スタッフ日記

あらためてご紹介「HIVをめぐる さまざまな人たち」

もう読んだよーというかたもいらっしゃるかと思いますが、あらためてご紹介します。何たって苦節7年、渾身の力作(ちょっと大袈裟)なものですから(笑)。

この本は、2003年からぷれいす東京Newsletterに連載してきたシリーズ「難しさと向かうこと」 の中から4編と、新たに収録をした2編、あわせて6編のインタビューを収載したものです。何十時間もの収録テープの文字おこしをして、前後した話を並べ直してみたり、いい話を泣く泣くカットしたり、意味を確認して補足したりしつつ編集を繰り返して、ついに一冊の本になったとものです。

このインタビュー集には、HIVを「自分事としてとらえているさまざまな人たち」の語りが集められているのが特徴。そして、10人のインタビュー協力者だけでなく、その周囲の人たちも語りの中に生き生きと登場します。ソーシャルワーカー、就職先の人事部、上司と同僚、区役所の窓口、カウセラー、同級生、いとこ、母親、息子、ともだち、パートナー、医者、ナース、透析の技師、リハビリ担当者……。まだまだ登場します。HIVに影響をうけて生きているのがHIV陽性者だけでないことがよくわかります。そして、社会の関わりの中にこそあるHIVの課題が見えてくることでしょう。

インタビュー集

[目 次]
第1話 人生設計をしなおすということ
〜陽性告知後の人生での “めぐり会いと結婚”〜

第2話 人事担当者の新たなるチャレンジ
〜免疫機能障害者の採用をめぐって〜

第3話 母親と息子のそれぞれの葛藤
〜”家族の課題”と”セクシャリティ”に向き合う〜

第4話 福祉事務所で免疫機能障害を担当して
〜”手続き” “相談” “プライバシー”
さまざまな課題をめぐって〜

第5話 “偽陽性”いう結果に振り回されて
〜”告知を受ける” “結果を待つ” ことの重み〜

第6話 いくつもの病気を持ちながら地域で暮らす
〜HIV、結核、糖尿病、そして人工透析〜

B5判 54頁で、背表紙のついたシンプルな装丁と、読みやすい字組みを心がけて制作された本です。ぜひ、じっくりと読んでいただきたい一冊です。入手方法はこちら

矢島 嵩

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