運営委員のつぶやき

矢島 嵩

たまたま立ち寄った古本屋の店頭に、10代のころから好きだった作家の文庫本があり、100円で買ってきました。僕はあまり読書家ではないのだけれども、 この本は10年ごとくらいに何度も読んでいて、ちょっと大げさだけど、人生の節目節目に、その時々の自分の感受性やエネルギー量を測る目安になっていたよ うに思います。

自分と世の中とのおりあいの悪さにあれこれ悩みながらも、自分のもっとも繊細で傷つきやすい部分を後生大事に抱えながら、それでも生きていく青春真った だ中の主人公にずーっと共感してきたのです。でも、今回読んでみたら、「そんなことにこだわってたら食っていけないじゃない」とか、「肉体的に若く健康が 続くとはかぎらないんだぞ」とか、同じ葛藤を何十年も続けている主人公にちょっといらいらしたりして。(そりゃ、小説の中だから、何十年も変わらないに決 まってますが・・・。)確かに自分を測る目安になっているようです。

矢島 嵩

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