スタッフ日記

オレンジの国から deel 8

「Breaking Barriers, Building Bridges(障壁を破り、橋を架けよう)」をテーマに行われた第22回国際エイズ会議は、世界各国から1万6,000人超の参加者を集め、27日に閉会しました。

この会議の目玉のひとつとして、「PARTNER研究」の続編でもある「PARTNER2研究」の成果も発表されました。HIV陽性と陰性の972のゲイ・カップル間の76,994回のコンドームなしのアナルセックスで、1度も感染が起こらなかったというエビデンスで、治療を継続しウィルス検出限界未満のHIV陽性者からは感染の可能性がないこと、「Undetectable = Untransmittable (U=U)(検出限界以下=感染しない)」のメッセージに加勢しました。

会期中に国際エイズ学会の著名な専門家らも合意声明を発表し、現在少なくとも68の国々が、HIV陽性者が自身の感染を伏せたり他者に感染を及ぼすことを犯罪と規定しているが、それらは最新の科学によるエビデンスを理解しておらず、HIV/エイズ対策の障害となるばかりか、スティグマの増強につながっていると非難しました。

世界的には今もなお、3,700万人のHIV陽性者のうち東ヨーロッパ・中央アジア・北アフリカ・中東地域を中心に1,500万人が治療へアクセスできず、年間100万人が命を落としています。しかし、国際的なHIV/エイズ対策のメジャーな拠出国の半数以上が、昨年1年間でその拠出額を削減しているという現状があります。華々しい科学の成果とのこのギャップに橋を架けていくことが、引き続き大きな課題となっています。
 

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国際エイズ会議閉会翌日の28日からは、Pride Amsterdamが開幕。アムステルダムの街中がよりLGBTQフレンドリーに彩られます。
 

 

 

 

アムステルダム最古のLGBTQ向けバー「Café ‘t Mandje
 

 

 

 

 

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