陽性者と家族の日記

タイムマシーン

Hello,myfriend
まずはHappy Birthday to you
新しいあなただけの歴史を切り拓いていって下さい。

あれから5年位経ちます。沈丁花香る春も夕涼みも
空がとっても低くて天使が降りて来そうなほどの季節も
真夏のクリスマスも、何度も過ぎました。
LINEを送っても未読のまま、手紙を送ってもそのまま、
日本に居ないんぢゃないか、外国に移住した?
それとも地球以外の惑星、砂の惑星にでも行ったんぢゃないかと
思える程、君に会えなくなるなんて思いもしなかった。
いつも会っていたのに、思い出すのは夕焼けに小さくなる癖のある歩き方です。
今はどうしていますか。叶わない夢など追い掛けたりしないって言っていたけど
あの頃の夢を捕まえましたか。形にしましたか。
僕は月曜日のロボットよろしくカード押しておじぎをしてファクスを受けている
毎日です(T_T)

ふたり錆びついたかんらん車に腰をおろし遠くの景色を眺めながら
愛が砕け散るのを見届けたかった。
ひと回りして地上に降り立つまであなたの事を考える。
時々僕の噂話を聞いたり不意に僕の写真が出てきたり不思議な体験をしませんか。
もう愛は始まらないと思っているけどやっぱりあなただけをあなただけにと考える。
駆け引きの弾き金を引いて裏目に出ちゃったあの瞬間をも含めていつでも読み返せるように
フォルクローレのように語り継がれるように膨大な蔵書を保有する宇宙図書館の棚にしまっておきます。

夜の都会をさぁ飛び越えてあなたが生まれた1960年へ
バックミラーに吸い込まれてく散りばめられた光の中へ
モノクロームの時間が虹色に変わっていく。
Nobody Elseみんな知らない変わり始めた僕を。
安いサダル脱ぎ捨てて今日から新しい旅が始まる。「THE JOURNEY」が初まる。

IHO 拝

IHO

陽性者と家族の日記 へ