬害の人たちともいろいろと一緒に活動をさせてもらうようになったのですが、それ以来こういった大きな会議があると必ず彼らに会って「久しぶり~」と再会するのが楽しみの一つです。今年もそのうちの何人かには会うことができたのですが、血友病によって足や股関節が不自由な人が多くて、巨大会場では大変だろうなーと思います。僕なんかは大げさなだけで、所詮ぎっくり腰なわけで、くらべたりするのすら失礼なのですが、何年も付き合ってきて今ごろこのことに気づいたというお粗末。

矢島 嵩

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