スタッフ日記

無からは何も生じない

という訳で、18日に開会した第18回国際エイズ会議。活動家たちがオープニング・セッションの舞台を占領して、世界的なHIV/AIDS対策への資金拠出を手控えるG8に対するサイレント・プロテストを行うなど、「Silent = Death(沈黙は死)」と、会議場内外でさまざまなかたちで声を上げそれぞれの問題を訴える動きがとても印象的な幕開けでした。

G8Leaders会議場の様子

会議場の様子

翌日のプレナリー・セッションで基調講演を行ったクリントン基金のビル・クリントン元米大統領もそれに呼応するように、政府は昨今の経済不振などを理由にHIV/AIDSへの取り組みを緩めてはならないというメッセージを発する一方、少額の資金をより多くのドナーから集めるような仕組みの推進や、運営上の無駄を省きサービスそのものに費やすリソースを増やすといった努力も続けていかなければならないと述べていました。

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会議の一連のプログラムの中には、ホストするウィーンの地域と連動したイベントも多くあります。

そのうちのひとつ、地元のレズビアンやゲイのボランティアがウィーン市内を案内するQueer Vienna Cityというバスツアーに参加してみました。市内の観光名所にあわせて、オーストリアのセクシュアル・マイノリティとHIV/AIDSを取りまく歴史が紹介され、プライド・パレードのルートやゲイ・タウン、最古のゲイバーやハッテン場のあった場所、会議場最寄りのハッテン場や街で一番ポピュラーなハッテン場にも案内されて、あっという間の1時間。このコミュニティの人だからこそできるようなツアーで、とてもいい勉強になりました。

ツアーバスウィーンで一番人気があるゲイMIXのカフェ

ウィーンで一番人気があるというゲイMIXのカフェ

今回のこの会議にはおよそ2万人の参加者が来ているとのことですが、ウィーンが国際エイズ会議の開催を歓迎し、街をあげて盛り上げていこうとする様子があちこちで伝わってきて、とても心地のよい滞在になっています。

WelcomeToVienna国会議事堂など市内のランドマークには軒並みレッドリボンが

国民議会など市内のランドマークには軒並みレッドリボンが

おーつき

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