スタッフ日記

会議は踊る、そして進む?

オーストリアのウィーンで行われていた第18回国際エイズ会議は23日に閉会し、また高田馬場に戻ってまいりました。

ClosingSession

会議全体を通して見ると、まず「Rights Here, Right Now(今すぐここで人権を)」というフレーズがテーマに掲げられていた通り、人権尊重の概念と、それをもとにしたHIV/AIDS対策の重要性がさまざまな立場の人から強調されていたように感じます。20日には、「Human Rights and HIV/AIDS: Now More Than Ever」というHIV/AIDS団体および人権団体などの恊働キャンペーンにより、ウィーン中心部で大きなデモ行進と集会がありました。

そのような人権尊重の観点から、HIV/AIDS対策における予防、治療、ケアとサポートへの普遍的アクセスは基本的人権であり、費用や便益の検討に勝るものでなければならない。HIV/AIDSの活動家は人権活動家でなければならない、といった強い主張がなされていました。

また、クロージング・セッションのRapporteur(テーマごとの総括報告担当者)たちのほとんどがそれに言及するほど、会議中さかんに話題に上っていたのが「The Vienna Declaration(ウィーン宣言)」。同会議の公式宣言であるこの文書は、イデオロギーにもとづいた犯罪化政策ではなく、科学的根拠をもとにケアとサポートを薬物使用者に提供することの必要性、そしてそれは基本的人権であるということを力強く説くものです。

他に多くの共感を得ていた議論としては、治療だけでなく運動(ムーヴメント)のコンビネーションを訴えるものがありました。HIVや薬物使用、女性、貧困といった事柄には交わりや共通点があり、それぞれに対する運動の協調によって一層効果的・包括的に対策を具現化していけるのではないか、というものです。

Schonbrunn

以上、盛りだくさんの6日間。次回会議は2012年にアメリカのワシントンDCで開催予定だそうです。

月並みな感想ではありますが、わたしもまたさらに見聞を広めて日々の活動に励み、進んでいくことができたらと思う次第です。

おーつき

スタッフ日記 へ